韓非子 / 定法第四十三
今有法曰:『斬首者令爲醫、匠。』則屋不成而病不已。夫匠者手巧也,而醫者齊藥也,而以斬首之功爲之,則不當其能。今治官者,智能也;今斬首者,勇力之所加也。
新字:今有法曰:『斬首者令為医、匠。』則屋不成而病不已。夫匠者手巧也,而医者斉薬也,而以斬首之功為之,則不当其能。今治官者,智能也;今斬首者,勇力之所加也。
書き下し
今官を治むるは智能なり、今首を斬るは勇力の加うる所なり。勇力の加うる所を以てして、智能の官を治むるは、是れ首を斬るの功を以て醫匠と為すなり。
現代語訳
官職を治めるのには知恵が必要だが、首を斬るのは勇気と腕力による。武功のあった者を政務の官職に就かせるのは、首を斬る手柄があったからといって医者や大工にするのと同じである。
解説
もし『敵の首を取った者は医者や大工にせよ』という決まりを作ったなら、家はまともに建たず、病人の病も治らないだろう。役所の仕事を治めるには知恵が要り、敵の首を取るには勇気と腕力が要る。手柄と、その先に任される仕事に必要な力が違うのに、手柄だけを理由に人を任命すれば、うまくいくはずがないと韓非は説きます。営業の成績が一番良かった人を、そのまま人をまとめ育てる役目に就けても、本人にその向き不向きが合わなければ、優れた営業の担い手を失ったうえに、まとめ役としても苦労するということになりがちです。功績を認めることと、次にどんな役目を任せるかは、分けて考える必要があるのです。
この章句が説くこと
ピーターの原理適材適所昇進基準スキルセットインセンティブ設計ミスマッチ
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