韓非子 / 老第二十一
有形之類,大必起於小;行久之物,族必起於少。故曰:「天下之難事必作於易,天下之大事必作於細。
書き下し
天下の難事は必ず易きより作り、天下の大事は必ず細より作る。
現代語訳
(老子の言葉)天下の難題も必ず簡単なこと(易)から起こり、天下の大事も必ず些細なこと(細)から起こる。
解説
名医の扁鵲は、桓公の病がまだ皮膚(腠理)にある「些細な(細)」段階で見抜いたが、桓公は「病まざるを治して以て功を為さんとす」と取り合わなかった。病は進行し、骨髄(骨髓)に達した時には手遅れとなり、桓公は死んだ。 組織の「些細な問題(腠理)」を放置すると、やがて経営の根幹(骨髓)を侵す「難事」になる。
この章句が説くこと
リスク管理早期発見コンプライアンス問題の放置組織の病
関連する章句
-
老子・第64章其の安きは持し易く、其の未だ兆さざるは謀り易く、其の脆きは泮け易く、其の微なるは散じ易し。之を未だ有らざるに為し、之を未だ乱れざるに治む。合抱の木も毫末より生じ、九層の台も累土より起こり、千里の行も足下より始まる。為す者は之を敗り、執る者は之を失う。是を以て聖人は無為なる故に敗るること無く、無執なる故に失うこと無し。民の事に従うや、常に幾ど成らんとして之を敗る。終わりを慎むこと始めの如くなれば、則ち事を敗ること無し。是を以て聖人は欲せざるを欲し、得難きの貨を貴ばず。学ばざるを学び、衆人の過ぐる所に復る。以て万物の自然を輔けて、敢えて為さず。
-
『韓非子』外儲説右上第三十四善く勢いを持する者は、蚤く其の姦萌を絶つ。
-
老子・第55章徳を含むことの厚きは、赤子に比す。毒虫も螫さず、猛獣も拠らず、攫鳥も搏たず。骨は弱く筋は柔らかにして而も握ること固し。未だ牝牡の合を知らずして而も全く作つは、精の至りなり。終日号びて而も嗄れざるは、和の至りなり。和を知るを常と曰い、常を知るを明と曰う。生を益すを祥と曰い、心の気を使うを強と曰う。物壮なれば則ち老ゆ、之を不道と謂う。不道は早く已む。
-
『韓非子』老第二十一小を見るを明と謂う。
-
『韓非子』初見秦第一且つ臣之を聞く、曰く、「戰戰栗栗として、日に一日を慎め。苟も其の道を慎まば、天下有つ可し。」
-
論語・季氏篇孔子曰く、「『善を見ては及ばざるが如くし、不善を見ては湯を探るが如くす。』吾其の人を見たり、吾其の語を聞けり。『隠居して以て其の志を成し、義を行いて以て其の道を達す。』吾其の語を聞けり、未だ其の人を見ざるなり。」