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韓非子 / 法家
韓非子の章句一覧
韓非子(法家)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全404句。
三守第十六
人主、心に藏せずして之を近習能人に漏らさば、...然らば則ち端言直道の人は見ゆるを得ずして、忠直日々に疏ぜられん。
リーダーが(部下からの進言や機密情報を)心に留めておけず、側近や有能な部下に漏らしてしまえば
人を愛するも獨り利せざるなり。譽を待ちて而る後に之に利す。人を憎むも獨り害せざるなり。非を待ちて而る後に之を害す。
(リーダーが)人を気に入っても、自分の判断だけでは利益(昇進)を与えられない。側近の評判を待
自ら治むるの勞憚を悪みて、...因て柄を傳え藉を移し、殺生の機、奪予の要をして大臣に在らしむ。
(リーダーが)自ら組織を治める苦労を嫌がり、...(その結果)権力(柄)や地位(藉)を(特定
賢良有りと雖も、逆う者は必ず禍有り。而して順う者は必ず福有り。然らば則ち群臣敢て主に忠にし國を憂え、以て社稷の利害を争う
(権力を握った幹部に)たとえ優れた人物がいても、逆らえば必ず災いがあり、従えば必ず福がある(
群臣、祿を持ち交わりを養い、私道を行いて公忠を效さず。此れ明劫と謂う。
部下たちは、給料をもらい(私的な)交際範囲を広げ、私的なやり方(派閥活動)はするが、会社(公
事敗るれば主と其の禍を分かち、而して功成らば則ち臣獨り之を専らにす。...心を壹にし辭を同じくして以て其の美を語らば、則
(権力を握った側近は)失敗すればリーダーと責任を分かち合い、成功すれば自分一人の手柄にする。
主道第五
故に虚静にして以て待ち、名をして自ら命ぜしめ、事をして自ら定めしむるなり。
故に(君主は)心を無にして静かに待ち、臣下に(やることやその名目を)自ら主張させ、物事を自ら
虚なれば則ち實の情を知り、静なれば則ち動の正を知る。
(君主が)心を無にしていれば物事の実情を知ることができ、静かに(構えて)いれば部下の行動の正
君は其の欲する所を見す無かれ。君、其の欲する所を見せば、臣将に自ら雕琢せんす。
君主は自分の欲するところ(好み)を見せてはならない。もし君主が好みを見せれば、臣下は(君主の
好を去り悪を去れば、臣乃ち素を見す
(君主が)好き嫌いを捨て去れば、臣下はありのままの姿(素)を見せるようになる。
臣は其の勞を有し、君は其の成功を有す。
臣下は(実行する)労力を担い、君主は(その結果としての)成功を手にする。
官ごとに一人有り、言を通ぜしむる勿ければ、則ち萬物皆な盡きん。
官職ごとに専任者を一人置き、(他の者が)口出しをさせなければ、臣下の実情がすべて明らかになる
功其の事に當り、事其の言に當れば、則ち賞し、功其の事に當らず、事其の言に當らざれば、則ち誅す。
(部下の)功績が(任せた)仕事内容と一致し、仕事内容が(本人が言った)言葉と一致すれば賞を与
誠に功有れば、則ち疏賤と雖も必ず賞し、誠に過ち有れば、則ち近愛と雖も必ず誅す。
本当に功績があれば、たとえ疎遠な者でも必ず賞を与え、本当に過ちがあれば、たとえ親しく気に入っ
二柄第七
明主の其の民を導制する所の者は、二柄のみ。二柄とは、刑・徳なり。
優れた君主が民衆を導き統制する手段は、二つの権限(二柄)だけである。二柄とは、「刑(罰)」と
人主、自ら其の刑徳を用うれば、則ち群臣、其の威を畏れて其の利に歸せん。
君主が自らその賞罰の権限を行使すれば、臣下たちはその威光を畏れ、利益(賞)を求めて従うだろう
其の臣に聴いて其の賞罰を行わば、則ち一國の人皆な其の臣を畏れて其の君を易り、其の臣に歸して其の君を去らむ。
(君主が)臣下の言うままに賞罰を行うようでは、国中の人は皆その臣下を恐れ、君主を軽んじ、臣下
夫の虎の能く狗を服する所以の者は、爪牙なり。虎をして其の爪牙を釋てしめて狗をして之を用いしめば、則ち虎は反って狗に服せん
そもそも虎が犬を従わせられるのは、「爪」と「牙」を持っているからだ。もし虎がその爪と牙を手放
人主将に姦を禁ぜんと欲せんとすれば、則ち刑名を審合せよとは、言と事となり。
君主が不正(姦)を禁じようと思うなら、「刑名(けいめい)」、すなわち「言(部下の言ったこと)
功、其の事に當り、事、其の言に當れば、則ち賞し、功、其の事に當らず、事、其の言に當らざれば、則ち罰す。
成果(功)が行動(事)に見合い、行動(事)が発言(言)に見合っていれば賞する。成果が行動に見
群臣の其の言大にして功小なる者は則ち罰す
臣下のうち、発言(目標)は大きいのに成果(功)が小さい者は罰する。
群臣の其の言小にして功大なる者も亦た罰す
臣下のうち、発言(目標)は小さいのに成果(功)が大きかった者もまた罰する。
臣は官を越えて功有るを得ず、言を陳べて當らざるを得ず。官を越ゆれば則ち死し、當らざれば則ち罪せらる。
臣下は職務(官)を越えて手柄を立てることは許されず、述べた言葉(言)が事実と違っていてはなら
人主賢を好めば、則ち群臣行いを飾り以て君の欲を要う。
君主が「賢い(優秀な)人材」を好む(という素振りを見せる)と、臣下たちは(実力がなくても)優
楚の靈王、細腰を好みて、國中に餓人多し。
楚の霊王が(個人的に)細い腰(スリムな体型)を好んだため、国中の人々が無理なダイエットに走り
人君、情を以て臣に借すの患いなり。
君主が(客観的な基準ではなく)自分の「好み」や「感情」(情)を基準にして臣下を判断し、権限を
好を去り、悪を去れば、群臣、素を見す。
君主が(個人的な)「好き(好)」も「嫌い(悪)」も見せないようにすれば、臣下たちは(迎合する
五蠹第四十九
宋人有耕田者。田中有株、兔走觸株、折頸而死。・・・今欲以先王之政、治當世之民、皆守株之類也。
宋の国に農夫がいた。畑に切り株があり、兎が走ってきて株にぶつかり、首を折って死んだ。農夫は鍬
故曰、世異則事異。・・・故曰、事異則備變。
故に「時代が変われば、やるべき事も変わる」と言う。・・・故に「やるべき事が変われば、対策(備
民は固より勢いに服す、能く義に懐くもの寡し。・・・民固より愛に驕り、威に聴くけばなり。
人(民)は本性として権力・権威(勢)には従うが、道義(義)に心から懐く者は少ない。・・・人は
夫の君の直臣は、父の暴子なり。・・・夫の父の孝子は、君の背臣なり。上下之利、若是其異也。
君主にとっての「忠臣」(父の不正を告発した子)は、父親にとっての「とんでもない子」である。・
微妙之言、上智之所難知也。今為衆人之法、而用上智之所難知、則民無從識之矣。
難解で微妙な言葉は、最高に賢い人にしか理解できない。今、一般大衆のためのルールを作るのに、そ
故明主之道、一法而不求智、固術而不慕信。故法不敗而群官無姦詐。
優れた君主のやり方は、ルール(法)を統一して、個人の知恵(智)に頼らず、仕組み(術)を確立し
故明主之國、無書簡之文、以法為教、無先王之語、以吏為師。
優れた君主の国では、(小難しい)書物の言葉は不要で、法律(ルール)こそが教えとなる。過去の王
鄙諺曰、「長袖善舞、多錢善賈。」此言多資之易為工也。
俗な諺に「袖が長ければ上手に舞える、金が多ければ上手に商売できる」とある。これは、資源(資)
亡徵第十五
凡人主之國小而家大、權輕而臣重者、可亡也。
君主(トップ)の権力が小さく、有力な臣下(幹部や派閥)の力が大きい、君主(トップ)の権限が軽
簡法禁而務謀慮、荒封内而恃交援者、可亡也。
(組織の)ルールを疎かにして(小手先の)謀略にふけり、自社の内情(組織文化やガバナンス)を荒
群臣為學、門子好み辯、商賈外積、小民内困者、可亡也。
幹部たちが(実務と無関係な)学問にふけり、その部下たちが弁論ばかりを好み、商人は(自国に見切
好宮室臺榭陂池、事車服器玩好、罷露百姓、煎靡貨財者、可亡也。
(リーダーが)豪華なオフィス(宮室)や無駄な設備(臺榭陂池)、高級車や贅沢品(車服器玩好)を
用時日、事鬼神、信ト筮、好祭祀者、可亡也。
(日取りの)吉凶を気にし、神やオカルトに頼り、占いを信じ、儀式(無意味な慣習)を好む者は、滅
聽以爵不以衆言參驗、用一人為門戶者、可亡也。
(情報を)聞く際、役職(の高い者)の意見だけを聞き、多くの意見を照合して検証(參験)せず、特
官職可以重求、爵祿可以貨得者、可亡也。
ポスト(官職)が(上司への)コネや圧力(重)によって求められ、給与や地位(爵祿)が金銭(貨、
緩心而無成、柔茹而寡斷、好惡無決而無所定立者、可亡也。
気が緩んでいて何も成し遂げられず、優柔不断で決断力に乏しく、好き嫌い(の方針)もはっきりせず
淺薄而見易、漏泄而無蔵、不能周密而通群臣之語者、可亡也。
浅はかで底が見え透いており、(機密を)漏洩させて隠し事ができず、慎重さがなく、ある臣下の(秘
很剛而不和、愎諫而好勝、不顧社稷而輕為自信者、可亡也。
非常に頑固で協調性がなく、諫言(部下の助言)に逆らって論破する(勝つ)ことを好み、組織全体(
境内之傑不事而求封外之士、不以功伐課試而好以名問舉錯、羈旅起貴以陵故常者、可亡也。
社内の優秀な人材(境内の傑)を用いず、社外の(評判だけ)の人材(封外の士)を求め、実績(功伐
好以智矯法、時以私雑公、法禁變易、號令数下者、可亡也。
(リーダーが)小賢しい知恵でルール(法)を歪め、しばしば私情(私)を公務(公)に差し挟み、ル
耕戰之士困、末作之民利者、可亡也。
耕戦の士(本業で汗をかく、現場の最前線で戦う社員)が困窮し、末作の民(本業以外で利を得る、投
見大利而不趨、聞禍端而不備、淺薄於爭守之事、而務以仁義自飾者、可亡也。
大きな利益(チャンス)を見ても行動せず(趨かず)、災いの兆候(リスク)を聞いても備えず、競争
亡徴とは、必ず亡ぶと日うに非ず、其の亡ぶ可きを言うなり。…木之折也必通蠹、牆之壞也必通隙。…然蠹木未有疾風不折、隙牆未有
「亡びの兆候(亡徴)」とは、今すぐ必ず滅びるという意味ではなく、滅びる「可能性」があるという
人主第五十二
人主の身危うく國亡ぶる所以の者は、大臣太だ貴く、左右太だ威あればなり。
君主の身が危うくなり国が亡びる原因は、特定の幹部(大臣)が(君主以上に)尊ばれすぎたり、側近
且法術之士と當途之臣とは、相容れざるなり。
そもそも、法や術(専門知識や仕組み)を重んじる専門家(法術の士)と、権力の中枢にいる重臣(當
明主は、功を推して爵祿し、能を稱りて官事す。
優れたリーダーは、功績(功)を評価して報酬(爵祿)を与え、能力(能)を見極めて仕事(官事)を
智者は策を愚人に決せられ、賢士は行いを不肖に程らる。
(専門家である)知恵者の戦略が、(専門知識のない)愚かな者によって評価・判断され、優れた人物
備內第十七
人主之患在於信人。信人則制於人。
君主(リーダー)の災難は、他人(部下)を(無条件に)信じることにある。他人を信じれば、その信
