韓非子 / 用人第二十七
以隙穴之臣而事獨立之主,此之謂危殆。釋儀的而妄發,雖中小不巧;釋法制而妄怒,雖殺戮而姦人不恐。
新字:以隙穴之臣而事独立之主,此之謂危殆。釈儀的而妄発,雖中小不巧;釈法制而妄怒,雖殺戮而姦人不恐。
書き下し
儀的を釋てて妄に發すれば、中ると雖も小にして巧みならず。法制を釋てて妄に怒れば、殺戮すと雖も姦人恐れず。
現代語訳
的に当てようとせずむやみに矢を放てば、当たったとしても偶然であり上手とは言えない。法制を捨ててむやみに怒れば、たとえ殺戮を行っても悪人は恐れない。
解説
的をきちんと狙わずにでたらめに矢を放てば、たとえ当たったとしてもそれはまぐれであり、腕が良いとは言えません。同じように、決まりに基づかず、ただその場の感情にまかせて怒り、罰を与えれば、たとえ厳しく罰しても、悪事を働く者は心底から恐れ入ることはありません。なぜなら、罰せられた側は「決まりを破ったから罰せられた」のではなく、「たまたま機嫌を損ねたから罰せられた」としか受け止めないからです。これは親が子供を叱るときにも、上司が部下を叱るときにも当てはまります。同じ過ちなのに、その日の気分次第で叱られたり叱られなかったりすれば、相手は納得できず、次からも同じ過ちを繰り返します。誰から見ても分かる基準に基づいて注意することこそ、本当に人を正す力を持つのです。
この章句が説くこと
感情的なマネジメントパワハラ公平性ルール処罰一貫性
関連する章句
-
『韓非子』安危第二十五安術に七有り、危道に六有り。安術は、一に曰く賞罰は是非に隨ふ、二に曰く禍福は善惡に隨ふ、三に曰く死生は法度に隨ふ、四に曰く賢不肖有りて愛惡無し、五に曰く愚智有りて非譽無し、六に曰く尺寸有りて意度無し、七に曰く信有りて詐無し。危道は、一に曰く繩の内に斵削(たくさく)す、二に曰く法の外に斷割す、三に曰く人の害する所を利とす、四に曰く人の禍とする所を樂しむ、五に曰く人を安んずる所に危くす、六に曰く愛する所親しまず、惡む所䟽(うと)からず。
-
『韓非子』南面第十八三者は、主を惽くらまし法を壊るの資なり。人主、人臣をして、智能有りと雖も、法に背きて専制するを得ず、賢行有りと雖も、功を踰えて先だちて労するを得ず、忠信有りと雖も、法を釈てて禁ぜざるを得ざらしむ。此れを之れ明法と謂う。
-
『韓非子』六反第四十六聖人の治や、法禁を審らかにす。法禁明著なれば則ち官法あり。賞罰を必す。賞罰阿らざれば則ち民用いらる。民用いられ官治まれば則ち國富む。國富めば則ち兵強くして、而して霸王の業成る。
-
『韓非子』詭使第四十五法令は治を為す所以なり。而るに法令に従わず、私善を為す者を、世之を忠と謂う。
-
『韓非子』飾邪第十九故に曰く、「法を明らかにする者は強く、法を慢にする者は弱し。」
-
『韓非子』守道第二十六法分明なれば則ち賢は不肖より奪うを得ず、強は弱を侵すを得ず、衆は寡を暴するを得ず。