韓非子 / 解老第二十
禍莫大於不知足。
書き下し
禍は足るを知らざるより大なるは莫し。
現代語訳
災い(禍)は、満足することを知らないこと(足るを知らざる)より大きなものはない。
解説
災いの中で、満ち足りることを知らない心より大きなものはない、というごく短い言葉です。もっと欲しい、まだ足りないという気持ちに際限なく引きずられていくと、やがて手に入れたものすら失いかねない大きな災いを招く、という戒めです。これは商売の売り上げや規模の拡大を際限なく追い求める場合に限らず、もっと良い暮らしを、もっと立派な家を、もっと人に褒められたい、という日々の欲にも当てはまります。今あるものに目を向けず、足りないものばかり数えていると、心はいつまでも満たされず、無理を重ねて大切なものを損なってしまいます。今すでに手にしているものへ感謝の目を向け、足るを知る姿勢を持つことが、災いを遠ざける確かな知恵です。
この章句が説くこと
満足を知る持続可能性コンプライアンス強欲短期的な利益vs長期的な価値
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『韓非子』老第二十一故に曰く、「罪は欲す可きより大なるは莫し」と。智伯は范・中行を兼ねて趙を攻めて已まず、韓・魏之に反し、軍晉陽に敗れ、身は高梁の東に死し、遂に卒(つい)に分かたれ、其の首に漆して以て溲器(しゅうき)と爲さる。故に曰く、「禍は足るを知らざるより大なるは莫し」と。虞君は屈産の乘と垂棘の璧とを欲し、宫之奇に聽かず、故に邦亡び身死せり。故に曰く、「咎は得んと欲するより憯(いた)ましきは莫し」と。
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説苑・善說齊の宣王社山に出獵す。社山の父老十三人相與に王を勞う。王曰く、「父老苦しめり。」左右に謂いて父老に田租を賜わずして、父老皆拜す。閭丘先生拜せず。王曰く、「父老以て少しと爲すか。」左右に謂いて復た父老に徭役無きを賜う。父老皆拜す。閭丘先生又た拜せず。王曰く、「拜する者は去れ、拜せざる者は前め。」曰く、「寡人今父老の幸いにして之を勞うるを觀て、故に父老に田租無きを賜い、父老皆拜す。先生獨り拜せず。寡人自ら少しと爲すを以て、故に父老に徭役無きを賜い、父老皆拜す。先生又た獨り拜せず。寡人過ち有ること無きを得んか。」閭丘先生對えて曰く、「惟だ大王の來遊すと聞き、大王を勞う所以なり。大王に壽を得んことを望み、大王に富を得んことを望み、大王に貴を得んことを望むなり。」王曰く、「天の殺生時有り、寡人の與り得る所に非ず、以て先生を壽せしむる無し。倉廩實つと雖も、以て災害に備う、以て先生を富ましむる無し。大官缺くる無く、小官卑賤なり、以て先生を貴くする無し。」閭丘先生對えて曰く、「此れ人臣の敢えて望む所に非ざるなり。願わくは大王良富の家の子、修行有る者を選びて以て吏と爲し、其の法度を平らかにせよ。此くの如くんば臣少しく以て壽を得べし。春秋冬夏、之を振うに時を以てし、百姓を煩擾する無かれ。是くの如くんば臣少しく以て富を得べし。願わくは大王令を出だし、少き者をして長を敬わしめ、長ずる者をして老を敬わしめよ。是くの如くんば臣少しく以て貴を得べし。今大王幸いに臣に田租無きを賜えば、然らば則ち倉廩將に虛しからんとす。臣に徭役無きを賜えば、然らば則ち官府使う無からん。此れ固より人臣の敢えて望む所に非ざるなり。」齊王曰く、「善し。願わくは先生を請いて相と爲さん。」
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論語・泰伯篇曾子曰く、「士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。仁以て己が任と為す、亦重からずや。死して後已む、亦遠からずや」と。
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