人臣為る者は、その君の心を窺覘するや、須臾の休むこと無きに、而るに人主怠傲にして其の上に處る。
臣下(部下)たる者は、君主(上司)の心中を、片時も休むことなくうかがっている。それなのに、君
夫れ妻の近きと子の親しきを以てして、而も猶ほ信ず可からざれば、則ち其の餘は信ず可き者無し。
(利害が対立すれば)最も身近な妻や、最も親しい子でさえ信じられないことがある。とすれば、それ
醫善く人の瘍を吮い、人の血を含むは、骨肉の親に非ざるなり。利の加わる所なり。
医者が(当時は卑しいとされた)患者の膿(瘍)を吸い出し、血を含んで(治療する)のは、家族愛(
輿人輿を成せば則ち人の富貴ならんことを欲し、匠人棺を成せば、則ち人の夭死せんことを欲す。
乗りカゴ(輿)を作る職人は、人々が(カゴを買えるよう)金持ちになることを望む。棺桶を作る職人
情、人を憎むに非ず、利、人の死するに在ればなり。
(棺桶屋の)心情が(特に)人を憎んでいるわけではない。ただ、その「利益」が「人の死」によって
故に人主は以て心を己の死するを利とする者に加えざる可からず。
したがって、君主(リーダー)は、「自分が失脚すること(死)を利益とする者」に対して、警戒心(
參伍の験を偶して、以て陳言の實を責め、後を執りて以て前に應じ、法を按じて以て衆を治む。
複数の情報(參伍の験)を照合(偶)して、部下の報告(陳言)の真実性を検証(責)し、後の結果(
殺しては必ず當り、罪は赦さず、則ち姦邪、其の私を容るる所無し。
(処罰する際は)必ず(ルールに)適合させ、罪(違反)は(温情で)見逃さない。そうすれば、不正
大臣比周し、上を蔽いて一と為り、陰に相善くして陽に相惡み、以て私無きを示し、耳目を相為して、以て主の隙を候う。
幹部たち(大臣)が結託し(比周)、トップ(上)の目と耳を塞いで(蔽いて)一枚岩となり、裏(陰
內儲說上七術第三十
侏儒、公に見ゆる者有り、曰く、「臣の夢踐す。」公曰く、「何をか夢みる。」對えて曰く、「夢に竈を見る、公に見ゆるが為なり。
衛の霊公に侏儒(道化)が言った。「私の夢は当たります。」「何を見たか」「竈(かまど)を夢に見
龐恭...魏王に謂いて曰く、「今一人市に虎有りと言わば、王之を信ぜんか。」曰く、「信ぜず。」...「三人市に虎有りと言わ
龐恭が魏王に言った。「もし一人の者が『市場に虎がいる』と言ったら、王は信じますか」「信じない
殷の法、灰を街に棄つる者を刑す。...仲尼曰く、「...重罰は、人の悪む所なり。而して灰を棄つる無きは、人の易しとする所
殷の法律では、道に灰を捨てた者を罰した 。孔子は「(殷の人は)治め方を知っている。重罰は誰も
魯人積澤を焼く。天北風し、火南に倚り、國を焼かんことを恐る。...仲尼曰く、「夫れ獣を逐う者は楽しみて罰無く、火を救う者
魯の国で野火が起こり、都に迫った。(人々は火を消さず、逃げ出す獣を獲るのに夢中だった。)仲尼
魏の惠王ト皮に謂いて曰く、「子寡人の聲聞を聞く、亦た何如。」...對えて曰く、「臣王の慈惠なるを聞けり。」...王の功亡
魏の王が卜皮に「私の評判はどうか」と尋ねた。「慈悲深い(慈惠)と聞いております」 。「(なら
吳起...乃ち一車の轅を北門の外に倚せて、之に令して曰く、「能く此れを南門の外に徙す者あらば、之に上田上宅を賜わん。」.
呉起は(信頼を得るため)まず一本の車輪の軸(轅)を北門に立て、「これを南門に移した者には、最
韓の昭侯人をして弊袴を蔵せしむ。...昭侯曰く、「...吾必ず功有る者を待たん。故に之を藏し未だ予うる有らざるなり。」
韓の昭侯が、古い袴(弊袴)を(捨てずに)しまわせた。(側近が「ケチだ」と言うと)昭侯は言った
婦人は蠶を拾い、漁者は鱧を握る。利の在る所は、則ち其の悪む所を忘れて、皆な孟賁と為る。
(芋虫に似て気味の悪い)カイコ(蠶)を婦人が拾い、(蛇に似て危険な)ウナギ(鱧)を漁師が握る
齊の宣王人をして竿を吹かしむるや、必ず三百人なり。...宣王死し、湣王立つ。一一にして之を聴かんことを好む。處士逃る。
斉の宣王は笛の演奏を聴く際、必ず三百人の楽団(三百人)に合奏させていた。南郭先生(処士)は笛
韓の昭侯爪を握りて、佯りて一爪を亡い、之を求むること甚だ急なり。左右因て其の爪を割きて之を效す。昭侯此を以て左右の誠か不
韓の昭侯は、切った爪を(一つ)隠し持ったまま、わざと「爪を一つ失くした」と大騒ぎした。側近た
子之燕に相たり。坐して佯りて言いて曰く、「走りて門を出づる者は何れの白馬ぞや。」左右皆な見ずと言う。一人有り走りて之を追
燕の宰相であった子之が、わざと「今、門から走り出たのは白馬か」と(嘘の)独り言を言った。側近
內儲說下六微第三十一
權勢は以て人に借す可からず。上其の一を失えば、臣以て百と為す。
権勢は(君主が)臣下に貸し与えてはならない。君主がその(権勢の)一を失えば、臣下はそれ(を悪
靖郭君齊に相たり、故人と久しく語れば、則ち故人富み、左右に刷を懐れば、則ち左右重し。
靖郭君が斉の宰相だったとき、旧友と長く話をすればその旧友は(周りから忖度されて)裕福になり
衛人に夫妻禱る者有り。...祝して曰く、「我をして故無く、百束の布を得しめよ。」其の夫曰く、「何ぞ少きや。」對えて曰く、
衛の国にある夫婦が祈禱をしていた。妻が「事故なく、百束の布が得られますように」と祈った。夫が
太宰嚭、大夫種に書を遺りて曰く「狡兔盡くれは則ち良犬烹らる。敵國滅ぶれば則て謀臣亡ぶ。」
(呉の)太宰嚭が(越の)大夫種に手紙を送った「狡猾な兎が獲り尽くされると、優れた猟犬は(不要
門者刖跪...因て水を郎門の雷下に捐てて、溺せる者の狀に類す。明日、王出でて之を訶して曰く、「誰か是に溺せる。」刖跪對え
門番の刖跪は...(夷射への恨みから)わざと門の下に水をまき、誰かが小便(溺)をしたように見
荊王の愛する所の妾に鄭袖という者有り。...王甚だ人の口を掩うを喜ぶなり。...鄭袖曰く、「此れ固より王の臭を惡むを言う
楚王の寵姫に鄭袖がいた。王が新しく美女を得ると、鄭袖はその美女に「王は人が口を覆うのを(奥ゆ
文公の時、宰臣炙を上る。而して髮之を繞る。...宰人頓首再拜して請いて、曰く、「...堂下に臣を疾む者有る微きを得んや。
文公の時、料理人が焼肉を献上したが、髪の毛が巻き付いていた 。料理人は「私の罪は三つあります
八姦第九
優笑侏儒、左右近習、此れ人主の未だ命ぜずして唯唯、未だ使わずして諾諾、意に先だち旨を承け、貌をて色を察し、以て主の心に先
側近の芸人、お気に入りの部下。これらは君主が命じる前から「はいはい」と返事し、使い走らせる前
人臣為る者は、民力を盡くし以て宮室臺池を美しくし、賦歛を重くし以て子女狗馬を飾り、以て其の主を娯ましめて、而して其の心を
臣下たる者が、民衆の力を使い果たして立派な宮殿や庭園を造り、重税を課して君主の寵姫や犬馬を飾
人臣為る者は、公財を散じて以て民人を説ばしめ、小惠を行いて以て百姓を取り、朝廷市井をして皆な己を勸譽せしめ、以て其の主を
臣下たる者が、会社の公的な財産をばらまいて社員たちの人気を取り、小さな恩恵を施して部下たちの
人臣為る者は、帶劍の客を聚め、必死の士を養いて、以て其の威を彰し、己の為にする者は必ず利し、己の為にせざる者は必ず死する
臣下たる者が、私兵(帶劍の客)を集め、決死隊(必死の士)を養って自らの威力を示し、「自分に従
人臣為る者は、諸侯の辯士を求め、國中の能説者を養い、之をして以て其の私を語り、巧文の言、流行の辭を為さしむ。
臣下たる者が、他国(他社)の弁が立つ人物を招き、自社内の口達者な者を養い、彼らに自分の私的な
其の徳施に於けるや、禁財を縦ち、墳倉を發し、民に利する者は必ず君より出だして、人臣をして其の徳を私せしめず。
恩恵を施す(徳施)にあたっては、貯蔵の財宝を放出し、米倉を開き、社員に利益を与える際には、必
賢を官にするには其の能を量り、禄を賦するには其の功に稱わす。
賢者を役職に任命する(官にする)には、その能力(能)を正確に測定し、俸禄(給与)を与えるには
賢不肖に課せず、功勞有るを論ぜず。諸侯の重んずるを用い、左右の謁を聴く。
(今の世は)賢明か愚か(賢不肖)でおしはかって仕事を任せず、功績(功勞)の有無も議論しない。
八經第四十八
下君盡己之能、中君盡人之力、上君盡人之智。
下等な君主は自分の能力を使い切り、中等の君主は他人の力(労働力)を使い切り、上等の君主は他人
臣主之利異者王、以為同者劫、與共事者殺。
臣下(部下)と君主(経営者)の利害は異なると知っている者は王となれる。利害が同じだと思い込む
有道之主、聽言督其用、課其功、功課而賞罰生。故無用之辯、不留於朝。
優れた君主は、部下の言葉(提案)を聞いたら、その効用(実行計画)を厳しくチェックし、その成果
類柄第四十八
行義(私行私義) 示さるれば則ち主の威分かれ、慈仁聽かるれば則ち法制毀る。
八説第四十七
人君之所任、非辯智則修潔也。・・・任智則君欺、任修則事亂。此無術之患也。
リーダーが重用する人材は、「弁が立つ知恵者(辯智)」か、さもなければ「清廉潔白な真面目人間(
故有道之主、不求清潔之吏、而務必知之術。・・・是境内之事盡如衡石也。
優れたリーダーは、部下に(人道的な)清廉さ(清潔)を求めるのではなく、(不正や怠慢を)必ず発
治國之是非、不以術斷、而決之寵人、則臣下輕君而重寵人。
組織運営の是非について、客観的な基準(術)で判断せず、お気に入りの側近(寵人)の意見で決めて
明主之國、有貴臣而無重臣。貴臣者、爵尊官大者也。重臣者、言聽力多者也。
優れたリーダーの組織には、「貴臣」はいても「重臣」はいない。「貴臣」とは、役職や地位が高い者
六反第四十六
姦偽無益之民六、而世譽之如彼、耕戰有益之民六、而世毀之如此。此謂六反。
不正で(組織に)無益な6種の人間を世間は称賛し、農耕や戦闘で(組織に)有益な6種の人間を世間
為政猶沐也。雖有棄髪、必為之。愛棄髪之費、而忘長髪之利、不知權者也。
政治とは髪を洗うようなものだ。抜け毛という犠牲はあっても、必ず洗わねばならない。抜け毛(コス
夫痤者痛、飲薬者苦。為苦憊故、不弾痤飲薬、則身不活、病不已。
腫れ物を切開すれば痛いし、薬を飲めば苦い。しかし、その苦痛を嫌がって治療を拒否すれば、体は助
聖人之治也、審法禁。法禁明著則官有法。必賞罰。賞罰不阿則民用。民用官治則國富。國富則兵強、而霸王之業成。
聖人の統治は、ルール(法禁)を明確にする。ルールが明確なら、役所(組織)はそれに従う。そして
故法之道為、前苦而長利。仁之道為、偷楽而後窮。聖人權其輕重、而出其厚。故用法之相忍、而棄仁人之相憐。
ルール(法)による統治は、最初は厳しくて苦しいが、将来にわたって長く利益が続く。温情(仁)に
故曰、「重一姦之罪、而止境内之邪。」・・・所謂重刑者、姦之所利者細、而上之所加焉者大也。民不以小利受大罪。故姦必止者也。
