韓非子 / 解老第二十
以成其功也。人有福,則富貴至;富貴至,則衣食美;衣食美,則驕心生;驕心生,則行邪僻而動弃理。
書き下し
人福有れば...驕心生じ、驕心生ずれば則ち行い邪僻にして動くこと理を棄つ。...禍の本は福有るに生ず。
現代語訳
人は成功(福)を手にすると...傲慢な心(驕心)が生まれる。傲慢な心が生まれると、行動がよこしまになり、合理的な判断(理)を捨てるようになる。...災い(禍)の原因は、成功(福)の中にあるのだ。
解説
人は成功を手にして豊かになると、身なりや暮らしぶりが良くなり、そこから思わず知らずのうちに驕った心が生まれ、驕った心があると行いがよこしまになり、道理をないがしろにするようになる、と原文は続けます。そして「災いのもとは、実は成功の中にこそある」と結びます。うまくいっているときほど気が緩み、周りの助言に耳を貸さなくなるのは、仕事の場面に限らず、子育てや趣味の集まり、地域の活動でもよく見られることです。うまくいった年ほど気持ちを引き締め、驕りが顔を出していないかを自分に問い直す習慣を持つことが、次の失敗を防ぐ何よりの備えになります。成功を喜ぶこと自体は悪くありませんが、それに酔いしれないことが肝心です。
この章句が説くこと
成功の罠傲慢(Hubris)現状維持バイアスイノベーションのジレンマアンラーニング
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