韓非子 / 南面第十八
人臣易言事者,少索資,以事誣主。主誘而不察,因而多之,則是臣反以事制主也。如是者謂之誘,誘於事者困於患。其進言少,其退費多,雖有功,其進言不信。
書き下し
人臣、事を言うを易くする者は、資を索むること少なくして、事を以て主を誣う。主、誘われて察せず、因りて之を多とすれば、則ち是れ臣反りて事を以て主を制するなり。是くの如き者は之を誘と謂い、事に誘わるる者は患に困しむ。其の進言は少なく、其の退費は多く、功有りと雖も、其の進言信ぜられず。
現代語訳
君主に進言するときはその仕事にかかる費用は少なく言い、退いて仕事にかかると多くの費用を使うなら、たとえその計画が成功したとしても、最初の進言は嘘をついたことになる。
解説
物事を始める前には「これくらいの元手で済みます」と少なく言っておきながら、実際に取りかかると当初の何倍もの費用や手間がかかる。たとえ最終的にうまくいったとしても、それは最初の申し出が偽りだったことに変わりはない、という戒めです。これは仕事の企画に限らず、家の修繕の見積もりや、子ども会の行事の予算にも当てはまります。「安く済みますから」と話を通しやすくするために最初にわざと少なく伝え、後から追加の負担を次々と求めてくるやり方は、たとえ仕上がりが良くても、最初の言葉への信用を失わせます。物事を任せる側は、最初の申し出の甘さと、後になってからの負担の大きさをきちんと見比べる目を持つ必要があります。
この章句が説くこと
見積もりアカウンタビリティ誠実性過小見積もり稟議
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