韓非子 / 南面第十八
今大費無罪而少得爲功,則人臣出大費而成小功,小功成而主亦有害。不知治者,必曰:「無變古,毋易常。」變與不變,聖人不聽,正治而已。
新字:今大費無罪而少得為功,則人臣出大費而成小功,小功成而主亦有害。不知治者,必曰:「無変古,毋易常。」変与不変,聖人不聴,正治而已。
書き下し
今、大費するも罪無くして少しく得るを功と為せば、則ち人臣大費を出だして小功を成し、小功成りて主も亦た害有り。治を知らざる者は、必ず曰く、「古を変うる無かれ、常を易うる毋かれ」と。変と不変とは、聖人聴かず、治を正すのみ。
現代語訳
政治の術を知らない者は、必ず『古いしきたりを変えるな、習俗も変えるな』と言うだろう。しかし聖人は変えることも変えないことも問題にしない。ただ正しい政治を行うだけである。
解説
無駄に費用がかかっても罪に問われず、少しでも得るものがあれば手柄とみなされる状態が続くと、家臣は大金をかけて小さな手柄を立てようとし、結局は治める側にとっても損になる、と説いた上で、物事を治めることに疎い者は決まって「昔からのやり方を変えるな、習わしを変えるな」と言い出すが、優れた人物は変えることにも変えないことにもこだわらず、ただ正しい治め方を追い求めるだけだ、と続きます。これは家庭のしつけや地域の行事にも通じます。「前からずっとこうしてきたから」を理由に考えを止めるのではなく、また闇雲に目新しさだけを追うのでもなく、今の状況に照らして本当に必要かどうかで決めることが、変える・変えないの両方に振り回されない賢いやり方です。
この章句が説くこと
組織変革前例踏襲イノベーション現状維持バイアス目的と手段
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