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韓非子 / 備內第十七

夫以妻之近與子之親而猶不可信,則其餘無可信者矣。

新字:夫以妻之近与子之親而猶不可信,則其余無可信者矣。

書き下し

夫れ妻の近きと子の親しきを以てして、而も猶ほ信ず可からざれば、則ち其の餘は信ず可き者無し。

現代語訳

(利害が対立すれば)最も身近な妻や、最も親しい子でさえ信じられないことがある。とすれば、それ以外(の臣下)で信じられる者などいるはずがない。

解説

最も身近な妻や、最も慕わしい我が子でさえ、利害がぶつかれば信じきれないことがある。それならば、それ以外の人で本当に信じ切れる者などいるはずがない、と韓非は突き放すように言います。厳しい見方ですが、財産の分け方や跡継ぎの座など、大きな損得が絡めば、家族の間でさえ争いが起こることは、昔も今も珍しくありません。まして血のつながりのない部下や取引先が、組織の利益より自分の暮らしを優先することは、責められるようなことではなく、むしろ自然なことです。人を導く立場にある人は、「みんな自分に尽くしてくれるはずだ」という甘い思い込みだけで物事を進めず、誰にとってどんな得があるのかを見据えて仕組みを整えることが、後々の裏切りや揉め事を防ぐ備えになります。

この章句が説くこと

性悪説利益相反性善説組織と個人利害

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