韓非子 / 外儲說左下第三十三
車遂刖其足。趙成侯以爲不慈,奪之璽而免之令。管仲束縛,自魯之齊,道而饑渴,過綺烏封人而乞食。烏封人跪而食之,甚敬。
新字:車遂刖其足。趙成侯以為不慈,奪之璽而免之令。管仲束縛,自魯之斉,道而饑渴,過綺烏封人而乞食。烏封人跪而食之,甚敬。
書き下し
管仲束縛せられ、魯自り齊に之く。道にて飢渇す、綺鳥の封人に過りて食を乞う。...封人之を怨む。
現代語訳
管仲は捕らえられて魯から斉へ送られる途中、道中で飢えと渇きに苦しみ、国境の役人に食事を求めた。役人は管仲を怨んだ。
解説
恩を売るタイミングとその方法の重要性です。管仲は最も困っている時(飢渇)に役人から助け(食)を受けました。この時、役人は「見返り」を期待しました。しかし管仲は「(個人的な恩返しではなく)賢才を用いる(=公明正大な政治)」と公的な正論を述べたため、役人は「(自分への)恩返しが期待できない」と失望し、怨みました。リーダーは「公的な正義」と「個人的な恩義(貸し借り)」を使い分ける必要があります。
この章句が説くこと
恩と怨み貸しと借り正論と人情ギブアンドテイクインセンティブ
関連する章句
-
『韓非子』說林下二十三漁者は鱧を持ち、婦人は蠶を拾う。利の在る所、皆な孟賁・諸と為る。
-
『韓非子』備內第十七醫善く人の瘍を吮い、人の血を含むは、骨肉の親に非ざるなり。利の加わる所なり。
-
老子・第12章五色は人の目をして盲ならしめ、五音は人の耳をして聾ならしめ、五味は人の口をして爽なわしむ。馳騁畋猟は人の心をして発狂せしめ、得難きの貨は人の行いをして妨げしむ。是を以て聖人は腹を為して目を為さず。故に彼を去りて此を取る。
-
『韓非子』姦劫弒臣第十四此の若き臣は、重誅を畏れず、重賞を利とせず、罰を以て禁ず可からず、賞を以て使う可からざるなり。此を之れ無益の臣と謂うなり。
-
『韓非子』說難第十二説く所は名高を為すに出づる者なるに、而も之に説くに厚利を以てせば...(中略)...説く所は厚利に出づる者なるに、而も之に説くに名高を以てせば...
-
『韓非子』內儲說上七術第三十魯人積澤を焼く。天北風し、火南に倚り、國を焼かんことを恐る。...仲尼曰く、「夫れ獣を逐う者は楽しみて罰無く、火を救う者は苦みて賞無し。此れ火の救わるる無き所以なり。」...乃ち令を下して曰く、「火を救わざる者は、降北の罪に比し、獣を逐う者は、禁に入るの罪に比せん。」...令下りて未だ遍からざるに、火は巳に救わる。