韓非子 / 老第二十一
脣亡而齒寒,虞、虢相救,非相德也。
新字:脣亡而齒寒,虞、虢相救,非相徳也。
書き下し
脣亡ぶれば齒寒し。虞・虢の相救ふは、相德とするに非ざるなり。
現代語訳
唇がなくなれば、歯は寒々とする。虞と虢が互いに救い合ったのは、互いに恩を売るためではない(自国が立ちゆかなくなるからである)。
解説
晋が虢を討つために虞に道借りを求めた。宮之奇は「(虞と虢は唇と歯の関係)唇が亡びれば歯が寒い。今日虢が滅びれば、明日は虞も滅びる」と諫めたが、虞君は目先の利益(垂棘の壁)に目が眩み、聞き入れなかった。結局、虢を滅ぼした晋は、帰りがけに虞を滅ぼした。 目先の小さな利益のために、共倒れのリスク(脣亡齒寒)や、戦略的な警告(宮之奇)を無視することの危険性。
この章句が説くこと
サプライチェーン共存共栄戦略的視点短期利益と長期利益リスク分析
関連する章句
-
『韓非子』存韓第二且つ臣之を聞く、『唇亡ぶれば則ち齒寒し。』夫れ秦・韓は憂いを同じくする無きを得ず、其の形見る可し。
-
論語・泰伯篇曾子曰く、「士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。仁以て己が任と為す、亦重からずや。死して後已む、亦遠からずや」と。
-
史記 蘇秦列伝因りて東のかた斉の宣王に説きて曰く、「斉は南に泰山有り、東に瑯邪有り、西に清河有り、北に勃海有り、所謂四塞の国なり。斉は地方二千余里、帯甲数十万、粟丘山の如し。夫れ韓魏の秦を重畏する所以は、秦と境を接し界を壌にするが為なり。兵出でて相ひ当たれば、十日ならずして戦勝存亡の機決す。夫れ秦の斉を柰何ともする無きを深く料らずして、西面して之に事へんと欲するは、是れ群臣の計過てるなり。今秦に臣事するの名無くして彊国の実有り、臣是の故に願はくは大王少しく意を留めて之を計れ」と。斉王曰く、「寡人不敏にして、僻遠海を守り、窮道東境の国なり、未だ嘗て余教を聞くを得ず。今足下趙王の詔を以て之を詔す、敬みて国を以て従はん」と。