韓非子 / 難二第三十七
人事、天功二物者皆入多,非山林澤谷之利也。夫無山林澤谷之利入多,因謂之窕貨者,無術之言也。
新字:人事、天功二物者皆入多,非山林沢谷之利也。夫無山林沢谷之利入多,因謂之窕貨者,無術之言也。
書き下し
山林澤谷の利無くして入ること多き者は、之を窕貨と謂う。... 術無きの言なり。
現代語訳
『山林や川谷の利益がないのに収入が多いのは、不正な財貨である』と言った。それは、術を持たない者の言葉である。
解説
山や林、川や谷といった目に見える利権もないのに収入が多いのは怪しいと決めつけた者に対し、韓非はそれを『人を治める心得のない者の言葉』だと断じます。人の働きと天の恵みという二つの力が重なれば、目立った利権がなくても実入りが増えることは十分あり得るからです。数字や成果だけを見て、その裏にある事情を確かめもせずに『何か不正をしているに違いない』と決めつけるのは、上に立つ者としての目の粗さを表しています。たとえば急に成績を伸ばした子どもや、急に売り上げを伸ばした店を見て、根拠もなく『何かずるをしたのでは』と疑ってしまえば、真面目な努力を踏みにじることになります。突出した結果には必ず理由があり、それを丁寧に確かめてから褒めるか正すかを判断する姿勢が求められます。
この章句が説くこと
結果主義プロセス評価データ分析マネジメント決めつけ
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