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韓非子 / 難三第三十八

姦必待耳目之所及而後知之,則鄭國之得姦者寡矣。不任典成之吏,不察參伍之政,不明度量,恃盡聰明勞智慮而以知姦,不亦無術乎?且夫物衆而智寡,寡不勝衆,智不足以徧知物,故因物以治物。下衆而上寡,寡不勝衆者,言君不足以徧知臣也,故因人以知人。是以形體不勞而事治,智慮不用而姦得。故宋人語曰:「一雀過羿,羿必得之,則羿誣矣。以天下爲之羅,則雀不失矣。

新字:姦必待耳目之所及而後知之,則鄭国之得姦者寡矣。不任典成之吏,不察参伍之政,不明度量,恃尽聰明労智慮而以知姦,不亦無術乎?且夫物衆而智寡,寡不勝衆,智不足以徧知物,故因物以治物。下衆而上寡,寡不勝衆者,言君不足以徧知臣也,故因人以知人。是以形体不労而事治,智慮不用而姦得。故宋人語曰:「一雀過羿,羿必得之,則羿誣矣。以天下為之羅,則雀不失矣。

書き下し

姦必ず耳目の及ぶ所を待ちて而る後之を知らば、則ち鄭國の姦を得る者寡からん。... 故に宋人語りて曰く、『天下を以て之が羅と為せば、則ち雀は失われず。』

現代語訳

不正が必ず耳目に触れるのを待ってから知るようであれば、鄭の国で不正を発見できる者は少ないだろう。ゆえに宋の人は『天下を網とすれば、雀を逃すことはない』と言った。

解説

下にいる人の数は多く、上にいる人の数は少ない。少数が多数に目を行き届かせられないなら、主君だけの力で臣下のすべてを見抜くことはできず、だからこそ人の力を借りて人を知る仕組みが要る、と韓非は説きます。名手の羿がどんな雀も射抜けるからといって、彼一人に頼っていては見逃しが出てしまう。しかし天下を網にしてしまえば、雀を逃すことはないという喩えのとおりです。一人のずば抜けた勘や才覚に頼って不正や問題を見つけようとするやり方は、その人がいなくなれば途端に働かなくなります。町内の見守りでも会社の点検でも、特定の目利きな人一人に頼るのではなく、誰が担当しても自然と気づける仕組みを整えることこそ、長く続く確かな備えになるのです。

この章句が説くこと

仕組み化属人化の排除スケーラビリティリスク管理内部統制

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