韓非子 / 八經第四十八
知臣主之異利者王,以爲同者劫,與共事者殺。
新字:知臣主之異利者王,以為同者劫,与共事者殺。
書き下し
臣主の異利を知る者は王たり、以て同じと爲す者は劫かされ、與に事を共にする者は殺さる。
現代語訳
臣下と君主の利益が異なることを知る者は王者となり、両者の利益を同じだと思う者は臣下に脅かされ、臣下と権力を共有する者は殺される。
解説
八経篇の第三「起乱」の冒頭で、君主と臣下の利害は本来一致しないという韓非の根本命題を三段階で示した句です。利益が違うと分かっている君主は警戒を怠らず王者となり、同じだと信じ込む君主は臣下に脅かされ、権力まで分け与える君主は命を落とす、という厳しい見立てです。孤憤篇や備内篇でも、臣下は自分の利益のために君主を利用すると繰り返されます。今の組織に置き換えれば、経営者と社員、発注者と受注者の利害が完全に重なることはまれで、その違いを前提に仕組みを設計するほうが、善意を信じ込むより長続きするという教えになります。
この章句が説くこと
利害利益相反エージェンシー問題君臣インセンティブ設計権限
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