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韓非子 / 外儲説右下第三十五

一。賞罰共則禁令不行。何以明之?明之以造父、於期。

書き下し

一。賞罰共にすれば則ち禁令行はれず。何を以て之を明らかにする。之を明らかにするに造父・於期を以てす。

現代語訳

その一。賞罰の権を(君主と臣下が)共有すれば、禁令は行われない。何によってそれを明らかにするか。名御者の造父と王子於期の話によって明らかにする。

解説

外儲説右下篇の冒頭、最初の經です。この篇の五つの經の第一は、賞罰の権を君主と臣下が分け持てば禁令が行われない、という原則です。その裏づけとして、名御者の造父と王子於期が、突然飛び出した豚や水飲み場に馬を乱された話が挙げられ、続く經では宋の子罕と斉の田恒(田常)がそれぞれ出彘と圃池の役を演じて君主を弑したと述べられます。賞と罰の一方でも臣下に委ねれば、民の心はそちらに流れるという主張で、二柄篇の「刑徳の二柄を失えば君主は危うい」という議論と重なります。組織でいえば、評価や処分の権限を実質的に誰が持っているかが、人がどちらを向いて働くかを決めるということです。

この章句が説くこと

権限委譲賞罰指揮命令系統二柄ワンマン・ワンボス禁令

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