韓非子 / 二柄第七
故曰:「去好去惡,羣臣見素。」羣臣見素,則大君不蔽矣。
新字:故曰:「去好去悪,羣臣見素。」羣臣見素,則大君不蔽矣。
書き下し
好を去り、悪を去れば、群臣、素を見す。
現代語訳
君主が(個人的な)「好き(好)」も「嫌い(悪)」も見せないようにすれば、臣下たちは(迎合する必要がなくなり)ありのままの姿(素)を見せるようになる。
解説
上に立つ者が「好き」も「嫌い」もむやみに顔や態度に出さないようにすれば、家来や周りの人たちは無理に気に入られようと装う必要がなくなり、ありのままの姿を見せるようになると韓非子は説きます。逆に好き嫌いを隠さない人の下では、誰もが顔色をうかがい、本音を隠して振る舞いを取り繕ってしまいます。これは会社の上司と部下だけでなく、親子や先生と生徒の関係でも同じです。先生が特定の生徒ばかりをかわいがれば、他の生徒は先生の機嫌を取ることに気を配るようになり、本当の実力や気持ちを出せなくなります。上に立つ人がなるべく穏やかで一定の態度を保つことは、周りの人が安心して本音や実力を出せる場をつくることにつながるのです。
この章句が説くこと
ポーカーフェイス客観性公平性実態把握情報収集
関連する章句
-
『韓非子』主道第五虚なれば則ち實の情を知り、静なれば則ち動の正を知る。
-
論語・衛霊公篇子曰わく、君子は言を以て人を挙げず、人を以て言を廃せず。
-
『韓非子』詭使第四十五以て私を廃するなり、法令行はれて私道廃る。
-
『韓非子』飭令第五十三功に任ずれば則ち民に言少なく、善に任ずれば則ち民に言多し。法を行ふに曲斷し、五里を以て斷ずる者は王たり、九里を以て斷ずる者は强し、宿治する者は削らる。刑を以て治め、賞を以て戰はしめ、禄を厚くして以て術を用ふ。都の過ちを行(ただ)せば、則ち都に姦市無し。物多く末衆く、農㢮(ゆる)みて姦勝てば、則ち國必ず削らる。
-
『韓非子』八説第四十七治國の是非、術を以て斷ぜずして寵人に決すれば、則ち臣下君を輕んじて寵人を重んず。
-
言志四録・言志晩録 第百六十一条 心を以て簿書と為す凡そ官事を処するには、宜しく先づ心を以て簿書と為して、簿書又之を照らすべし。専ら簿書に任せて以て心と為すこと勿れ。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る