韓非子 / 三守第十六
然則人主無威而重在左右矣。惡自治之勞憚,使羣臣輻湊之變,因傳柄移藉,使殺生之機、奪予之要在大臣,如是者侵。
新字:然則人主無威而重在左右矣。悪自治之労憚,使羣臣輻湊之変,因伝柄移藉,使殺生之機、奪予之要在大臣,如是者侵。
書き下し
自ら治むるの勞憚を悪みて、...因て柄を傳え藉を移し、殺生の機、奪予の要をして大臣に在らしむ。
現代語訳
自ら国を治める労働や労苦を嫌がり、その結果権力を移し与え、生殺与奪の権限を大臣に握らせてしまう。
解説
自ら国を治める骨折りや苦労を嫌がり、その結果として権力を人に譲り渡してしまい、生かすも殺すも、与えるも奪うも、その大事な権限を大臣任せにしてしまう。そうなれば、人の上に立つ者の力は次第に脅かされていく、と韓非は言います。これは「任せる」ことと「丸投げする」ことの違いを教えてくれます。仕事を人に振り分けて働いてもらうこと自体は悪いことではありません。しかし、最終的な評価や賞罰の権限まで手放し、実務の見届けを面倒がって特定の幹部に丸ごと預けてしまうと、その人物は次第に自分の思い通りになる小さな王国を築き上げ、本来の責任者の言うことを誰も聞かなくなってしまいます。家庭で子育てをすべて一人の祖父母任せにする場合も、似た危うさをはらんでいます。
この章句が説くこと
権限移譲丸投げマイクロマネジメントvsマクロマネジメント最終責任ガバナンス