韓非子 / 主道第五
君は其の欲する所を見す無かれ。君、其の欲する所を見せば、臣将に自ら雕琢せんす。
書き下し
君は其の欲する所を見す無かれ。君、其の欲する所を見せば、臣将に自ら雕琢せんす。
現代語訳
君主は自分の欲するところ(好み)を見せてはならない。もし君主が好みを見せれば、臣下は(君主の好みに合わせて)上辺を美しく飾ろうとするだろう。
解説
リーダーが個人的な好みや偏愛を示すと、部下はリーダーに迎合しようとし、忖度や上辺だけの報告が横行します。組織の真実が見えなくなる危険性を示唆しています。
この章句が説くこと
忖度イエスマン情報隠蔽公平性心理的安全性
関連する章句
-
『韓非子』八姦第九優笑侏儒、左右近習、此れ人主の未だ命ぜずして唯唯、未だ使わずして諾諾、意に先だち旨を承け、貌をて色を察し、以て主の心に先だつ者なり。
-
『韓非子』姦劫弒臣第十四凡そ姦臣は皆な人主の心に順いて、以て信幸の勢いを取らんと欲する者なり。是を以て主善みする所有れば、臣従いて之を譽む。主憎む所有れば、臣因て之を毀る。
-
『韓非子』難言第三言いて世に近く、辭悖逆せず
-
『韓非子』內儲說上七術第三十子之燕に相たり。坐して佯りて言いて曰く、「走りて門を出づる者は何れの白馬ぞや。」左右皆な見ずと言う。一人有り走りて之を追い、報じて曰く、「有り。」子之此を以て左右の誠信か不かを知れり。
-
『韓非子』孤憤第十一郎中因らざれば則ち主に近づくを得ず。故に左右之が為に匿す。學士因らざれば則ち養祿薄く禮卑す。故に學士之が為に談ずるなり。
-
『韓非子』說林上二十二夫の田子は將に大事有らんとす。而るに我之に微を知るを示せば、我必ず危うからん。...人の言わざる所を知るは、其の罪大なり。