韓非子 / 備內第十七
人主之患在於信人。信人則制於人。
書き下し
人主の患は人を信ずるに在り。人を信ずれば則ち人に制せらる。
現代語訳
君主の禍いは、人を信じることにある。人を信じれば、人に制約されることになる。
解説
人の上に立つ者の悩みの種は、人を信じすぎることにある。人を無条件に信じてしまえば、その人に思うがままに動かされることになる、と韓非は言います。部下や周りの人を信頼すること自体は大切ですが、それと、情報や権限を確かめもせずに丸ごと預けてしまうこととは、まったく別の話です。信じ切ってしまうと、都合の悪い情報を隠されたり、任せた権限を私利のために使われたりしても、本人はなかなか気づけません。これは職場の上司と部下の関係だけでなく、家庭で子供や配偶者に家計や大事な用事を丸ごと任せきりにする場合にも通じます。人を信頼しながらも、時には自分の目で確かめ、要所要所は手放さずにいることが、後で足元をすくわれないための知恵だと教えてくれます。
この章句が説くこと
権限委譲性悪説丸投げ内部統制チェック機能
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