韓非子 / 三守第十六
然則端言直道之人不得見,而忠直日䟽。愛人,不獨利也,待譽而後利之;憎人,不獨害也,待非而後害之。
新字:然則端言直道之人不得見,而忠直日䟽。愛人,不独利也,待誉而後利之;憎人,不独害也,待非而後害之。
書き下し
人を愛するも獨り利せざるなり。譽を待ちて而る後に之に利す。人を憎むも獨り害せざるなり。非を待ちて而る後に之を害す。
現代語訳
人を愛しても自分一人では利益を与えず、評判を待ってからこれに利益を与える。人を憎んでも自分一人では罰せず、非難を待ってからこれに罰を与える。
解説
人を可愛がっていても自分一人の判断では利益を与えず、周りの評判を待ってから初めて手厚くし、人を憎んでいても自分一人では罰さず、悪い噂が立つのを待ってから初めて厳しくする。これは、人の上に立つ者が自分自身の目で確かめず、周りの声だけで人を判断していることの表れだと韓非は指摘します。家庭でも、子供を叱るかどうかをよそのお母さんの評判で決めてしまう親、職場でも、部下の評価をもっぱら周囲のうわさで決めてしまう上司がこれにあたります。自分の目で日頃の働きぶりや人柄を見ずに、他人の評判任せで賞罰を決めていると、評判づくりに長けた人だけが得をし、地道に働く人が損をする不公平な空気が広がってしまいます。人を評価する立場にある者は、まず自分自身で見て確かめる姿勢を手放してはなりません。
この章句が説くこと
人事評価公平性情実人事判断の放棄一次情報
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