韓非子 / 難四第三十九
今未有其所以得,而行其所以處,是倒義而逆德也。倒義,則事之所以敗也;逆德,則怨之所以聚也。
新字:今未有其所以得,而行其所以処,是倒義而逆徳也。倒義,則事之所以敗也;逆徳,則怨之所以聚也。
書き下し
今未だ其の得る所以有らずして、而も其の處る所以を行う。是れ義を倒にして徳に逆うなり。
現代語訳
今、(湯王や武王のように人望や実績を)まだ獲得していないのに、その(君主のような)振る舞いだけを真似している。これは道理(義)に反し、人徳にも背いている。
解説
湯王や武王のような立派な人物にふさわしい実績や人望をまだ何も積んでいないのに、その立場だけを真似て振る舞おうとするのは、道理を逆さまにし、人としての徳にも背くことだと韓非は言います。書き下し文にあるとおり、道理に背けば物事は必ず失敗し、徳に背けば恨みが集まってくるのです。役職や肩書き、周りからの信頼というものは、それにふさわしい積み重ねがあって初めて意味を持ちます。たとえば役職だけ新しくなった人が、実績も信頼もないうちから威張った態度を取れば、部下も家族も心の底では従いません。地位にふさわしい振る舞いをする前に、まずその地位にふさわしい働きと信頼を積むこと。順番を間違えないことの大切さを教えてくれる一節です。
この章句が説くこと
権力正当性(レジティマシー)リーダーシップ人望実績
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