「一つの不正(一姦)に対する罰を重くすれば、組織全体の不正(境内之邪)を防ぐことができる」。
聴其言而責其當、任其身而責其功。然則無術不肖之者窮矣。・・・任之以事、則愚智分矣。
(部下の)言葉を聞いたらその正しさ(実行可能性)を問い、仕事を任せたらその成果(功)を厳しく
初見秦第一
臣聞、知而不言、是不智、知而不言、是不忠。
臣(私)はこう聞いております。「(物事を)知らないで発言するのは愚かなことであり、知っている
言賞而不與、言罰而不行、賞罰不信、故士民不死。
(他国の君主は)褒美を与えると口では言うが実際には与えず、罰すると言っても実行しない。賞罰に
夫一人奮死、可以對十、十可以對百、百可以對千、千可以對萬、萬可以剋天下。
そもそも一人が必死で戦えば十人に匹敵し、十人は百人に、百人は千人に、千人は一万人に匹敵し、一
然而兵甲頓、士民病、蓄積索、...(中略)...霸王之名不成。此無異故。其謀臣皆不盡其忠。
(秦は強いのに)武器は消耗し、兵士や民は疲れ果て、蓄えは尽き(...)覇王としての名声も確立
且聞之曰、「削迹無遺根。無與禍鄰、禍乃不存。」
さらにこういう言葉を聞いている。「(足跡を消すなら)根本まで残さず消し去れ。災いの元と隣り合
一舉而霸王之名可成、...(中略)...而謀臣不為、引軍而退、...(中略)...此固以失霸王之道一矣。
この一度の行動で覇王としての名声が確立できたはずなのに、謀臣(幹部)は(進言を)せず、軍を引
且臣聞之曰、「戰戰栗栗、日慎一日。苟慎其道、天下可有。」
さらに臣はこう聞いております。「(何事も)恐れ慎む気持ちで、日一日と(気を引き締めて)慎重に
大王誠聽其説、一舉而...(中略)...霸王之名不成、...(中略)...大王斬臣以徇國。
もし大王が本当に私の説(戦略)を実行し、それでも...(中略)...覇王の名が確立しないので
制分第五十五
夫れ國治まれば則ち民安く、事亂るれば則ち邦危うし。法重き者は人情を得、禁輕き者は事實を失う。
国が治まっていれば民は安心し、物事が混乱すれば国は危うくなる。厳格な法(法重き者)は(性弱な
過を告ぐる者は罪を免れて賞を受け、姦を失う(見逃すこと) 者は必ず誅せられて刑に連なる。此の如くなれば、則ち姦類發かる。
(不正などの)過ちを(自ら・あるいは他人の)告発した者は、罰を免れ、褒賞を受ける。不正を見逃
夫れ法を治むるの至明なる者は、数に任じて人に任ぜず。
法(ルール)による統治で最も優れているのは、仕組みやデータ(数)に基づいて管理し、個人の裁量
法定まるも慧に任ずればなり。法を釋てて慧に任ずれば、則ち事を受くる者安んぞ其の務めを得ん。
ルール(法)が定まっていても、(管理職の)個人的な裁量(慧)で運用が歪められているからだ。ル
功名第二十八
明君の功を立て名を成す所以の者は四あり。一に曰く、天時、二に曰く、人心、三に曰く、技能、四に曰く勢位。
優れた君主が功績を立て名声を得る理由は四つある。第一は天の時(タイミング)、第二は人心(人々
夫れ材有りて勢無ければ、賢と雖も不肖を制すること能わず。故に尺材を高山の上に立つれば、則ち千仞の谿に臨む、材長きに非ざる
才能(材)があっても権限(勢)がなければ、賢い人であっても愚かな人を制することはできない。だ
人主の患は之に應ずること莫きに在り、故に曰く、「一手獨り拍つは、疾しと雖も聲無し。」
君主(リーダー)の悩みは、部下が(指示に)応えてくれない点にある。故に「片手だけで拍手しても
人臣の憂は一を得ざるに在り、故に曰く、「右手圓を書き、左手方を書けば、兩つながら成る能わず。」
臣下(部下)の悩みは(方針が)一つに定まらない点にある。故に「右手で円を描き、同時に左手で四
至治の國は、君は桴の若く、臣は鼓の若く、技は車の若く、事は馬の若し。
理想的に治まった組織とは、君主(リーダー)が「ばち」のようであり、臣下(部下)が「鼓」のよう
十過第十
小忠を行うは、則ち大忠の賊なり。
目先の小さな思いやり(小忠)を実行することは、組織全体への大きな忠誠(大忠)を害する賊となる
小利を顧みるは、則ち大利の殘なり。
目先の小さな利益を追い求めると、将来の大きな利益を損なうことになる。
貪愎にして利を喜むは、則ち國を滅ぼし身を殺すの本なり。
貪欲で自分の意見を押し通し、利益ばかりを喜ぶことは、国を滅ぼし自らを殺す原因となる。
過ちて忠臣に聴かずして、獨り其の意を行うは、則ち高名を滅ぼし、人の笑いと為るの始めなり。
過ちを犯しても忠実な部下の諫言に耳を貸さず、自分の考えだけを実行するのは、名声を失い、世の笑
内力を量らず、外諸侯を恃むは、則ち國を削るの患いなり。
自国の力(内力)を正しく評価せず、他国(外諸侯)の援助ばかりをあてにすると、領土を削られる災
女樂に耽り、國政を顧みざるは、則ち國を亡ぼすの禍なり。
(リーダーが)女楽(娯楽)に耽り、本来の仕事(國政)を疎かにするのは、国を滅ぼす災いである。
内を離れて遠遊し、而して諫士を忽せにするは、則ち身を危うくするの道なり。
内部(本拠地)を離れて遠くに遊びに出かけ、諫言する士を軽んじるのは、自らを危険に晒す道である
國小にして禮無く、諫臣を用いざるは、則ち世を絶つの勢いなり。
国が小国であるにもかかわらず(他国への)礼節を欠き、諫言する臣下を用いないのは、国を滅ぼす勢
南面第十八
君主が法に頼らず、臣下によって臣下を統御しようとするならば、臣下たちは親愛する者同士が徒党を組んで互いに誉めあい、憎みあ
君主が法(ルール)に頼らず、特定の部下(臣下)を使って他の部下を統制しようとすると、部下たち
君主は人臣に対してはいかに知恵があり能力があっても法に背いて専制することを許さず、いかに賢人の行いを見せても実際に功労の
リーダーは部下に対し、①いくら有能でもルールを破って独断専行することを許さず、②いくら人徳者
君主に進言するときはその仕事にかかる費用は少なく言い、退いて仕事にかかると多くの費用を使うなら、たといその事業が成功した
リーダーへの提案時に、かかる費用(コストや工数)を意図的に少なく見積もって報告し、実行段階で
君主の道は、臣下の言論が前に言ったことが後に言ったことと一致しない、又後に言ったことが前に言ったことと一致しなければ、た
リーダーの原則は、部下の言論(報告や提案)に一貫性がなく、前後の主張が食い違う(=嘘やごまか
「この事業をあれこれ議論する者は、私の計画を妬んでいる者です。」と言う。君主はこの言葉を胸に収めて、他の臣下たちが何を言
(ある部下が)「このプロジェクトに反対意見を言う者は、私(の計画)を妬んでいるだけです」と進
君主の道は、臣下に必ず言ったことに対する責任を取らせ、言わなければならないときに何も言わなかったことに対しても責任を取ら
リーダーの原則は、部下が「発言したこと」には必ず責任を取らせる一方で、リスクや問題点に気づい
政治の術を知らない者は、必ず、「古いしきたりを変えるな、習俗も変えるな。」と言うだろう。しかし聖人は変えることも変えない
経営(政治)を知らない者は、必ず「(過去の成功体験や)古いやり方を変えるな」と言う。しかし優
人民は愚かで乱が起ころうとしているのを知らず、君主は臆病で古法を改革できないのは政治の失敗である。
現場の社員(人民)は「茹でガエル」状態で迫りくる危機(乱)に気づかず、リーダー(君主)は(社
和氏第十三
夫の寶玉にして之に題するに石を以てし、貞士にして之に名づくるに誑くを以てするを悲しむ。
「(私は足が不自由になったことではなく)本物の宝玉なのに『ただの石だ』と呼ばれ、誠実な人間な
寶を論ずること此の若く其れ難きなり。
(この和氏の璧の逸話のように)本物の価値を見抜くことは、これほどまでに難しいものである。
主、術を用うれば則ち大臣、斷を擅にするを得ず、近習、敢て重を賣らざらん。…則ち法術なる者は乃ち群臣士民の禍とする所なり。
君主が法(ルール)や術(仕組み)を導入すれば、幹部(大臣)は勝手な判断ができなくなり、側近(
人主、能く大臣の議に倍き、民萌の誹を越え、獨り道言に周するに非ずんば、則ち法術の士、死亡に至ると雖も、道必ず論ぜられざら
君主が、幹部会(大臣の議)の反対を押し切り、一般社員(民萌)の不平不満を乗り越え、孤独に(獨
楚、呉起を用いずして削亂し、秦、商君の法を行いて富強なり。二子の言なるや巳に當れり。
楚は呉起(の改革)を止めたことで弱体化・混乱し、秦は商鞅の法を実行したことで富国強兵となった
然り而して呉起を枝解して商君を車裂する者は何ぞや。大臣は法に苦しみて、細民は治を悪めばなり。
それなのに、なぜ呉起や商鞅は(あれほど正しかったのに)惨殺されたのか。それは、幹部たち(大臣
此れ世の亂れて霸王の無き所以なり。
これこそが、世の中が乱れ、真の覇者たるリーダー(霸王)が現れない理由である。
問田第四十二
二君は聲詞に駆られ、辯説に眩い、屯伯に試みず、州部に關らず。故に政を失い國を亡うの患有り。
(楚と魏の)二人の君主は、(採用時に)うわべの言葉(聲詞)に動かされ、巧みな弁舌(辯説)に目
亂主闇上の患禍を憚らずして、必ず以て民萌の資利を齊えんと思うは、仁智の行なり。 ... 亂主闇上の患禍を憚りて、死亡の害
愚かな君主(上司)からの災難を恐れずに、必ず(ルール=法術によって)多くの人々(民萌)の利益
問辯第四十一
辯安生。 ... 生於上之不明。
(空虚な)議論はどこから生まれるのか。... それは、トップの基準が明確でない(不明)ことか
亂世 ... 主上令有るも、而も民文學を以て之を非り、官府法有るも、民私行を以て之を矯む。人主顧て其の法令を漸して、學者
混乱した組織では、トップが命令(令)を出しても、社員は(持論や外部の)学説(文學)でそれを批
今言を聴き行を観るに、功用を以て之が的と為さずば、言至察と雖も、行至堅と雖も、則ち妄に發するの説ならん。
今、部下の発言や行動を評価する際に、「(組織への)貢献や成果(功用)」を明確な基準(的)とし
是を以て儒服帶劍の者衆くして、耕戰の士寡し。堅白無厚の詞章われて、憲令の法息む。
このため、評論家や口先だけの人(儒服帶劍の者)ばかりが増え、実際に成果を出す実行部隊(耕戰の
外儲說左上第三十二
楚人に其の珠を鄭に賣る者有り。...鄭人其の櫃を買うて其の珠を還す。
楚の国の人で鄭の国に真珠を売りに行った者がいた。...(あまりに箱が立派だったので)鄭の人は
墨子木鳶を為り、三年にして成り、蜚ぶこと一日にして敗る。...吾車輗を為る者の巧なるに如かざるなり。...三十石の任を引
墨子が木で鳶を作り、3年かかって完成したが、1日飛んだだけで壊れてしまった。...(墨子は言
(謳癸)行く者止まりて觀、築く者倦まず。...(射稽)行者止まらず、築く者倦むを知る。...王試みに其の功を度れ。...
