韓非子 / 內儲說上七術第三十
子之相燕,坐而佯言曰:「走出門者何,白馬也?」左右皆言不見。有一人走追之,報曰:「有。」子之以此知左右之不誠信。有相與訟者,子産離之而無使得通辭,倒其言以告而知之。
新字:子之相燕,坐而佯言曰:「走出門者何,白馬也?」左右皆言不見。有一人走追之,報曰:「有。」子之以此知左右之不誠信。有相与訟者,子産離之而無使得通辞,倒其言以告而知之。
書き下し
子之燕に相たり。坐して佯りて言いて曰く、「走りて門を出づる者は何れの白馬ぞや。」左右皆な見ずと言う。一人有り走りて之を追い、報じて曰く、「有り。」子之此を以て左右の誠信か不かを知れり。
現代語訳
燕の宰相であった子之が、わざと「今、門から走り出たのは白馬か」と(嘘の)独り言を言った。側近の多くは「何も見えませんでした」と(正直に)答えたが、一人だけが外に走り出て追いかけるフリをし、「はい、確かに白馬でした」と(嘘の)報告をした。子之はこれによって、側近たちの誠実さ(誠信か不か)を見抜いた。
解説
「倒言(あべこべな言葉)」 は、リーダーがわざと「嘘(白馬)」を言うことで、部下が「イエスマン(『有り』と報告した者)」なのか、それとも「正直者(『見ず』と答えた者)」なのかを試すリトマス試験紙です。組織にイエスマンが蔓延していると、リーダーが間違った(白馬)発言をしても、誰も訂正しなくなります 。
この章句が説くこと
倒言イエスマン心理的安全性誠実さ忖度リトマス試験
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