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韓非子 / 揚權第八

一家二貴,事乃無功。夫妻持政,子無適從。爲人君者,數披其木,毋使木枝扶踈;木枝扶踈,將塞公閭,私門將實,公庭將虚,主將壅圉。

新字:一家二貴,事乃無功。夫妻持政,子無適従。為人君者,数披其木,毋使木枝扶踈;木枝扶踈,将塞公閭,私門将実,公庭将虚,主将壅圉。

書き下し

一家二貴なれば、事乃ち功無し。夫妻政を持てば、子適從する無し。人君爲る者は、數々其の木を披(ひら)き、木枝をして扶踈ならしむる毋(なか)れ。木枝扶踈なれば、將に公閭を塞がんとし、私門將に實ち、公庭將に虚しく、主將に壅圉(ようぎょ)せられんとす。

現代語訳

一つの家に二人の尊い者(トップ)がいれば、物事はうまくいかない。夫と妻がともに実権を握れば、子はどちらに従えばよいか分からなくなる。君主たる者は、しばしば木(臣下)の枝を切り開き、枝葉を茂らせてはならない。枝葉が茂れば宮門を塞ぎ、臣下の家(私門)は人で満ち、朝廷(公庭)は空になり、君主は取り囲まれて塞がれてしまう。

解説

上に立つ者は、木にたとえるならば、時おりその枝を整え、茂りすぎたままにしてはいけないと韓非子は説きます。枝葉が茂りすぎると屋敷の門をふさいでしまうように、特定の部下や部門の力が強くなりすぎると、組織全体の風通しが悪くなってしまうのです。会社で言えば、ある部署の発言力だけが強くなりすぎると、他の部署の声が届きにくくなり、全体としての判断が偏ってしまいます。町内会でも、特定の人の意見ばかりが通るようになると、他の住民の声が反映されなくなります。人の上に立つ者は、時おり力の釣り合いを見直し、特定の部分だけが大きくなりすぎないよう、木の枝を整えるように調整し続ける必要があります。

この章句が説くこと

権力集中組織のサイロ化セクショナリズムガバナンス組織の剪定

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