(謳癸が歌うと)通行人は足を止めて見物し、作業員は疲れを知らないようだった。...(射稽が歌
宋人に燕王の為に棘刺の端を以て母猴を為らんと請う者有り。...王因て囚えて之を問うに、果して妄なり。
宋の人で、燕王のために「イバラの棘の先端に猿を彫ってみせましょう」と申し出た者がいた。...
白馬は馬に非ざるを持するや、齊の稷下の辯者を服せり。白馬に乗りて關を過ぐれば、則ち白馬の賦を顧せらる。
(兒説は)「白馬は馬ではない」という論理で、斉の学者たちを論破した。しかし(彼が)白馬に乗っ
畫くこと孰か最も難き者ぞ。曰く、犬馬最も難し。...孰か最も易き者ぞ。曰く、鬼魅最も易し。...夫れ犬馬は、人の知る所な
(斉王が画家に尋ねた)「何を描くのが最も難しいか?」画家「犬や馬です」。「では最も易しいのは
郢人に燕の相國に書を遺る者有り。...誤ちて燭を舉げよと書す。...燕の相國書を受けて之を説きて、曰く、「燭を舉ぐとは、
楚の国の人(郢人)が燕の宰相に手紙を書いた。...誤って「燭を挙げよ(明かりを高くせよ)」と
鄭人に且に履を買わんとする者有り。先づ自ら其の足を度りて...市に之くに至りて之を操るを忘る。...曰く、「吾度を持つを
鄭の国の人で靴を買おうとする者がいた。まず自分の足の寸法を測ったが...市場に着いて寸法(メ
其の君好みて巖穴の士を見る。...上學者を尊び、下居士を朝せしめば、則ち農夫田に惰らん。戰士行陳に怠るは、則ち兵弱く、農
(中山の)君主は学者(巖穴の士)を好んで面会している。...学者を尊び、文化人を厚遇すれば、
曾子曰く、「嬰兒は(「に」の字削る)戲るべきに非ざるなり。...今子之を欺かば、是れ子に欺くを教うるなり。母子を欺き、子
曾子が言った。「子供相手だからと(嘘を言って)ごまかしてはいけない。...今あなたが(嘘をつ
夫れ庸を賣いて播耕する者は、主人家を費やして食を美にし...庸客力を致して疾く耘耕し...皆な自ら為にするの心を挟めばな
雇われて農作業をする者(庸客)に対し、主人(経営者)が食事を美味しくするのは、「その方がよく
吳起其の父の創を吮いて父死せり。今是の子又た將に死せんとするなり。
(以前)呉起様が(私の)夫の傷口の膿を吸い出してくださり、(感激した)夫は(死に物狂いで戦っ
外儲說左下第三十三
公法令を傾側し、臣を先後するに言を以てし、臣の免るるを欲するや甚し。...獄決し罪定まるに及び、公倣然として悅ばず、顔色
(あなたは)法を様々に検討し、私のために弁護し、私がなんとか免罪されることを強く望んでくれた
少室周...力を角べて、若かざるなり。入りて之を襄主に言いて以て自ら代らんとす。
少室周は...(徐子と)力比べをして、かなわなかった。(彼は)参内して襄主にこのことを話し、
若し知能く天下を謀り、斷敢て大事を行わば、君因て専ら之を屬するに國柄を以てせん。...危うきこと無きを得んや。...乃ち
もし(管仲の)知謀が天下を謀るに足、決断力が大事を行えるなら、君主は彼一人に国の全権を委ねる
故に明主は、其の我に叛かざるを恃まず、吾が叛く可からざるを恃むなり。...吾が欺く可からざるを恃むなり。
優れた君主は、部下が「自分を裏切らないこと(性善説)」を期待するのではなく、部下が「(物理的
陽虎は之を取ることを務め、我は之を守ることを務む。...遂に術を執りて之を御す。陽虎敢て非を為さず。
(簡主は言った)「陽虎は(権力を)盗み取ろうと努め、私は(それを)守ろうと努めるまでだ。」(
今季孫孔子の徒を養い、朝服して燕に坐する所の者十を以て數う、而るに優侏儒と事を斷ず。是を以て賊に遇えり。
今、季孫は孔子の弟子たちを大勢養い、彼らは(くつろぐ場でも)礼服を着て座っていた。しかし(季
往年臣君の為に鄴を治むるに、而るに君臣の璽を奪う。今臣左右の為に鄴を治むるに、而るに君臣を拜す。臣治むること能わず。
(西門豹は言った)「去年、私は(現場の民、ひいては)君主(文侯)のために統治しましたが、あな
肉を以て蟻を去らば蟻愈々多く、魚を以て蝿を驅らば蝿愈々至らん。
肉(蟻の好物)で蟻を追い払おうとすれば蟻はますます集まり、魚(蝿の好物)で蝿を追い払おうとす
君左右の請いを聴くこと無かれ。能に因りて祿を受け、功を録して官を與えば、則ち敢て官を索むる莫けん。
(管仲は言った)「君主は側近たちの『(人事の)お願い』を聞いてはいけません。能力(能)に応じ
主其の情實を審らかにせずして、坐して之を患うとも、馬猶ほ肥えざらん。
(リーダーが)その実情(=飼育係の中抜き)を明らかにしないで、ただ(机の上で)「なぜ馬が痩せ
霸王たらんと將欲せば、夷吾此に在り。
(しかし)覇者(最強のリーダー)になろうと欲するなら、(これら強みを束ねる)私(夷吾=管仲)
夫れ爵祿・旂章は、功伐を異にし、賢不肖を別つ所以なり。...今晉國の政を亂し、不虞の備えを乏しくして、以て節倹を成し、以
そもそも高い地位や報酬(爵祿)とは、功績(功伐)の違いを明らかにし、優秀な者とそうでない者(
夫れ橘柚を樹うる者は、之を食えば則ち甘く、之を嗅げば則ち香し。枳棘を樹うる者は、成れば而ち人を刺す。故に君子は樹つる所を
そもそもミカンやユズ(橘柚)を植えれば、その実は甘く、香りも良い。カラタチやイバラ(枳棘)を
私讎は公門に入らず。...外舉は讎を避けず、内舉は子を避けず。
「私的な恨みは、公的な仕事(の門)に持ち込まない」...「外部から登用する際は(有能なら)敵
夫れ人臣に介異して、獨り主に忠ならんか。...聴かるると聴かれざるとは、未だ必ずしも知る可からず。而るに汝巳に群臣に離る
(子國が子産に言った)「お前は同僚たち(群臣)と距離を置き、一人だけ君主に忠誠を誓っているが
其の姊往きて之を看る。暮れて門に後れて閉づ。因て郭を踰えて入る。車遂に其の足を刖る。趙成侯以て不慈と為して、之が璽を奪い
(鄴の令、梁車を)その姉が訪問した。日暮れに門が閉まった後(の到着)となり、仕方なく城壁を乗
管仲束縛せられ、魯自り齊に之く。道にて飢渇す、綺鳥の封人に過りて食を乞う。...封人之を怨む。
管仲は捕らえられ、魯から斉へ送られる途中、飢えと渇きに苦しみ、国境の役人(封人)に食事を乞う
外儲説右上第三十四
善持勢者、蚤絶其姦萌。
権勢(リーダーシップ)をうまく維持する者は、不正や組織にとって害となる芽生えを、早期に摘み取
夫馴鳥者斷其下翎。其下翎斷、則必恃人而食。焉得不馴。夫明主之畜臣亦然。
鳥を馴らす者は、その(風切り羽の)下羽を切ってしまう。下羽を切られれば、鳥は(飛べないので)
是以好惡見則下有因、而人主惑矣。
このため、君主が(特定の)好き嫌いを見せると、臣下はそれに乗じて(取り入ろうとし)、君主は(
堂谿公術を知る、故に玉卮を問う。昭侯術を能くす、故に以に聴きて獨り寢ぬ。
堂谿公は(君主の)術を知っていたので、(底のない)玉の杯の例え話をした。昭侯は(その)術をよ
能獨斷者、故可以爲天下主。
(情報を広く集めた上で)最終的にひとりで決断できる者こそ、天下の主(リーダー)となることがで
其狗不殺則酒酸。 ... 夫國亦有狗。 ... 大臣爲猛狗、迎而齡之。此人主之所以蔽脅、而有道之士之所以不用也。
(店の)犬をどうにかしなければ、酒は酸っぱくなってしまう(売れ残る)。... 国にもまた(こ
吳起之出愛妻、文公之斬顛頡、皆違其情者也。
呉起が愛する妻を離縁したことや、文公が寵愛する顛頡を斬ったことは、皆、私情に反して(法を適用
外儲説右下第三十五
賞罰共則禁令不行。 ... 王良・造父共車 ... 馬且不行十里。共故也。
(君主と臣下が)賞罰の権限を共有してしまうと、命令は実行されなくなる。...(名御者である)
夫即受魚、必有下人之色。有下人之色、將枉法。枉法則免相。
もし魚を受け取れば、必ず(贈賄者に)へりくだる態度が出てしまう。そうなれば、法を曲げることに
故明主治吏不治民。 ... 善張網者引其綱。 ... 故吏者、民之本綱者也。
賢明な君主は、(直接)民衆を治めるのではなく、(民衆を管理する)役人を治める。... 網を扱
桓公微服以巡民家。 ... 管仲曰、「畜積に腐棄の財有れば則ち人は飢餓し、宮中に怨女有れば則ち民に妻無し。」
斉の桓公は、お忍びで民家を視察した。...(老いて妻がいない者がいると知り)管仲に相談すると
夫賞所以勸也、而毀存焉、罰所以禁也、而譽加焉。民中立而不知所由。
賞は(善行を)奨励するためのものであるのに、(同時に)非難が向けられ、罰は(悪行を)禁止する
大體第二十九
治亂を法術に寄せ、是非を賞罰に託し、輕重を權衡に屬す。
組織の秩序(治亂)はルール(法術)に委ね、何が正しく何が間違いか(是非)は評価制度(賞罰)に
毛を吹きて小疵を求めず、垢を洗いて知り難きを察せず。
(部下の仕事の)毛を吹いて小さな傷を探すようなこと(粗探し)はせず、垢を洗い落としてまで隠れ
縄の外に引かず、縄の内に推さず、法の外に急にせず、法の内に緩くせず。
(墨)縄の外側だからといって(良しとして)引っ張らず、内側だからといって(ダメだと)押し戻さ
太山は好惡を立てず、故に能く其の高を成す。江海は小助を擇ばず、故に能く其の富を成す。
泰山は(土砂の)好き嫌いをしないからこそ、あの高さを成し遂げている。大河や海は(小さな流れを
姦劫弒臣第十四
凡そ姦臣は皆な人主の心に順いて、以て信幸の勢いを取らんと欲する者なり。是を以て主善みする所有れば、臣従いて之を譽む。主憎
そもそも不正な臣下は、みな君主の心に(上辺だけ)従って、それによって信頼され寵愛される地位を
今、臣と為りて、力を盡くして以て功を致し、智を掲げて以て忠を陳ぶる者は、其の身困み...(中略)...姦利を為して以て人
今、臣下として、力を尽くして功績を挙げ、知恵を絞って忠誠を述べても、その身は困窮する...(
故に私を以て重人の為にする者衆くして、而して法を以て君に事うる者は少し。是を以て主は上に孤にして、臣は黨を下に成す。
そのため、私的な(情実や派閥の)ために権力者のために動く者が多くなり、公的なルール(法)に則
聖人の國を治むるや、固より人をして我が為にせざるを得ざらしむるの道有りて、人の愛を以て我が為にするを恃まざるなり。
優れたリーダーが国を治める時は、そもそも人々が自分のために(ルール通りに)動かざるを得ないよ
明主は、天下をして己が為に視ざるを得ず、天下をして己が為に聴ざるを得ざらしむ。
優れたリーダーは、天下(の人々)が自分のために(情報を)見ざるを得ず、自分のために(情報を)
夫れ嚴刑重罰は、民の悪む所なるも、而れども國の治まる所以なり。百姓を哀憐して、刑罰を軽くするは、民の喜ぶ所なるも、而れど
そもそも厳格な刑罰は、人々が嫌うものであるが、国が治まる理由である。人々を哀れんで刑罰を軽く
世主、仁義の名を美として其の實を察せず。
世の中の君主は、「仁義(人として正しい道)」という美名を素晴らしいと思い、その実態(運用)を
故に善く主為る者は、賞を明らかにし利を設けて以て之を勧め、...刑を嚴にし罰を重くして以て之を禁じ...
