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韓非子 / 內儲說上七術第三十

鱣似蛇,蠶似蠋。人見蛇則驚駭,見蠋則毛起。然而婦人拾蠶,漁者握鱣,利之所在,則忘其所惡,皆爲孟賁。

新字:鱣似蛇,蠶似蠋。人見蛇則驚駭,見蠋則毛起。然而婦人拾蠶,漁者握鱣,利之所在,則忘其所悪,皆為孟賁。

書き下し

婦人は蠶を拾い、漁者は鱧を握る。利の在る所は、則ち其の悪む所を忘れて、皆な孟賁と為る。

現代語訳

(芋虫に似て気味の悪い)カイコ(蠶)を婦人が拾い、(蛇に似て危険な)ウナギ(鱧)を漁師が握る。利益(利)のある所では、人は(本来)嫌なこと(悪む所)を忘れ、皆(勇者の)孟賁のようになる。

解説

芋虫にそっくりで気味悪いはずの蚕を、女たちは平気で手に取って集め、蛇に似て恐ろしいはずの鱓(うなぎ)を、漁師は素手でしっかり握ります。人は本来嫌なもの、気味悪いものであっても、そこに利益がはっきり見えていれば、嫌だという気持ちをすっかり忘れて、まるで勇者のように立ち向かっていくものだというのです。人を実際に動かすのは、好き嫌いといった気分ではなく、その先に何が得られるかという見通しです。子どもが嫌いな野菜を、好物と交換なら喜んで食べたり、面倒な草むしりも、お小遣いがもらえると分かれば張り切って手伝ったりするのも同じ理屈です。職場で気が進まない仕事を人に頼む時も、ただ「やってくれ」と言うだけでなく、それをやり遂げた先にどんな見返りや評価があるのかをはっきり示してあげることが、人を動かす一番の近道になります。

この章句が説くこと

インセンティブ信賞動機付け行動経済学利益

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