韓非子 / 說林上二十二
有妾二人,其惡者貴,美者賤。楊子問其故。逆旅之父荅曰:「美者自美,吾不知其美也;惡者自惡,吾不知其惡也。
新字:有妾二人,其悪者貴,美者賤。楊子問其故。逆旅之父荅曰:「美者自美,吾不知其美也;悪者自悪,吾不知其悪也。
書き下し
美しき者は自ら美しとすれば、吾其の美しきを知らざるなり。悪き者は自ら悪しとすれば、吾其の悪きを知らざるなり。
現代語訳
(宿の主人が言う)「美しい妾は、自分で自分の美しさを鼻にかけているので、私にはその美しさが(美点として)感じられない。醜い妾は、自分で自分の醜さを自覚して謙虚に振る舞うので、私にはその醜さが(欠点として)感じられない。」
解説
ある宿屋の主人に二人の側女がいて、器量の良い方は冷遇され、器量の劣る方が大切にされていました。楊子が理由を尋ねると、主人はこう答えます。「器量の良い方は自分の美しさを鼻にかけているので、私にはその美しさが見えなくなってしまう。器量の劣る方は自分の至らなさを自覚してつつましく振る舞うので、私にはその至らなさが気にならなくなるのだ」と。才能や見た目に恵まれていても、それを鼻にかけて威張れば、周りの人はかえって良さを認めなくなります。逆に足りないところがあっても、それを自覚してつつましく振る舞えば、その姿勢自体が評価され、弱さを補って余りある信頼を得られるのです。
この章句が説くこと
謙虚さ傲慢自己認識(メタ認知)ダニング=クルーガー効果強みと弱み
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