したがって、優れたリーダーは、賞(プラスのインセンティブ)を明確にし利益を与えて(良い行動を
此の若き臣は、重誅を畏れず、重賞を利とせず、罰を以て禁ず可からず、賞を以て使う可からざるなり。此を之れ無益の臣と謂うなり
(伯夷・叔斉のような)臣下は、重い罰を恐れず、手厚い賞を利益とも思わない。罰によって行動を禁
存韓第二
夫韓、小國也、而以應天下四擊。主辱臣苦、上下相與同憂久矣。
そもそも韓は小国でありながら、天下の四方からの攻撃に対応しています。君主は辱めを受け、臣下は
韓叛則魏應之、趙據齊以爲厚。...(中略)...趙之福而秦之禍也。
もし韓が(秦を裏切って)寝返れば、魏がそれに応じ、趙は齊を頼って強大になるでしょう。(...
故曰、「兵、凶器也。」不可不審用也。
だから「兵(軍事力)は不吉な道具である」と言われるのです。その使用は慎重に検討しなければなり
計者、所以定事也。不可不察也。
戦略(計)とは、物事を決定するための根拠である。だからこそ、詳細に検討(察)しなければならな
秦之有韓、若人之有腹心之病也。...(中略)...以極走則發。
秦にとって韓の存在は、人が内臓に病を抱えているようなものです。普段(安静時)は不快なだけです
夫韓不服秦之義、而服於強也。
そもそも韓は、秦の理念や正義(義)に従っているのではなく、ただ(秦の)強さに従っているだけで
臣恐陛下淫非之辯、而聽其盜心、因不詳察事情。
臣(私)が恐れるのは、陛下が(韓非子の)巧みな弁舌に惑わされ、彼の私的な下心(盗心)に耳を貸
且臣聞之、「唇亡則齒寒。」夫秦・韓、不得無同憂、其形可見。
さらに私は「唇がなくなれば歯が寒い」と聞いております。秦と韓は、憂いを同じくせざるを得ない(
邊鄙殘、國固守、鼓鐸之聲、盈於耳、而乃用臣斯之計、晩矣。
国境が破られ、城に立てこもり、戦いのドラの音が耳に鳴り響くようになってから、私の策を用いよう
孤憤第十一
智術の士は明察にして、聴用せらるれば、且に重人の陰情を燭さんとす。能法の士は勁直にして、聽用せらるれば、且に重人の姦行を
知略に優れた改革派(智術の士)が用いられれば、権力者(重人)の隠れた不正を暴こうとする。法を
是れ智法の士と當塗の人とは、兩つながら存す可からざるの仇なり。
このように、改革派の士(智法の士)と、権力の座にある者(當塗の人)とは、両立することのできな
郎中因らざれば則ち主に近づくを得ず。故に左右之が為に匿す。學士因らざれば則ち養祿薄く禮卑す。故に學士之が為に談ずるなり。
君主の側近(郎中)も、その権力者(重人)を通さなければ君主に近づけない。だから(不正を)隠蔽
疏遠を以て信愛と爭えば、其の數、勝たざるなり。…一口を以て一國と爭えば、其の數、勝たざるなり。
新参者(疏遠)が、君主のお気に入り(信愛)と争っても、道理として勝てない。…個人の声(一口)
其の罪過を以て誣う可き者は、公法を以てして之を誅し、其の罪過を以て被る可からざる者は、私剣を以てして之を窮す。
(改革派の)罪や過ちをでっち上げられるなら、公式のルール(公法)で処罰(誅)する。もし公式な
功伐を以て智行を決せず、參伍を以て罪過を審らかにせず、而して左右近習の言を聴かば、則ち無能の士廷に在りて、愚污の吏官に處
功績(功伐)によって賢さや行動を判断せず、客観的な検証(參伍)によって過ちを明らかにせず、た
治辯の功、近習に制せられ、精潔行い、毀譽に決せらるれば、則ち修智の吏廢せられ、而して人主の明塞る。
(有能な者の)仕事の成果が、側近(近習)の一言で(無かったことに)制御され、清廉潔白な行動が
主の利は能有りて官に任ずるに在り、臣の利は能無くして事を得るに在り。…主の利は豪傑の能を使うに在るも、臣の利は朋黨して私
君主の利益は「有能な者を適所に配置する」ことにあるが、臣下の利益は「無能でもポストを得る」こ
是れ當塗者の徒屬、愚にして患を知らざる者に非ずんば、必ず污にして姦を避けざる者なり。
このように、権力者(當塗者)の仲間(徒屬)になるのは、状況が分かっていない愚か者(愚にして患
守道第二十六
夫れ貪盗も谿に赴きて金を掇らず。谿に赴きて金を掇らば則ち身全からず。
(どんなに欲深い)泥棒(貪盗)でも、(危険な)谷底に下りて金(価値が低い)を拾おうとはしない
法分明なれば則ち賢は不肖より奪うを得ず、強は弱を侵すを得ず、衆は寡を暴するを得ず。
法(ルール)が明確であれば、賢い者(賢)が愚かな者(不肖)から(不当に)奪うことはできず、強
法を立つるは・史に備うる所以に非ざるなり、庸主をして能く盗跖を止めしむる所以なり。
ルール(法)を定めるのは、(もともと清廉な)曾参や史魚(・史)のためにあるのではない。平凡な
安危第二十五
安術七有り、一に曰く、賞罰は是非に隨う、六に曰く、尺寸有りて意度無し、七に曰く、信有りて詐無し。
組織を安定させる術(安術)は七つある。第一に、賞罰が(客観的な)正しさ・間違いに基づいている
危道六有り、一に曰く、縄の内に断削す、二に曰く、法の外に斷割す
組織を危険にする道(危道)は六つある。第一に、ルール(縄)の範囲内で、(恣意的に)人を罰する
號令は、國の舟車なり。安ければ則ち智廉生じ、危うければ則ち爭鄙起る。
法令や命令(號令)は、国家という舟や車である。それが安定していれば(安)、智恵や清廉さ(智廉
病みて痛みを忍ばざれば、則ち扁鵲の巧を失い、危うくして耳に拂らざれば、則ち聖人の意を失う。
病人が(治療の)痛みを我慢できなければ、名医(扁鵲)の技術を(受ける機会を)失う。危機にある
安危は是非に在りて、強弱に在らず。存亡は虚實に在りて、衆寡に在らず。
組織が安定するか危険になるか(安危)は、(見た目の)強さ弱さ(強弱)ではなく、ルールが正しい
明主の道は法に忠なり、其の法は心に忠なり。故に之に臨みては法り、之を去りては思わる。
優れた君主の道は、法(ルール)に忠実である。そしてその法は、民の心(実情)に忠実である。だか
定法第四十三
君術無ければ則ち上に弊われ、臣法無ければ則ち下に亂る。此れ一も無かる可からず、皆な帝王の具なり。
君主(リーダー)に「術」がなければ、トップは(部下に)騙され、臣下(部下)に「法」がなければ
然れども術の以て姦を知る無ければ、則ち其の富強を以てして、人臣に資するのみ。 ... 主、術の以て姦を知る無ければなり。
しかし(ルール=法が整備されていても)、リーダーに(幹部の不正を)見抜く「術」がなければ、そ
今官を治むるは智能なり、今首を斬るは勇力の加うる所なり。勇力の加うる所を以てして、智能の官を治むるは、是れ首を斬るの功を
管理職(官)の仕事は「知能」が必要だが、首を斬る(武功)のは「勇気と腕力」である。「勇気と腕
今知りて言わずんば、則ち人主尚ほ安にか假借せん。
今、(部下が)知っていても(自分の職分でないからと)報告しないのであれば、君主(リーダー)は
心度第五十四
聖人の民を治むるは、本に度り、其の欲を從にせしめず、民を利するを期するのみ。故に其の之に刑を與うるは、民を悪む所以に非ず
聖人が民を治めるのは、物事の根本原理(本)に基づいて行い、民の短期的な欲求(欲)に迎合せず、
刑勝てば民静かに、賞繁ければ姦生ず。故に民を治むる者は、刑勝つは、治の首なり、賞の繁きは、亂の本なり。
刑罰(ルール・罰則)が機能すれば、人々は秩序正しくなる。褒賞が(基準なく)頻繁すぎれば、不正
時移りて而も法易らざる者は亂れ、能衆くして而も禁變ぜざる者は削らる。故に聖人の民を治むるや、法は時と與に移りて禁は能と與
時代(時)が変わってもルール(法)を変えない組織は、混乱する。できること(能)が増えた(=状
忠孝第五十一
夫所謂明君者、能畜其臣者也。所謂賢臣者、能明法辟、治官職、以戴其君者也。
「優れた君主」とは、その臣下(部下)を適切に管理・活用できる者である。「優れた臣下」とは、法
故曰、「上法而不上賢。」・・・是れ常を廢して、賢を上べば則ち亂れ、法を舍てて、智に任せば則ち危うし。
故に「法(ルール)を上位に置き、賢者(個人の才覚)を上位に置くな」と言う。・・・基準(常)を
人之臣為、常譽先王之德厚而願之、是誹謗其君者也。・・・其君非者、天下賢之。此亂所以也。
臣下(部下)の身でありながら、常に「昔の王(前の会社・上司)は素晴らしかった」と褒めたたえる
故人臣無稱堯舜之賢、無譽湯武之伐、無言烈士之高、盡力守法、專心事主者、為忠臣。
したがって、臣下(部下)は、理想論(堯・舜)を語ったり、革命(湯・武)を称賛したり、現実逃避
王者獨行、謂之王。・・・内治而裁外。
「王」とは(他者に依存せず)独立して進む(獨行)者のことである。・・・(王者は)まず自らの内
愛臣第四
愛臣太だ親しければ、必ず其の身を危うくし
(君主が)特定の臣下を寵愛しすぎると、必ず(君主)自身の地位を危うくする。
人臣太だ貴ければ、必ず主の位を易う
臣下の地位が(分不相応に)高くなりすぎると、必ず主君の地位と入れ替わろうとする。
諸侯の博大なるは、天子の害なり。群臣の太だ富むは、君主の敗なり。
(中央の統制が効かない)諸侯が強大になるのは天子にとって害であり、臣下たちが豊かになりすぎる
将相の主を營して、家を隆にするは、此れ人に君たる者の外にするなり。
幹部が君主を(ないがしろにし)惑わして、自分の家(派閥や私益)ばかりを繁栄させようとすること
明君の其の臣を蓄うや、之を盡くすに法を以てし、之を質すに備えを以てす。
優れた君主が臣下を管理する際は、法(ルール)に基づいて徹底的に行い、万一の事態(裏切り)に備
死を赦し刑を宥すは、是を威淫と謂う。
(重大な罪である)死罪を赦したり、刑罰を甘くしたりすることを、「威光の乱れ(威淫)」という。
大臣の禄は大なりと雖も、城市に藉するを得ず、黨與衆しと雖も、士卒を臣とするを得ず。
大臣の俸禄が多くても、領地(城市)から私的に税を徴収することは許されず、仲間(黨與)が多くて
人臣の國に處るや私朝無く、軍に居るや私交無し
