韓非子 / 五蠹第四十九
故明主之國、無書簡之文、以法為教、無先王之語、以吏為師。
新字:故明主之国、無書簡之文、以法為教、無先王之語、以吏為師。
書き下し
故に明主の國には、書簡の文無く、法を以て教えと為し、先王の語無く、吏を以て師と為し。
現代語訳
ゆえに明君の国には、書物の言葉はなく法を教えとし、先王の言葉はなく官吏を師とする。
解説
抽象的な理念(先王の語)やマニュアル(書簡の文)を掲げるより、具体的なルール(法)を定め、それを実践する上司・先輩(吏)の背中を見て学ばせる(師と為す)こと、すなわちOJT(On-the-Job Training)とSOP(Standard Operating Procedures)の徹底こそが、最も効果的な人材育成である。
この章句が説くこと
OJTSOP人材育成マニュアルルール
関連する章句
-
『韓非子』顯學第五十故に孔子曰く、「容を以て人を取らんか、之を子羽に失す、言を以て人を取らんか、之を宰予に失す。」・・・故に明主の吏・宰相は必ず州部より起こり、猛將は必ず卒伍より發る。
-
『韓非子』用人第二十七中主をして法術を守り、拙匠をして規矩尺寸を守らしむれば、則ち萬失わず。
-
『韓非子』制分第五十五過ちを告ぐる者は罪を免れて賞を受け、姦を失(のが)す者は必ず誅せられて連刑せらる。此の如くなれば、則ち姦類發(あば)かる。姦の細をも容れざるは、私告と任坐との然らしむるなり。夫れ法を治むるの至明なる者は、數に任じて人に任ぜず。是を以て術有るの國は、譽を用ひざれば則ち適(あやま)ち毋(な)く、境内必ず治まる、數に任ずればなり。
-
『韓非子』五蠹第四十九故に明主の道は、法を一にして智を求めず、術を固くして信を慕わず。故に法敗れずして、群官姦詐無し。
-
『韓非子』顯學第五十故に術有るの君は、適然の善に随わずして、必然の道を行う。
-
論語・顔淵篇子曰く、『君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す。』