韓非子 / 和氏第十三
王聞之,使人問其故,曰:「天下之刖者多矣,子奚哭之悲也?」和曰:「吾非悲刖也,悲夫寶玉而題之以石,貞士而名之以誑,此吾所以悲也。」王乃使玉人理其璞而得寶焉,遂命曰「和氏之璧」。夫珠玉,人主之所急也。和雖獻璞而未美,未爲主之害也,然猶兩足斬而寶乃論,論寶若此其難也。
新字:王聞之,使人問其故,曰:「天下之刖者多矣,子奚哭之悲也?」和曰:「吾非悲刖也,悲夫宝玉而題之以石,貞士而名之以誑,此吾所以悲也。」王乃使玉人理其璞而得宝焉,遂命曰「和氏之璧」。夫珠玉,人主之所急也。和雖献璞而未美,未為主之害也,然猶両足斬而宝乃論,論宝若此其難也。
書き下し
寶を論ずること此の若く其れ難きなり。
現代語訳
(この和氏の璧の逸話のように)本物の価値を見抜くことは、これほどまでに難しいものである。
解説
卞和という人が、磨けば都一番の宝玉になる原石を王に献上したのに、目利きの役人は「ただの石だ」と決めつけ、卞和は嘘つきの罪で両足を切られてしまいました。それでも彼が悲しんだのは自分の足ではなく、本物の値打ちが石ころ扱いされたことでした。後に磨かせてみると、本当に見事な宝玉だったのです。人の上に立つ人ほど、見た目が粗削りで扱いにくい人や、常識外れに見える思いつきの中にある本物の値打ちを見落としがちです。子供の突飛な発想、新人の生意気な意見、近所づきあいの中で誤解されている人の本心なども同じです。表面だけで「石」と切り捨てず、磨けばどう光るかを想像して見る目を持ちたいものです。
この章句が説くこと
価値評価意思決定バイアス原石鑑定眼
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