臣下は、国(朝廷)において私的な(非公式な)朝廷を持ってはならず、軍隊において私的な交際(派
揚權第八
夫れ物は宜しき所有り、材は施す所有り、各々其の宜しきに處る、故に上乃ち為す無し。
物にはそれぞれふさわしい場所があり、才能にはそれぞれ発揮すべき場所がある。各々をそのふさわし
雞をして夜を司らしめ、狸をして鼠を執らしめ、皆な其の能を用うれば、上乃ち事無し。
鶏に夜の時を告げさせ、狸(猫)に鼠を捕らえさせるように、皆それぞれの能力(得意分野)を用いさ
上長ずる所有れば、事乃ち方ならず。矜にして能を好めば、下の欺く所となる。
リーダーに(特定の)長所があると、物事は正しく進まない。もし(リーダーが)それを誇って能力を
聖人は一を執りて以て静にし、名をして自ら命ぜしめ、事をして自ら定めしむ。
優れたリーダーは(根本の道という)一つのことを守って静かに構え、部下に自ら「やること(名)」
凡そ聴の道は、溶として甚だ酔うが若し。...彼自ら之を離し、吾、因りて以て之を知る。
人の話を聞く方法は、まるでひどく酔っぱらったかのように(我を忘れて)聞くことだ。...相手は
故に喜びを去り悪を去り、心を虚ろにして以て道の舎と為す。
故に(主観的な)喜びや嫌悪の感情を捨て去り、心を空っぽにして、客観的な判断(道)の宿る場所と
故に度量の立つは、主の寶なり。黨與の具わるは、臣の寶なり。
だから、公平な基準(度量)が確立していることはリーダーの宝であり、仲間や派閥(黨與)がいるこ
一家二貴なれば、事乃ち功無し。
一つの家族に二人の尊い者(トップ)がいれば、物事はうまくいかない。
人君為る者は、数々其の木を披き、木枝をして扶疏ならしむる母かれ。木枝扶疏なれば、将に公閭を塞がんとす。
リーダーたる者は、しばしば木(組織)を剪定し、枝(部門・派閥)が好き放題に茂るようにしてはな
枝大にして本小なれば、将に春風に勝えざらんとす。
枝(現場・部門)が大きくなりすぎて幹(本社・リーダー)が小さくなってしまえば、春風(少しの外
有度第六
法を奉ずる者強ければ則ち國強く、法を奉ずる者弱ければ則ち國弱し。
法を(厳格に)運用する者が強ければ国は強くなり、法を(いい加減に)運用する者が弱ければ国は弱
能く私曲を去り公法に就く者は、民安らかにして國治まる。
よく私的な都合や不正を捨てて、公的なルールに従う者は、人々は安心し、国はよく治まる。
今若し譽を以て能を進むれば、則ち臣は上に離れて下に比周す。
もし評判(譽)によって有能な者として登用するならば、臣下は上司(上)から離れ、下(同僚や部下
忠臣は非罪に危死し、姦邪の臣は無功に安利す。
(ルールが機能しないと)忠実な臣下は罪もないのに危険な目に遭い、不正で邪な臣下は功績もないの
故に明主は法をして人を擇ばしめ、自ら舉げざるなり。法をして功を量らしめ、自ら度らざるなり。
優れた君主は、法(ルール)によって人を選ばせ、自分(の主観)で登用しない。法によって功績を計
夫れ人主と為りて、而して身ら百官を察すれば、則ち日も足らず力も給せず。
そもそも君主たる者が、自らすべての役人の仕事ぶりを細かくチェックしようとすれば、時間も体力も
故に己の能を舎てて、法數に因り賞罰を審らかにす。
したがって(有能な君主は)自分の(個人的な)能力に頼ることをやめ、法と術(ルールと仕組み)に
法は貴に阿らず、縄は曲れるに撓まず。
法(ルール)は、地位の高い者(貴)にも忖度せず、墨縄が曲がった木を決して許容しないように、厳
過ちを刑するに大臣をも避けず、善を賞するに匹夫をも遺れず。
過ちを罰するにあたっては、たとえ幹部(大臣)であっても遠慮せず、善行を賞するにあたっては、た
人主、法を釋てて私を用うれば、則ち上下別たず。
君主が法(ルール)を捨てて、私的な判断を用いれば、上司と部下の区別(秩序)がつかなくなる。
用人第二十七
功を國に致して以て位を履み、能を官に見わして以て職を受け
功績を国に挙げた者として地位に就き、能力を役所で発揮した者として職務を受ける。
明君は事をして相干さざらしむ、故に訟莫し。士をして官を兼ねざらしむ、故に技長ず。
優れた君主は、仕事(の範囲)が互いに干渉しないようにする。だから訴訟(争い)がない。専門家(
法術を釋てて心治すれば、堯も一國を正すこと能わず。規矩を去りて妄に意度すれば、奚仲も一輪を成すこと能わず。
ルールや仕組み(法術)を捨てて、個人の感覚(心)で治めようとすれば、聖王の堯ですら一国を正せ
中主をして法術を守り、拙匠をして規矩尺寸を守らしむれば、則ち萬失わず。
平凡な君主(中主)でもルールや仕組み(法術)を守り、下手な職人(拙匠)でも定規や基準(規矩尺
明主の表は見易し、故に約立つ。其の教えは知り易し、故に言用いらる。其の法は為し易し、故に令行わる。
優れた君主の示す目印(表)は、分かりやすい(見易し)。だから約束(ビジョン)が成立する。その
人主為し難きを立てて及ばざるを罪すれば、則ち私怨生ず。人臣長ずる所を失いて給し難きに奉ずれば、則ち伏怨結ばる。
君主が達成困難な目標(為し難き)を立て、未達を罰すれば、部下から(理不尽だという)私怨が生ま
儀的を釋てて妄に發すれば、中ると雖も小にして巧みならず。法制を釋てて妄に怒れば、殺戮すと雖も姦人恐れず。
弓の的(儀的)を(見ないで)捨てて闇雲に射ても、たまたま当たったとしても(それは小さく)実力
蕭牆の患を謹まずして、金城を遠境に固くし
内部(蕭牆)の憂いを正さずに、遠い国境(遠境)の守り(金城)を固める。
老第二十一
禍は足るを知らざるより大なるは莫し。
災いというものは、「満足することを知らない(=際限のない欲望)」ことより大きなものはない。
善く建つれば抜けず、善く抱けば脱せず
(老子の言葉)本当にうまく立てたものは引き抜かれず、本当によく抱いたものは抜け落ちない。
輕なれば則ち臣を失い、躁なれば則ち君を失う。
(老子の言葉)軽々しく動けば(輕)臣下を失い、あわただしく動けば(躁)君主の地位を失う。
邦の利器は以て人に示す可からず。
(老子の言葉)国家の鋭利な武器(利器)は、安易に人に見せ(=任せ)てはならない。
天下の難事は必ず易きより作り、天下の大事は必ず細より作る。
(老子の言葉)天下の難題も必ず簡単なこと(易)から起こり、天下の大事も必ず些細なこと(細)か
脣亡ぶれば而ち齒寒し。
唇がなくなれば、歯は寒々とする。(唇=虞、歯=自国)
小を見るを明と謂う。
(老子の言葉)些細な兆候(小)を見抜くことを「明(明晰さ)」という。
凡そ御の貴ぶ所は、馬體は車に安んじ、人心は馬に調い、而る後以て速きを進め遠きを致す可し。
そもそも馬術で重要なのは、馬体を車に安定させ、人の心を馬と調和させ、そうして初めて速く遠くへ
飛ぶ無しと雖も、飛べば必ず天に沖せん。鳴く無しと雖も、鳴けば必ず人を驚かさん。
(今は)飛ばないけれども、一度飛べば必ず天にまで達するだろう。鳴かないけれども、一度鳴けば必
知の難きは、人を見るに在らず、自ら見るに在り。故に曰く、「自ら見るを之れ明と謂う。」
知ることの難しさは、他人(の欠点)を見ることにあるのではない、自分自身(の欠点)を見ることに
志の難きは、人に勝つに在らず、自ら勝つに在り。故に曰く、「自ら勝つを之れ強と謂う。」
志を貫くことの難しさは、他人(競争相手)に勝つことにあるのではない、自分自身(の欲望)に勝つ
觀行第二十四
古の人、目は自ら見るに短なり、故に鏡を以て面を觀、智は自ら知るに短なり、故に道を以て己を正す。
昔の人は、自分の目で自分を見るには限界がある(短)ことを知っていたので、鏡で顔を見た。自分の
西門豹の性は急なり、故に韋を佩びて以て自ら緩くし、董安于の心は緩なり、故に弦を佩びて以て自ら急にす。
西門豹は性急だったので、なめし革(韋)を身につけて自分を戒め、緩やかにしようとした。董安于は
故に堯の智有ると雖も、而も衆人の助け無ければ、大功立たず。烏獲の勁有るも、而も人の助けを得ざれば、自ら舉ぐる能わず。
したがって、堯ほどの智恵があっても、多くの人々の助けがなければ、大きな功績は立てられない。烏
故に明主は烏獲を窮むるに、其の自ら舉ぐる能わざるを以てせず。離朱を困むるに、其の自ら見る能わざるを以てせず。可勢に因りて
したがって、優れた君主は、烏獲に「自分自身を持ち上げろ」という不可能なことを強いない。離朱に
解老第二十
禮繁き者は實心衰うるなり。...夫れ禮は、忠信の薄きにして、亂の首か。
礼儀が(過度に)煩雑になれば、実質的な真心は衰える。...そもそも礼とは、忠誠心や信頼が薄く
其の厚きに處りて其の薄きに處らずとは、情實を行いて禮貌を去るなり。其の實に處りて其の華に處らずとは、必ず理に緣りて徑絶せ
「厚いところ(本質)にいて、薄いところ(表面)にいない」とは、真心(情實)で行動し、表面的な
人禍有れば則ち心畏恐し、心畏恐すれば則ち行い端直に...行い端直なれば則ち思慮熟し、思慮熟すれば則ち事理を得、事理を得れ
人は災難を経験すると、心に恐れを抱く。恐れを抱くと、行動が正しく慎重になる。行動が正しくなる
人福有れば...驕心生じ、驕心生ずれば則ち行い邪僻にして動くこと理を棄つ。...禍の本は福有るに生ず。
人は成功(福)を手にすると...傲慢な心(驕心)が生まれる。傲慢な心が生まれると、行動がよこ
所謂方とは、内外相應ずるなり、言行相稱うなり。
いわゆる「方」(誠実さ・正しさ)とは、内面(心)と外面(態度)が一致していることであり、発言
衆人の功を成さんと欲して、而も反て敗を為す所以の者は、道理を知らずして、而も肯て知あるに問いて能あるに聴かざるに生ず。
多くの人が成功(功)しようとして、かえって失敗する理由は、物事の道理を知らないのに、知ってい
工人は数々業を變ずれば則ち其の功を失い、...大國を治めて数々法を變ずれば、則ち民之に苦しむ。
職人が仕事(業)をコロコロ変えれば成果は上がらず、...(同様に)大きな組織(大國)を治める
