韓非子 / 難二第三十七
凡五霸之所以能成功名於天下者、必君臣俱有力。故曰、「叔向・師曠之對皆偏辭也。」
新字:凡五覇之所以能成功名於天下者、必君臣俱有力。故曰、「叔向・師曠之対皆偏辞也。」
書き下し
凡そ五覇の能く功名を天下に成す所以の者は、必ず君臣俱に力有り。故に曰く、『叔向。師曠の對えは皆な偏辭なり。』
現代語訳
覇者たちが功名を成し遂げられたのは、必ず君主と臣下の両方が優れていた(俱に力有り)からだ。したがって、叔向(臣の力)や師曠(君の力)の答えは、どちらも偏った意見である。
解説
五人の覇者たちが天下に名を成すことができたのは、主君と家来の両方に力があったからだと韓非は言います。だからこそ、『君主が優れていたからだ』と言った叔向の言葉も、『家来が優れていたからだ』と言った師曠の言葉も、どちらも一方に偏った見方にすぎないと退けます。大きな成果というものは、上に立つ人だけの手柄でも、支える人たちだけの手柄でもなく、両方がそろって初めて生まれるものです。たとえば子どもが立派に育つのも、親の育て方だけの手柄でも、子ども自身の努力だけの手柄でもなく、両方が噛み合ってこそのことです。『誰のおかげか』を一人に決めつけようとする議論そのものが的外れであり、支え合う関係を丁寧に見ることの大切さを教えてくれます。
この章句が説くこと
リーダーシップフォロワーシップ協働組織力相乗効果
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