韓非子 / 孤憤第十一
夫以䟽遠與近愛信爭,其數不勝也;以新旅與習故爭,其數不勝也;以反主意與同好惡爭,其數不勝也;以輕賤與貴重爭,其數不勝也;以一口與一國爭,其數不勝也。
新字:夫以䟽遠与近愛信争,其数不勝也;以新旅与習故争,其数不勝也;以反主意与同好悪争,其数不勝也;以軽賤与貴重争,其数不勝也;以一口与一国争,其数不勝也。
書き下し
疏遠を以て信愛と爭えば、其の數、勝たざるなり。…一口を以て一國と爭えば、其の數、勝たざるなり。
現代語訳
疎遠な者が君主のお気に入りと争えば、道理として勝てない。一人の口で国中と争えば、道理として勝てない。
解説
疎遠な立場の者が、君主に気に入られている者と争っても道理として勝てず、地位の低い者が高い地位の者と争っても勝てず、たった一人の言葉で国じゅうの声と争っても勝てない、という話です。正しいことを言っている人が、なぜか相手にされず追いやられてしまう理由を、韓非は冷静に並べています。新参者と古くからの側近、外から来た人と生え抜きの人、耳の痛い忠告しか言えない人と調子の良いことばかり言う人、地位の低い人と高い人、たった一人の意見と大勢の声、これらが争えば、たとえ言っていることが正しくても、立場の弱い側が負けてしまうのが世の常です。会社でも家庭でも、正論だけでは通らないことがあります。改革や忠告を本気で届けたいなら、正しさだけでなく、こうした力の関係そのものをよく見極める必要があるという教えです。
この章句が説くこと
政治力学構造的不利改革の難しさ新参者既得権益
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