禍は足るを知らざるより大なるは莫し。
災い(禍)は、満足することを知らないこと(足るを知らざる)より大きなものはない。
敢て天下の先と為らず、故に能く成事の長と為る。
あえて(無謀に)世の中の先頭に立とうとしない。だからこそ、物事を成し遂げるリーダー(長)とな
大姦作れば則ち小盗隨い、大姦唱うれば則ち小盜和す。
大きな不正(大姦)が行われれば、小さな不正(小盗)がそれに続き、大きな不正がまかり通れば、小
詭使第四十五
聖人之治道三。一曰利、二曰威、三曰名。夫利者所以得民也、威者所以行令也、名者上下之所同道也。
聖人が国を治める手段は三つある。第一は利益、第二は権威、第三は名分である。利益は民衆の支持を
法令者所以為治也。而従法令、為私善、世謂之忠。
法令は統治の手段である。しかし、法令に従わず(法を曲げて)個人的な善行(温情)を施す者を、世
賞祿者所以盡民力易下死也。今戰勝攻取之士勞而不賞、而卜筮視手理、狐蠱為順辭於前者、日賜。
報奨や俸禄は、民が全力を尽くし、命懸けで働くようにするためのものである。しかし今、戦で成果を
夫法令者所以廢私也。法令行而私道廢。
そもそも法令を定めるのは、個人的な(情実や利害)を排除するためである。法令がきちんと施行され
說林上二十二
公、僕璽を佩びて行事を為す、是れ官を兼ぬるなり。
あなた(甘茂)が侍従の印を拝命しながら(本職の)外交官の仕事もする、これは(二つの)官職を兼
子園、孔子の君に貴ばれんことを恐るるや、...太宰因て復た見えしめず。
子園は、孔子が君主に重用されることを恐れて(策を弄し)、...太宰は(その策にはまり)孔子を
將に之を敗らん欲せば、必ず姑く之を輔けよ。將に之を取らんと欲せば、必ず姑く之に予えよ。
相手を破滅させようと思うなら、まずはいったん相手を助けて(増長させよ)。相手から奪い取ろうと
今子は美にして我は悪し。...子我が舍人と為るに如かず。...逆旅の君、之を待つこと甚だ敬して、因て酒肉を獻ず。
今、あなたは高貴な外見で、私はみすぼらしい。あなたが私の家来(舍人)になるのが良い。...(
管仲曰く、「老馬の用う可きなり。」乃ち老馬を放ちて之に隨い、遂に道を得たり。...隰朋曰く、「蟻...仞の水有り。」乃ち
管仲は「老馬の知恵が使えるだろう」と言い、老馬を放してその後についていき、ついに道を見つけた
樂羊は功有るを以て疑われ、秦西巴は罪有るを以て益々信ぜらる。
樂羊は(息子の肉を食うという)功績(非情なまでの忠誠)によってかえって(その非情さを)疑われ
聖人は微を見て以て萌を知り、端をみて以て末を知る。故に象箸を見て怖るるは、天下も足らざるを知ればなり。
聖人は微細な兆候(微)を見て物事の兆し(萌)を知り、物事の始まり(端)を見てその結末(末)を
子の所長を以て、不用の國に遊ばば、窮する無からしめんと欲するも、其れ得可けんや。
あなたの長所(靴作りや機織り)をもって、それを必要としない国(越)へ行くのでは、困窮しないよ
然れども十人をして之を樹えて、一人をして之を抜かしめば、則ち生楊母からん。...之を樹うるは難くして、之を去るは易ければ
しかし、十人が(柳を)植えても、たった一人がそれを引き抜いて回れば、育つ柳は一本もなくなって
夫の田子は將に大事有らんとす。而るに我之に微を知るを示せば、我必ず危うからん。...人の言わざる所を知るは、其の罪大なり
あの田成子は(クーデターという)大事を企んでいる。それなのに私が(彼の内心の)微細な願望(=
美しき者は自ら美しとすれば、吾其の美しきを知らざるなり。悪き者は自ら悪しとすれば、吾其の悪きを知らざるなり。
(宿の主人が言う)「美しい妾は、自分で自分の美しさを鼻にかけているので、私にはその美しさが(
夫れ人の言を以て我に善くせば、必ず人の言を以て我を罪せん。
(側近の)他人の言葉(取り成し)によって私を厚遇してくれる(リーダー)ならば、必ず(別の)他
說林下二十三
子、踶馬を相するに巧みなるも、腫膝を任ずるに拙し。
あなたは「(気性の荒い)あばれ馬」を見抜くのは巧みだが、「(故障した)腫れた膝」を見抜くのは
猿も柙中に置けば、則ち豚と同じ。故に勢い便ならざるは、能を逞しくする所以に非ざるなり。
猿も(窮屈な)檻の中に入れてしまえば、豚と(何も)変わらない。つまり、環境(勢い)が不便では
漁者は鱧を持ち、婦人は蠶を拾う。利の在る所、皆な孟賁・諸と為る。
漁師は(蛇に似た)ウナギを掴み、婦人は(青虫に似た)蚕を拾う。利益(利)のあるところでは、人
千里の馬は時に一有るを以てして、其の利緩く、駑馬は日々に售れて、其の利は急なり。
千里を走る名馬は、たまに一頭現れるだけで(取引が稀で)、その利益はゆっくりとしか入らない。一
鼻の大なるは小にす可きも、小なるは大にす可からざればなり。目の小なるは大にす可きも、大なるは小にす可からざればなり。..
鼻は大きく(作っておけば)小さく修正できるが、小さく作ると大きくはできない。目は小さく(作っ
曩者に女が狗をして白くして往き、黒くして来らしめば、子豈に能く怪しむ母からんや。
もし以前に、お前の犬が白い姿で出て行って、黒い姿で帰ってきたら、お前は(その変化に)驚かない
吾嘗て音を好むに、此の人我に鳴琴を遺る。...是れ我が過を振する者なり。...吾其の我を以て容れらるるを人に求めんことを
私は以前、音楽を好んだら、この男は私に琴を贈ってきた。...これは私の(贅沢という)欠点を助
今夫れ齊も亦た君の海なり。君齊を失わば、薛城を隆くして天に至ると雖も、猶ほ益無からん。
今、斉(という国全体)こそが、あなたの「海」なのです。もしあなたが斉(というプラットフォーム
說難第十二
凡そ説の難きは、説く所の心を知り、吾が説を以て之に當つ可きに在り。
説得の難しさは、相手(説得対象)の心を理解し、自分の説得内容をそれに合わせることにある。
説く所は名高を為すに出づる者なるに、而も之に説くに厚利を以てせば...(中略)...説く所は厚利に出づる者なるに、而も之
相手が名声を求めているのに、大きな利益(金銭)の話をしても...(中略)...相手が利益を求
凡そ説の務めは、説く所(相手)の矜る所を飾りて、其の恥づる所を滅するを知るに在り。
説得の要点とは、相手が誇りに思っていることを(自分の提案で)さらに飾り立て、相手が恥じている
其の説を徑省にすれば、則ち以て不智と為して之を拙とす。米鹽博辯にすれば、則ち以て多と為して之を史とす。
説得が簡潔すぎると、「知性がなく稚拙だ」と見なされる。逆に、細かく理屈っぽく雄弁に語りすぎる
故に之と大人を論ずれば、則ち以て己を閒すと為す。...其の愛する所を論ずれば則ち以て資を藉ると為す。其の憎む所を論ずれば
(上司と)その上の上司の話をすれば「自分を仲間外れにする」と疑われ、...(上司が)好きな人
其の家甚だ其の子を智として、而して鄰人の父を疑えり。
(盗難に遭った)その家は、自分の子のことを「賢い」と思ったが、隣家の父のことは(泥棒ではない
故に彌子の行は未だ初めに變ぜざるに、...前の賢とせらるる所以を以てして、而して後に罪を獲る者は、愛憎の變ずればなり。
彌子瑕の行動は昔も今も変わらないのに、以前は賢いと褒められた同じ行動が、後になって罰せられる
人主にも亦た逆鱗有り。說者能く人主の逆鱗に嬰るること無ければ、則ち幾からん。
君主にも(龍の)逆鱗がある。説得する者が、その逆鱗に触れさえしなければ、説得は成功に近いだろ
説疑第四十四
禁姦之法、太上禁其心、其次禁其言、其次禁其事。
不正を防ぐ方法として、最上なのは(不正をしようとする)その心を未然に防ぐことであり、次善の策
如此之臣、雖當昏亂之主尚可致功、況於顯明之主乎。此謂霸王之佐也。
(后稷のような)優れた臣下は、仮に暗愚な君主のもとにあっても功績を上げることができる。まして
聖王明君則不然。内舉不避親、外舉不避讎。是在焉則舉之、非在焉則罰之。
聖王や明君はそうではない。内部(身内)から登用する際に縁者を避けたりせず、外部から登用する際
不知其臣之意行、而任之以國。故小則名卑地削、大則國亡身死。用臣不明也。
臣下(部下)の真意や行動(の実態)を知らないまま、国(重要な仕事)を任せてしまう。その結果、
無以度其臣者、必以其衆人之口斷之。衆之所譽、則從而 之、衆之所非、則從而憎之。
臣下(部下)を評価する確固たる基準を持たない君主は、必ず世間の評判(衆人の口)によって判断し
燕君子噲、苦身以憂民、如此其甚、然子噲身死國亡、・・・此其何故也。不明乎任臣之所也。
燕の君主であった子噲は、自ら農具を手に取るほど身を苦しめて民を憂いた。しかし、彼は身を殺され
難一第三十六
夫舅犯之言、一時之權也。雍季之言、萬世之利也。
舅犯の言葉(詐術)は、その場限りの一時的な方策だ。雍季の言葉(正攻法)は、永続的な利益をもた
待萬世之利者、在今日之勝、今日之勝者、在詐敵、詐敵者、萬世之利也。
永続的な利益(萬世の利)を得る大前提は、まず今日の戦い(目先の課題)に勝つことだ。今日の勝利
舜之救敗也、則是有堯之失也。 ... 且夫身以爲苦、而後化民、堯舜之所難也。處勢而矯下、庸主之所易也。
舜が(自ら働いて)問題を解決したというなら、それは堯(当時の君主)の統治に欠陥があった証拠だ
且臣盡死力以與君市、君垂爵祿以與臣市。君臣之際、非父子之親也、計數之所出也。
臣下は命懸けの働きを君主と取引し、君主は地位や報酬で臣下と取引する。君主と臣下の関係は、親子
桓公之身死、蟲流出戸而不葬者、是臣重故也。 ... 明主之道、一人不兼官、一官不兼事。
桓公が死後放置されたのは、特定の臣下に権力が集中しすぎた(臣重き)からだ。... 賢明な君主
今赫僅不驕侮而襄子賞之、是賞失也。 ... 今襄子不誅驕侮之臣、而賞無功之赫、安在襄子之善賞哉。
今、高赫がただ「無礼でなかった」というだけで襄子が賞したのは、賞の与え方を間違っている。..
