韓非子 / 外儲説右上第三十四
夫國亦有狗,有道之士懷其術而欲以明萬乘之主,大臣爲猛狗迎而齕之,此人主之所以蔽脅,而有道之士所以不用也。
新字:夫国亦有狗,有道之士懐其術而欲以明万乗之主,大臣為猛狗迎而齕之,此人主之所以蔽脅,而有道之士所以不用也。
書き下し
夫れ国にも亦た狗有り。有道の士、其の術を懐きて以て万乗の主に明らかにせんと欲するも、大臣猛狗と為りて迎えて之を齕む。此れ人主の蔽脅せらるる所以にして、有道の士の用いられざる所以なり。
現代語訳
国にもまた猛犬がいる。道を身につけた士が、その術を抱いて大国の君主に説き明かそうとしても、大臣が猛犬となって迎え撃ち噛みつく。これが君主の目と耳が塞がれる理由であり、有能な士が用いられない理由である。
解説
前の酒屋の話を受けた結論である。うまい酒を作り、値も正しく、応対も丁寧なのに売れない。原因は店先の犬だった。国も同じで、君主が有能な人を求めていても、門番役の大臣が噛みつくので誰も辿り着けない。要点は、君主に悪意がないことだ。むしろ人材を求めている。それでも届かない。組織の採用や提案の経路にそのまま当てはまる。経営者が新しい提案を歓迎していても、途中の階層で潰されれば、経営者には何も届かない。しかも経営者からは、提案が来ないという事実しか見えない。だから原因を「うちには人材がいない」と誤読する。届かないのは、無いからではなく、噛まれているからかもしれない。犬は門の内側にいる。
この章句が説くこと
猛狗組織の風通しボトルネック経路情報伝達遮断
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