韓非子 / 守道第二十六
立法,非所以備曾、史也,所以使庸主能止盜跖也;爲符,非所以豫尾生也,所以使衆人不相謾也。
新字:立法,非所以備曽、史也,所以使庸主能止盗跖也;為符,非所以予尾生也,所以使衆人不相謾也。
書き下し
法を立つるは・史に備うる所以に非ざるなり、庸主をして能く盗跖を止めしむる所以なり。
現代語訳
ルール(法)を定めるのは、(もともと清廉な)曾参や史魚(・史)のためにあるのではない。平凡な君主(庸主)でも、(極悪人の)盗跖の不正を止めることができるようにするためである。
解説
決まりを作るのは、もともと心の清らかな立派な人のためではありません。ごく普通の、特別優れているわけでもない人がまとめ役になったときでも、その中に紛れ込む悪知恵の働く困った人の振る舞いを止められるようにするために作るのです。約束の証となる割符を作るのも、もとから信義に厚い人のためではなく、大勢の人が互いにだまし合わないようにするために作るのです。これは会社の規則にも、家族や近所の申し合わせにも言えることです。もともと真面目な人ばかりなら決まりなど要りません。決まりが必要なのは、平凡なまとめ役であっても、中にいるずるい人の振る舞いをきちんと止められるようにするためです。決まりとは、特別な人のためではなく、普通の私たちが安心して暮らすための支えなのです。
この章句が説くこと
ルール内部統制凡人仕組み化性悪説エンパワーメント
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