韓非子 / 內儲說上七術第三十
魯人積澤を焼く。天北風し、火南に倚り、國を焼かんことを恐る。...仲尼曰く、「夫れ獣を逐う者は楽しみて罰無く、火を救う者は苦みて賞無し。此れ火の救わるる無き所以なり。」...乃ち令を下して曰く、「火を救わざる者は、降北の罪に比し、獣を逐う者は、禁に入るの罪に比せん。」...令下りて未だ遍からざるに、火は巳に救わる。
新字:魯人積沢を焼く。天北風し、火南に倚り、国を焼かんことを恐る。...仲尼曰く、「夫れ獣を逐う者は楽しみて罰無く、火を救う者は苦みて賞無し。此れ火の救わるる無き所以なり。」...乃ち令を下して曰く、「火を救わざる者は、降北の罪に比し、獣を逐う者は、禁に入るの罪に比せん。」...令下りて未だ遍からざるに、火は巳に救わる。
書き下し
魯人積澤を焼く。天北風し、火南に倚り、國を焼かんことを恐る。...仲尼曰く、「夫れ獣を逐う者は楽しみて罰無く、火を救う者は苦みて賞無し。此れ火の救わるる無き所以なり。」...乃ち令を下して曰く、「火を救わざる者は、降北の罪に比し、獣を逐う者は、禁に入るの罪に比せん。」...令下りて未だ遍からざるに、火は巳に救わる。
現代語訳
魯の国で野火が起こり、都に迫った。(人々は火を消さず、逃げ出す獣を獲るのに夢中だった。)仲尼が言った「獣を追うのは『楽しくて罰がない』が、火を消すのは『苦しくて賞がない』。これでは火が消えるはずがない」 。そこで「火を消さない者は敗走した罪とし、獣を追う者は禁制地に入った罪とする」という明確な「罰(必罰)」 を定めたところ、命令が伝わりきる前に火は消し止められた 。
解説
組織の危機において、社員が望ましい行動(火を救う)をとらず、望ましくない行動(獣を逐う)をとる場合、それは「インセンティブ(賞罰)」が間違っているからです。リーダーは「苦しくて賞無し」の構造を放置せず、「罰(必罰)」を明確に設定することで、組織全体の行動を(命令が行き渡るより早く)変えることができます 。
この章句が説くこと
インセンティブ必罰行動経済学動機付け規律
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