韓非子 / 難四第三十九
未知齊之巧臣而廢明亂之罰,責於未然而不誅昭昭之罪,此則妄矣。
新字:未知斉之巧臣而廃明乱之罰,責於未然而不誅昭昭之罪,此則妄矣。
書き下し
未だ齊の巧臣を知らずして、明亂の罰を廢し、未然に責めて、昭昭の罪を誅せざるは、此れ則ち妄なり。
現代語訳
(自国内の)巧妙な臣下(の私心)に気づかないからといって、明白な反乱(明亂)の罰を廃止し、まだ見ぬ(未然の)罪を責めて、はっきりとした(昭昭の)罪を罰しないのは、間違っている。
解説
まだ姿を見せていない悪知恵の働く家来がいるかもしれないと恐れるあまり、はっきりと反乱を起こした者への罰をやめてしまい、まだ起きてもいない罪を先回りして責め立てながら、今目の前にある明らかな罪を罰しない。これは筋が通らないと韓非は述べています。見えない不安に気を取られて、目に見える過ちを見過ごしてしまうことは、家庭や職場、近所付き合いでもよくあります。誰かがこっそり悪だくみをしているかもしれないと疑うあまり、今まさに決まりを破っている人を叱れない親や上司がいたら、周りは示しがつかず不満を募らせます。まずは目の前のはっきりした過ちに正面から向き合い、きちんと正す。それこそが、見えない不正の芽を摘み、家族や仲間からの信頼を守る一番確かな道なのです。
この章句が説くこと
信賞必罰規律処罰の公平性牽制秩序維持
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