臣大逆を行ふに、平公喜びて之を聽く。是れ君の道を失ふなり。
臣下が(琴で殴りかかるという)大逆の行為を行ったのに、平公は(反省して)喜んでこれを聴き入れ
夫臣之兩用者國憂、則是桓公不霸、成湯不王也。 ... 主有術、兩用不爲患。無術、兩用則爭事、一則專制。
臣下を二人併用することが国の憂いなら、桓公や成湯は覇者や王者になれなかったはずだ。... 君
難三第三十八
今子思以過ち聞せずして、而も穆公之を貴び、厲伯姦以て聞して、而も穆公之を賤む。 ... 此れ魯君の劫かさるる所以なり。
今、子思は(臣下の)過ちを報告しなかったのに、穆公は彼を尊重し、厲伯は(臣下の)不正を報告し
桓公能く管仲の功を用ひて、鉤を射るの怨みを忘る。文公能く寺人の言を聽きて、祛を斬るの罪を棄つ。... 是れ臣讎するに、而
桓公は管仲の功績を評価し(自分を殺そうとした)怨みを忘れ、文公は寺人披の弁明を聴き(自分を攻
仲尼の對は、亡國の言なり。 ... 夫れ三公に對うるに、一言にして三公以て患無かる可きは、下を知るの謂なり。
孔子の(相手によって変えた)回答は、国を滅ぼすアドバイスだ。... そもそも三人の君主に対し
姦必ず耳目の及ぶ所を待ちて而る後之を知らば、則ち鄭國の姦を得る者寡からん。 ... 故に宋人語りて曰く、『天下を以て之が
不正行為を(リーダーの)耳目(個人の才覚)が届く範囲でしか発見できないなら、鄭の国で見つかる
害せらるると侵されざるとは、自ら恃むに在るのみ。笑ぞ問わんや。 ... 申子曰く、『治官を踰えず、知ると雖も言わず。』今
(他国から)害されるか、侵されないかは、自分自身(の強さや体制)を頼みにするかにかかっている
難二第三十七
夫刑當無多、不當無少。 ... 今刑罰緩、行寛惠、是利姦邪而害善人也。此非所以爲治也。
刑罰が適切(当)であれば多すぎることはなく、不適切(不当)であれば少なすぎることはない。..
桓公義宿めて、冠遺るるを須ちて、而る後之を行ふ、則ち是れ桓公の義を行ふは、冠遺るるが爲なり。
(もし桓公が善政を前から計画していたなら)冠を落とす(私的な失敗)のを待ってから実行したこと
紂以其大得人心而惡之、己又輕地以收人心、是重疑也。
紂王は(文王が)大いに人望を得ているからこそ彼を憎んでいるのに、(文王は)さらに領地を差し出
凡五霸之所以能成功名於天下者、必君臣俱有力。故曰、「叔向・師曠之對皆偏辭也。」
覇者たちが功名を成し遂げられたのは、必ず君主と臣下の両方が優れていた(俱に力有り)からだ。し
吾聞、人君者、勞於索人、佚於使人。 ... 人君者、不勞於索人、而不佚於使人。
(桓公は)「君主とは、人材を探すのには苦労するが、見つけた後は(任せて)楽ができるものだ」と
山林澤谷之利無くして入ること多き者は、之を窕貨と謂う。 ... 術無きの言なり。
(李兌は)「山林などの特別な利権もないのに会計報告の数字が良すぎるのは、不正な利益(窕貨)だ
簡子抱を投げて曰く、「烏乎、吾の士數弊す。」燭過冑を免ぎて對えて曰く、「亦た君の能わざる有るのみ。士弊れたる者無し。」
簡子が(戦意が上がらず)「ああ、我が兵士たちは疲弊してしまった」と嘆いた。燭過は兜を脱いで反
賞厚くして信なれば、夫人は敵を軽んず。刑重くして必なれば、夫人は北げず。 ... 衆を將る者然らざるの數に出でずして、而
報奨が手厚く確実であれば、人々は(危険を冒して)敵を軽んじる。罰が重く確実であれば、人々は逃
難勢第四十
堯為匹夫、不能治三人、而桀為天子、能亂天下。吾以此知勢位之足恃、而賢智之不足慕也。
聖人堯も、もし庶民であれば三人すら治められないだろう。しかし暴君桀も、天子という地位にあれば
夫良馬固車、使臧獲御之、則爲人笑、王良御之、日取千里。車馬非異也、或至千里、或爲人笑、則巧拙相去遠矣。
優れた馬と頑丈な車(=優れたリソースや権限)があっても、未熟な者(臧獲)がそれを扱えば人々の
吾所以爲勢者、中也。中者、上不及堯舜、而下亦不爲桀紂。抱法處勢則治、背法去勢則亂。
私が(重要だと言う)「権勢」の議論は、「平均的な(中)」リーダーを対象にしている。彼らは聖人
夫待越人之善游、以救中國之溺人、越人善游、而溺者不濟矣。 ... 夫良馬固車、五十里而一置、使中手御之、 ... 千里も
泳ぎが得意な越人を待って、今ここで溺れている人を救おうとしても、越人がいくら泳ぎがうまくても
難四第三十九
今未だ其の得る所以有らずして、而も其の處る所以を行う。是れ義を倒にして徳に逆うなり。
今、(湯王や武王のように人望や実績を)まだ獲得していないのに、その(君主のような)振る舞いだ
群臣皆な陽虎の心有りて、而も君上知らざるは、是れ微にして巧なればなり。陽虎 ... 是れ疏にして拙なるなり。
臣下は皆(陽虎のような)私心を抱いているのに、君主がそれに気づかないのは、彼らが巧妙(微にし
未だ齊の巧臣を知らずして、明亂の罰を廢し、未然に責めて、昭昭の罪を誅せざるは、此れ則ち妄なり。
(自国内の)巧妙な臣下(の私心)に気づかないからといって、明白な反乱(明亂)の罰を廃止し、ま
明君は怒りを懸けず。怒りを懸くれば則ち罪臣輕舉して以て計を行う。 ... 今昭公悪を見すも罪を稽めて誅せず、渠彌をして憎
賢明な君主は、(罰するつもりなら)怒りを(相手に察知させたまま)放置しない。放置すれば、罰せ
夫れ竈は、一人焉に煬れば、則ち後人従って見る無し。或いは一人君に煬るか。 ... 夫れ愛する所を去りて賢とする所を用うる
竈(かまど)は、一人が火にあたっていると、後ろの人は(火が)見えなくなる。もしかして(君主の
難言第三
順比滑澤、洋洋灑灑然
言葉が流暢で美しく、堂々とよどみなく連なっていると
敦厚恭祇、鯁固慎完
手厚く慎み深く、堅苦しいほど慎重でしっかりしていると
多言繁稱、類を連ね物を比ぶ
言葉数が多く、むやみに多くの引用や例えを連ねると
微を述べ約を説き、徑省にして飾らず
(隠れた意図を)述べ要約して説き、直接的で簡潔・無装飾であると
激急親近、人情を探知す
激しく(相手に)迫り、他人の内情を探り知ろうとすると
関大廣博、妙遠測られず
(話が)壮大で広範にわたり、深遠で測り知れないと
家計小談、具數を以て言えば
小さな利益計算について細かく述べ、数字を整理して言うと
言いて世に近く、辭悖逆せず
発言が世俗的で、言葉が(上司の意に)逆らわなければ
捷敏辯給、文采に繁し
機転が利き口が立ち、言葉の飾りが過剰であれば
至言は耳に忤い、心に倒す
本当に重要な言葉(真実)は、耳に逆らい、心(の常識)をひっくり返すものである。
顯學第五十
夫冰炭不同器而久、寒暑不兼時而至、雑反之學不両立而治。
氷と炭は同じ器に長く共存できず、冬と夏は同時に訪れない。同様に、互いに矛盾する教え(価値観)
侈而-者貧、力而儉者富。今上徴斂富人、以布施貧家、是奪力儉而與侈-也。
贅沢で怠惰な者は貧しくなり、努力家で倹約家な者は富む。今、君主が富む者から税を取り立て、貧し
故孔子曰、「以容取人乎、失之子羽、以言取人乎、失之宰予。」・・・故明主之吏・宰相必起於州部、猛將必發於卒伍。
孔子は「見た目(容)で人を判断すれば、子羽のような過ちを犯す。弁舌(言)で人を判断すれば、宰
夫聖人之治國也、不恃人之為吾善也、而用其不得為非也。
聖人が国を治める時は、人々が(道徳心から)善行を行うことを期待するのではなく、人々が不正(非
故有術之君、不隨適然之善、而行必然之道。
故に、統治の術(仕組み)を持つ君主は、偶然の成功(適然の善)に頼るのではなく、必然的に成功す
故舉士而求賢智、為政而期適民、皆亂之端也。
したがって、賢者や智者を(基準なく)登用しようとしたり、民衆(社員)の機嫌を取る(迎合する)
飭令第五十三
功に任ずれば則ち民に言少く、善に任ずれば則ち民に言多し。
(客観的な)功績に基づいて評価すれば、人々は(不満の)言葉が少なくなる。(主観的な)「善」や
士をして官を兼ねざらしむ、故に技長ず。人をして功を同じくせざらしむ、故に爭莫し。
専門家には役職を兼任させない。だからこそ彼らの専門技術は向上する。人々には功績を共有させない
利一空より出づるときは、其の國敵無く、利二空より出づるときは、其の兵半ば用いられ、利十空より出づるときは、民守らず。
利益(評価・報酬)がただ一つの窓口(君主)から出るなら、その国は無敵である。二つの窓口から出
刑を行いて、其の輕き者を重くすれば、輕き者至らず、重き者來たらず。此を刑を以て刑を去ると謂う。
刑罰を行う際、軽い違反(輕き者)を(あえて)重く罰すれば、軽い違反がまず起こらなくなり、結果
飾邪第十九
故に曰く、「龜筴鬼神以て勝を舉ぐるに足らず、左右背鄉以て専ら戦うに足らず。然り而して之を恃むは、愚なること焉より大なるは
「占い(龜筴鬼神)によって勝利を得ることはできず、星の配置(左右背鄉)によって戦いに勝つこと
越王勾踐、大朋の龜を恃みて呉と戦いて勝たず、身は臣として入りて呉に宦せしも、國に反りて龜を棄て、法を明らかにし、民に親し
越王の勾踐は、大亀の占いを頼りにして呉と戦ったが勝てず、自身は臣下として呉に仕えた。しかし、
故に鬼神を恃む者は法を慢り、諸侯を恃む者は其の國を危うくす。
したがって、神や占い(鬼神)を頼りにする者は、法(ルール)を軽んじ、他国(諸侯)の援助をあて
治の数に明らかならば、則ち國は小なりと雖も富み、賞罰、敬信ならば、民寡しと雖も強し。
統治の原則(治の数)が明確であれば、国は小さくても豊かになり、賞罰が公正で信頼できるもの(敬
主過予すれば則ち臣偷幸し、臣徒取すれば則ち功尊からず。功無き者、賞を受くれば、則ち財匱しくして民望む。
君主が(実績以上に)賞を与えすぎると(過予)、臣下は(実力ではなく)幸運を盗み取ろうとし(偷
豎穀陽の酒を進むるや、實心以て之を忠愛し、而も適に以て之を殺すに足るのみ。此れ小忠を行いて大忠を賊える者なり。
召使いの穀陽が酒を進めたのは、本心から(司令官の)子反を思いやっての(忠愛)行動だったが、結
故に曰く、「法を明らかにする者は強く、法を慢にする者は弱し。」
したがって、「法(ルール)を明確にし、厳格に運用する者は強くなり、法(ルール)を軽んじ、曖昧
夫れ常法を舎てて私意に従わば、則ち臣下智能を飾る。臣下智能を飾らば、則ち法禁立たず。
そもそも恒久的なルール(常法)を捨てて、君主の個人的な思いつき(私意)に従うようでは、臣下(
昔者、舜、吏をして鴻水を決せしめしに、令に先だちて功有りて、舜之を殺す。禹、諸侯の君を會稽の上に朝し、防風の君後れて至り
昔、舜が役人に治水をさせた時、命令より「早く」功績を挙げた者を、舜は処刑した。禹が諸侯を会稽
故に公私に分有り。...明主上に在れば、則ち人臣私心を去り公義を行う。亂主上に在れば、則ち人臣公義を去り私心を行う。
したがって、「公」と「私」には明確な区分がある。優れたリーダーが上に立てば、部下は「私心」を
君臣とは、計を以て合う者なり。夫の難に臨んで死を必し、智を盡くし力を竭くすに至りては、法の為に之を為す。
君主(会社)と臣下(社員)とは、利害(計)によって結びついている関係である。社員が困難に際し
古典を、あなたの毎日に活かす。
名句の現代語訳とやさしい解説を、あなたの学びに。師導で古典をはじめましょう。
師導をはじめる