韓非子 / 八經第四十八
下君盡己之能、中君盡人之力、上君盡人之智。
新字:下君尽己之能、中君尽人之力、上君尽人之智。
書き下し
下君は己の能を盡くし、中君は人の力を盡くし、上君は人の智を盡くす。
現代語訳
下等な君主は自分の能力を使い切り、中等の君主は他人の力(労働力)を使い切り、上等の君主は他人の知恵を最大限に引き出して使う。
解説
リーダーシップのレベル定義。自分がプレイングマネージャーとして一番働くのは「下君」。部下に指示して物理的に動かす(力を盡くす)のは「中君」。部下や組織の知恵を引き出し(智を盡くす)、集団として最大の成果を出すのが「上君」。リーダーの役割は、自ら作業することではなく、組織の知性を最大化することにある。
この章句が説くこと
リーダーシップデリゲーション(権限移譲)エンパワーメントプレイングマネージャー組織力
関連する章句
-
論語・顔淵篇子曰く、『君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す。』
-
老子・第29章将に天下を取りて之を為さんと欲するも、吾れ其の已むを得ざるを見る。天下は神器なり、為すべからざるなり、執るべからざるなり。為す者は之を敗り、執る者は之を失う。故に物は或いは行き或いは随い、或いは歔き或いは吹き、或いは強く或いは羸く、或いは挫け或いは隳る。是を以て聖人は甚を去り、奢を去り、泰を去る。
-
『韓非子』難二第三十七凡そ五覇の能く功名を天下に成す所以の者は、必ず君臣俱に力有り。故に曰く、『叔向。師曠の對えは皆な偏辭なり。』
-
論語・泰伯篇子曰わく、其の位に在らざれば、其の政を謀らず。
-
論語・述而篇子曰わく、憤せざれば啓せず、悱せざれば発せず。一隅を挙げて三隅を以て反さざれば、則ち復せず。
-
『韓非子』初見秦第一夫の一人の奮死は以て十に對る可く、十は以て百に對る可く、百は以て千に對る可く、千は以て萬に對る可く、萬は以て天下に剋つ可し。