韓非子 / 難言第三
㹅微說約,徑省而不飾,則見以爲劌而不辯;
新字:㹅微説約,径省而不飾,則見以為劌而不弁;
書き下し
微を述べ約を説きて、徑省にして飾らざれば
現代語訳
(隠れた意図を)述べ要約して説き、直接的で簡潔・無装飾であると
解説
「隠れた意図をくみ取り要点だけをまとめ、まっすぐで飾り気なく話すと」という一節です。結論を先に述べ、無駄をそぎ落として簡潔に伝えるやり方は効率が良く見えますが、背景の説明や相手への気遣いが欠けていると、「言葉が足りず冷たい」「思いやりに欠け、人を傷つける物言いだ」と受け取られてしまう危うさがあります。仕事の報告でも、家族への言葉でも、簡潔さだけを追い求めると、伝えたい以上のことが伝わってしまうことがあります。要点をまとめる力と、相手の気持ちに配慮する優しさとを、両方とも兼ね備えて初めて、簡潔な言葉は誠実に届くのです。
この章句が説くこと
結論ファースト説明責任配慮コミュニケーションスタイル
関連する章句
-
司馬法・仁本その老幼を見ては、奉(ほう)じて帰し、傷つくる勿(な)かれ。壮者に遇うと雖も、校(きそ)わざれば敵とする勿れ。
-
論語・衛霊公篇師冕見ゆ。階に及べば、子曰く、「階なり。」席に及べば、子曰く、「席なり。」皆坐すれば、子之に告げて曰く、「某は斯に在り、某は斯に在り。」師冕出づ。子張問いて曰く、「師と言うの道か。」子曰く、「然り、固より師を相くるの道なり。」
-
説苑・雜言孔子将に行かんとするに、蓋無し。弟子曰く、「子夏に蓋有り、以て行く可し」と。孔子曰く、「商の人と為りや、甚だ財に短し。吾聞く、人と交わる者は、其の長ずる所を推し、其の短なる所を違く、故に能く久長なりと」と。
-
孟子・盡心章句下孟子曰く、「布縷の征・粟米の征・力役の征有り。君子は其の一を用いて、其の二を緩くす。其の二を用うれば、民に殍有り。其の三を用うれば、父子離る。」
-
尚書・文侯之命遠きを柔らげ邇きに能くし、小民を惠康す。
-
葉隠・聞書第二何某(なにがし)或る御方にて、笄(こうがい)失い候事を、何かと申し候を、同道の衆意見申し候て、追って盗み候人相知れ、仕置(しおき)これあり候。御亭主(ごていしゅ)に恥かかせ申す事を、行き当らず言出して見出し申さざる時は、伺々(うかがいうかがい)無興(ぶきょう)なり。刀の拵(こしら)え様、置き処(どころ)、兼々(かねがね)吟味(ぎんみ)仕るべき事の由。