韓非子 / 定法第四十三
以一國耳聽,故聽莫聰焉。今知而弗言,則人主尚安假借矣?
新字:以一国耳聴,故聴莫聰焉。今知而弗言,則人主尚安仮借矣?
書き下し
今知りて言わずんば、則ち人主尚ほ安にか假借せん。
現代語訳
今、知っていて言わないのであれば、君主はどこから情報を得て頼りとすればよいのか。
解説
国じゅうの人の耳をすべて自分の耳として使ってこそ、物事をよく聞き分けることができる。もし何かに気づいていながら、自分の担当ではないからと黙って知らせないのであれば、上に立つ者は一体どこから頼りになる情報を得ればよいのか、と韓非は問います。これは、自分の持ち場のことだけを見て他の持ち場の問題には口を出さないという考え方の落とし穴を突いたものです。会社でも自治会でも、担当が違うからと気づいた問題を見て見ぬふりする空気が広がれば、まとめ役の耳には都合の良い話しか届かなくなり、いざというときに正しい判断ができなくなります。気づいたことを担当の垣根を越えて伝え合える雰囲気こそが、集まり全体を守るのです。
この章句が説くこと
セクショナリズム報告義務情報の分断組織の風通しサイロ化
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