韓非子 / 揚權第八
使雞司夜,令狸執鼠,皆用其能,上乃無事。上有所長,事乃不方。矜而好能,下之所欺;
書き下し
上長ずる所有れば、事乃ち方ならず。矜にして能を好めば、下の欺く所となる。
現代語訳
君主に得意な技能があると、万事は正しく治まらない。君主が自らの才能を誇って好めば、臣下に欺かれる原因となる。
解説
上に立つ者が「自分はこれが得意だ」という技を持っていると、かえって物事が正しく治まらなくなり、その得意なことを誇って好めば、下の者に見抜かれ、いいように操られる原因になると韓非子は戒めます。上司が特定の分野に強いことを見せつけると、部下はその分野に関する話ばかりを持ち上げ、都合の悪い情報を隠したり、上司の得意分野に合わせた報告ばかりをするようになりがちです。親が「勉強なら任せろ」と誇れば、子供は親の得意な話題だけを選んで見せ、本当に困っていることを言わなくなるかもしれません。人の上に立つ者は、自分の得意を誇示するよりも、謙虚に構えることで、周りからありのままの様子を得られるようになるのです。
この章句が説くこと
謙虚さ部下の主体性忖度専門性の尊重
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