韓非子 / 主道第五
故曰:君無見其所欲,君見其所欲,臣自將雕琢;君無見其意,君見其意,臣將自表異。
新字:故曰:君無見其所欲,君見其所欲,臣自将雕琢;君無見其意,君見其意,臣将自表異。
書き下し
君は其の欲する所を見す無かれ。君、其の欲する所を見せば、臣将に自ら雕琢せんす。
現代語訳
君主は自分の欲するところ(好み)を見せてはならない。もし君主が好みを見せれば、臣下は(君主の好みに合わせて)上辺を美しく飾ろうとするだろう。
解説
「主君は自分の欲しがっているものを人に見せてはならない。もし見せてしまえば、家来は自らその好みに合わせて、うわべを美しく飾り立てようとする」という戒めです。上に立つ人が『これが好きだ』『こういう報告を喜ぶ』とはっきり示してしまうと、周りの人はその好みに合わせて話を盛ったり、都合の悪いところを隠したりするようになります。会社で上司が特定の数字や意見ばかりを歓迎する態度を見せると、部下はその通りの報告しか上げなくなり、本当に困っていることが埋もれてしまいます。家庭でも、親が特定の答えを喜ぶ様子を見せ続けると、子どもは親の顔色をうかがって本音を隠すようになりがちです。好みを表に出し過ぎないことが、ありのままの報告や本音を引き出す鍵になります。
この章句が説くこと
忖度イエスマン情報隠蔽公平性心理的安全性
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