韓非子 / 姦劫弒臣第十四
明主者,使天下不得不爲己視,天下不得不爲己聽。
新字:明主者,使天下不得不為己視,天下不得不為己聴。
書き下し
明主は、天下をして己が為に視ざるを得ず、天下をして己が為に聴ざるを得ざらしむ。
現代語訳
明君は、天下の人々が自分のために情報を見ざるを得ず、自分のために情報を聞かざるを得ないようにする。
解説
本当にすぐれた君主は、天下の人々が自分のために目や耳の代わりとなって、進んで物事を見聞きし、知らせてくれるような仕組みを作り上げる、と韓非は言います。人の上に立つ人が、自分一人であらゆることを見て回り、聞いて回ろうとするのには限界があります。そうではなく、放っておいても大事な情報が自然と自分のところに集まってくるような仕組みを整えることが大切なのです。会社であれば、誰でも安心して問題点を報告できる窓口や、公平で分かりやすい評価の仕組み、家庭であれば、子供や家族が困りごとを隠さずに話せる雰囲気づくりがこれに当たります。細かく口を出して回るのではなく、自然と本当のことが集まってくる仕組みを作ることこそ、人の上に立つ者の腕の見せどころです。
この章句が説くこと
情報収集見える化レポーティングライン内部通報制度仕組み化
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説苑・君道周公、天子の位を践み徳を布き恵みを施す。遠くして逾々明らかに、十二牧、方三人、遠方の民を挙げ出だし、饑寒ありて衣食を得ざる者、獄訟ありて職を失う者、賢才ありて挙げられざる者あれば、以て天子に入りて告ぐ。天子其の君の朝に於いて、攝して之を進めて曰く、「意うに朕の政教に得ざる者有るか。何ぞ其の臨む所の民に饑寒ありて衣食を得ざる者、獄訟ありて職を失う者、賢才ありて挙げられざる者有るや」と。其の君帰るや、乃ち其の国の大夫を召し、天子の言を用って告ぐ。百姓之を聞きて皆喜びて曰く、「此れ誠に天子なり。何ぞ居ること深遠にして我を見ること之明らかなるや、豈に欺くべけんや」と。故に牧なる者は四門を辟き、四目を明らかにし、四聰を達する所以なり。是を以て近き者之に親しみ、遠き者之に安んず。詩に曰く、「遠きを柔らげ邇きを能くし、以て我が王を定む」と、此を之れ謂うなり。
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