韓非子 / 三守第十六
人主聽之,卑身輕國以資之,事敗與主分其禍,而功成則臣獨專之。諸用事之人,壹心同辭以語其美,則主言惡者必不信矣,此謂事劫。
新字:人主聴之,卑身軽国以資之,事敗与主分其禍,而功成則臣独専之。諸用事之人,壱心同辞以語其美,則主言悪者必不信矣,此謂事劫。
書き下し
事敗るれば主と其の禍を分かち、而して功成らば則ち臣獨り之を専らにす。...心を壹にし辭を同じくして以て其の美を語らば、則ち主として悪を言う者は必ず信ぜられざらん。
現代語訳
失敗すれば君主と災いを分かち合い、成功すれば臣下が独占する。心を一つにして同じ言葉で彼らの良さを語れば、君主が彼らの悪口を言っても信じられなくなる。
解説
物事が失敗すれば君主とともに責めを分かち合い、成功すれば自分たちだけの手柄にしてしまう。取り巻きたちが心を一つにして口をそろえ、自分たちの良いところばかりを語れば、人の上に立つ者がたとえ彼らの悪い点を口にしても、誰にも信じてもらえなくなる、と韓非は指摘します。「手柄は自分のもの、失敗の責任は上の人のもの」という都合の良い態度をとる側近たちの姿です。彼らが結束して良い話ばかりを聞かせ続けると、人の上に立つ者は次第に、心地よい話しか耳に入らなくなり、本当に危うい知らせに気づけなくなってしまいます。これは会社の役員会議に限らず、家族の中で一人の子供の言い分ばかりが通り、他の子供の困りごとが伝わらなくなる状況とも似ています。都合の良い話ほど、裏を疑う慎重さが必要です。
この章句が説くこと
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