韓非子 / 難言第三
捷敏辯給,繁於文采,則見以爲史;
新字:捷敏弁給,繁於文采,則見以為史;
書き下し
捷敏辯給にして、文采に繁ければ
現代語訳
機転が利き口が立ち、言葉の飾りが過剰であれば(軽薄であると思われる)
解説
「機転が利いて弁が立ち、言葉の飾りが過ぎると、まるで文書を書く役人のような軽薄さだと見なされてしまう」という戒めです。話し方が巧みで、たとえ話や言い回しが豊かであることは本来良いことですが、それが度を越すと、中身のない、口先だけの人だと受け取られてしまいます。特に、実際の行いや積み重ねた実績が伴わないうちに言葉ばかりが上手だと、かえって軽んじられる原因になります。友人との会話でも、家族への説明でも、飾り立てた言い方より、たどたどしくても誠実な言葉のほうが心に届くことは少なくありません。言葉の巧みさは、行いの裏付けがあってこそ生きるのです。
この章句が説くこと
スキル実績口達者実務能力評価
関連する章句
-
論語・子張篇陳子禽、子貢に謂いて曰く、「子は恭を為すなり。仲尼豈に子より賢らんや。」子貢曰く、「君子は一言以て知と為し、一言以て不知と為す。言は慎まざる可からざるなり。夫子の及ぶ可からざるや、猶お天の階して升る可からざるがごときなり。夫子の邦家を得たらば、所謂『之を立つれば斯に立ち、之を道けば斯に行き、之を綏んずれば斯に来たり、之を動かせば斯に和す。其の生くるや栄え、其の死するや哀しむ』。之を如何ぞ其れ及ぶ可けんや。」
-
『韓非子』難勢第四十夫れ良馬固車も、臧獲をして之を御せしむれば則ち人の笑ひと為り、玉良之を御すれば而ち日に千里を取る。車馬異なるに非ざるなり、或いは千里に至り、或いは人の笑ひと為る、則ち巧拙相去ること遠し。
-
『韓非子』六反第四十六故に無術者は用ひられざるに得、不肖者は任ぜられざるに得。言用ひられずして自ら文りて以て辯と為し、身任ぜられずして自ら飾りて以て高しと為す。世主其の辯に眩み、其の高きに濫れて之を尊貢す、是れ視るを須たずして明を定め、対ふるを待たずして辯を定むるなり、喑盲者得られざるなり。明主は其の言を聴けば必ず其の用を責め、其の行を観れば必ず其の功を求む、然らば則ち虚旧の学談ぜられず、矜誣の行飾られず。
-
『長短経』息弁此に由りて之を言えば、夫れ身を立て政に従うには、皆本有り。理乱能否には、皆迹有り。若し其の本行を操りて、事迹を以て之を縄さば、譬えば水の寒き、火の熱きが如く、則ち善悪逃るる所無し。
-
『韓非子』六反第四十六其の言を聴きて其の当を求め、其の身に任じて其の功を責むれば、則ち無術不肖の者窮す。夫れ力士を得んと欲して其の自ら言ふを聴けば、庸人と烏獲と雖も別つべからざるなり。之に授くるに鼎爼を以てすれば、則ち罷健效る。故に官職なる者は、能士の鼎爼なり、之に任ずるに事を以てして愚智分かる。
-
『甲陽軍鑑』品第四十七其様なる侍がかならず利発だてをして、身に自慢の心有て口をきく者也、さやうの人が卅にあまり四十に及ぶ共終に手抦もなき者なり、縦ひよき事一度斗り有るとも仕よき事たるべし、其様成る者は能く人をだます故に、人毎の機にあふてほめらるゝ、其者をみしらずして恩をあたゆるは、国持大将のおはきなるけがなり、
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る