韓非子 / 愛臣第四
愛臣太親,必危其身;人臣太貴,必易主位;主妾無等,必危嫡子;
書き下し
愛臣太だ親しければ、必ず其の身を危うくし、人臣太だ貴ければ、必ず主位を易ふ。主妾等無ければ、必ず嫡子を危うくす。
現代語訳
(君主が)特定の臣下を寵愛しすぎると、必ず(君主)自身の地位を危うくする。臣下の位が高くなりすぎると、必ず君主の座が入れ替わる。正妻と側室に序列がなければ、必ず嫡子の地位が危うくなる。
解説
「気に入りの家来をあまりに近づけ過ぎると、必ずその身を危うくする」という戒めです。人の上に立つ人が特定の側近や部下を贔屓し、度を越して親しくすると、その人物に力や情報が集まり過ぎ、周りの人たちの間に不満や妬みが広がります。やがて組織の中の釣り合いが崩れ、気づいたときには自分自身の立場さえ危うくなってしまうのです。これは会社の経営者に限った話ではなく、家庭で特定の子だけを可愛がる親や、仲間内で誰か一人だけを特別扱いする集まりの世話役にも通じます。誰かを大切にすることと、依怙贔屓をすることとは別物だとわきまえ、公平さを保つことが、結局は自分の立場を守ることにつながります。
この章句が説くこと
権力集中公平性贔屓ガバナンス
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『韓非子』人主第五十二人主の身危うく國亡ぶる所以の者は、大臣太だ貴く、左右太だ威あればなり。
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