韓非子 / 揚權第八
行之不已,是謂履理也。夫物者有所宜,材者有所施,各處其宜,故上無爲。使雞司夜,令狸執鼠,皆用其能,上乃無事。
新字:行之不已,是謂履理也。夫物者有所宜,材者有所施,各処其宜,故上無為。使雞司夜,令狸執鼠,皆用其能,上乃無事。
書き下し
之を行ひて已まざる、是を理を履むと謂ふなり。夫れ物には宜しき所有り、材には施す所有り、各々其の宜しきに處る、故に上に爲す無し。雞をして夜を司らしめ、狸をして鼠を執らしむ。皆其の能を用ふれば、上乃ち事無し。
現代語訳
これを絶やさず行うことを「理を履む(道理どおりに進む)」という。物にはそれぞれ適した場所があり、才能にはそれぞれ発揮すべき対象がある。それぞれが適した場所に落ち着くため、君主はあえて何もしなくてよい。鶏に夜明けを告げさせ、猫に鼠を捕らせるように、それぞれの能力を使えば、君主に仕事は無くなる。
解説
物にはそれぞれふさわしい置き場所があり、人の才能にもそれぞれ活かせる場面があります。それぞれが最も合った場所に落ち着けば、上に立つ者はあえて自分で細かく手を出さなくてもよいと韓非子は説きます。会社であれば、上司が部下の得意な仕事を見極め、合った持ち場に配置すれば、あとは自然と物事が回っていきます。これは家庭でも同じで、料理が得意な人に台所を任せ、片付けが得意な人に整理を任せれば、家族全体がうまく回ります。地域の活動でも、話し上手な人に司会を、几帳面な人に会計を任せるなど、それぞれの持ち味を見極めて場を割り振ることが、まとめ役の一番大事な仕事だと言えるでしょう。
この章句が説くこと
適材適所権限移譲強みを活かすマネジメント
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