韓非子 / 亡徵第十五
耕戰之士困、末作之民利者、可亡也。
新字:耕戦之士困、末作之民利者、可亡也。
書き下し
耕戰の士困しみ、末作の民利する者は、亡ぶ可きなり。
現代語訳
本業(農耕や戦闘)に従事する者が困窮し、商業などの副業に従事する者が利益を得る者は、滅亡する可能性がある。
解説
田畑を耕し戦って国を支える者が困窮し、それとは別の商いなど余業に励む者ばかりが利益を得てしまう。そのような有様の国は滅びると韓非は述べています。今の暮らしに置き換えれば、実際に汗を流して物を作ったり、人に尽くす仕事をしたりしている人が正当に報われず、口先だけの立ち回りや、その場しのぎの小手先の稼ぎ方をする人ばかりが得をする状態です。会社であれば現場の仕事、家庭であれば家事や子育て、地域であれば日々の世話役の仕事がこれにあたります。本当に骨を折っている人が損をし、うまく立ち回るだけの人が得をすると分かれば、まじめに働く人ほど心が離れていきます。誰が本当に土台を支えているかを見極め、そこに報いることが、集まりを長続きさせる基本です。
この章句が説くこと
現場軽視本業成果主義インセンティブ士気
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