韓非子 / 揚權第八
用一之道,以名爲首。名正物定,名倚物徙。故聖人執一以靜,使名自命,令事自定。
新字:用一之道,以名為首。名正物定,名倚物徙。故聖人執一以静,使名自命,令事自定。
書き下し
聖人は一を執りて以て静にし、名をして自ら命ぜしめ、事をして自ら定めしむ。
現代語訳
聖人は統一された基準(一)を保持して静かに構え、名前(言葉)に自らの定義を与え、仕事に自ら定まらせる。
解説
優れた人物は一つの定まった基準をしっかり持ちながら、あえて静かに構え、物事の呼び名や意味づけを相手自身に決めさせ、仕事の進め方も相手自身に定めさせると韓非子は説きます。上に立つ者が事細かに指図するのではなく、大きな方針だけを示して落ち着いて見守れば、部下は自分の頭で考えて目標を立て、実行の計画も自分で組み立てるようになります。これは家庭でも同じで、親が子供の宿題のやり方まで逐一決めてしまうより、大きな約束事だけを示して見守るほうが、子供は自分で工夫する力を身につけます。人の上に立つ者は、細部まで支配しようとせず、静かに構えて任せる懐の深さを持つことが大切です。
この章句が説くこと
ボトムアップ主体性権限移譲サーバントリーダーシップ静観
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