韓非子 / 揚權第八
聽言之道,溶若甚醉。脣乎齒乎,吾不爲始乎;齒乎脣乎,愈惽惽乎。彼自離之,吾因以知之;
新字:聴言之道,溶若甚酔。脣乎歯乎,吾不為始乎;歯乎脣乎,愈惽惽乎。彼自離之,吾因以知之;
書き下し
凡そ聴の道は、溶として甚だ酔うが若し。...彼自ら之を離し、吾、因りて以て之を知る。
現代語訳
人の話を聞く方法は、まるでひどく酔っぱらったかのように(我を忘れて)聞くことだ。...相手は自ら(その言うところを)分析し始め、私はそれによって実情を知ることができる。
解説
人の話を聞くときの心構えについて韓非子は、まるでひどく酒に酔ったかのように、我を忘れて自分の判断を差し挟まずに聞くのがよいと説きます。原文には、口を挟まずただ聞いていると、相手は自分から話の筋道を整理し始め、聞き手はそれによって物事の本当のところを知ることができるとあります。話の途中で「それは違う」「こうすべきだ」と口を挟んでしまうと、相手は身構えてしまい、本音を語らなくなります。夫婦の会話でも、友人の相談ごとでも、途中で意見せずに最後まで耳を傾けるだけで、相手は自分の考えを整理し、思いがけない本音を語り出すものです。人の話をよく聞く力は、上に立つ人にとって欠かせない構えなのです。
この章句が説くこと
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