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論語 / 儒家
論語の章句一覧
論語(儒家)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全312句。
八佾篇
八佾舞於庭。是可忍也、孰不可忍也。
八佾の舞を庭で舞わせるとは、なんと我慢ならぬことか、どうしてこれを見過ごせようか。
三家者以雍徹。子曰:『相維辟公、天子穆穆。奚取於三家之堂?』
三家の家臣たちが雍の曲を用いて食事のときの音楽とした。孔子は言った。「『王を助ける諸侯は恭し
子語魯太師樂曰:『樂其可知也。始作、翕如也;從之、純如也、繹如也;以成。』
孔子は魯の楽官と音楽について語り、「音楽というものは理解できるものだ。始まりはまとまりがあり
射不主皮、為力不同科。古之道也。
弓の射礼では的の皮を重視せず、力の強さで人を区別しない。これが昔からの正しいやり方である。
關雎樂而不淫、哀而不傷。
『関雎』の詩は楽しくてもみだらではなく、哀しくても心を傷つけない。
呂氏為士師、問於曾子。曾子曰:上失其道、民散久矣。
呂氏が士師となり、曾子に政治を尋ねた。曾子は「上の者が道を失い、民が離れて久しい」と答えた。
子曰:人而不仁、如禮何;人而不仁、如樂何。
孔子は言った。「人が仁でなければ、礼をどう行えるのか。人が仁でなければ、音楽をどう楽しめるの
少師陽、擊磬襄。子曰:『巧笑倩兮;美目盼兮。素以為絢兮。』
少師の陽が磬を打つ演奏を見て、孔子は言った。「笑顔は美しく、目は生き生きとしている。白地に彩
子曰:『禘自既灌而往者、吾不欲觀之矣。』
孔子は言った。「禘の祭りは、すでに灌の儀式から続いて行われるものだが、私はもう見たくない。」
或問禘。子曰:『不知也。知其說者之於天下也、其如示諸斯乎。』指其掌。
ある人が禘の祭りについて尋ねた。孔子は「私は知らない」と答え、「その意味を理解している人が天
祭如在。祭神如神在。子曰:『吾不與祭、如不祭。』
祭りを行うときは、まるで神がそこにいるかのように行う。孔子は言った。「私は祭りに参加しなけれ
王孫賈問曰:『與其媚於奧、寧媚於竈、何謂也?』子曰:『不然。獲罪於天、無所禱也。』
王孫賈が尋ねた。「奥の神に祈るよりも、かまどの神に祈る方がよいと言いますが、どういう意味でし
子曰:『周監於二代、郁郁乎文哉。吾從周。』
孔子は言った。「周の王朝は夏と殷の二代を手本とし、なんと立派に文化を整えたことか。私は周に従
子入太廟、每事問。或曰:『孰謂鄒人之子知禮乎?入太廟、毎事問。』子聞之曰:『是禮也。』
孔子が太廟に入り、すべてのことを尋ねた。ある人が言った。「あの鄒の人は礼を知っていると言うが
子曰:『射不主皮。為力不同科。』
孔子は言った。「弓の射礼では的の皮を重視せず、力の強さで人を比べない。」
齊人伐燕、勝之。或問曰:『仁乎?』子曰:『奚仁之有?夫燕國小、不能事大。』
斉の国が燕を攻めて勝った。ある人が「仁であるか」と尋ねた。孔子は言った。「どこに仁があるか。
季氏旅於泰山。子謂冉有曰:『子不能止與?』曰:『不能。』子曰:『嗚呼!曾謂泰山不如林放乎?』
季氏が泰山に旅の祭りを行った。孔子は冉有に言った。「止められなかったのか。」冉有が「できませ
子曰:『君使臣以禮、臣事君以忠。』
孔子は言った。「君主は礼をもって臣を使い、臣は忠をもって君に仕える。」
君子無所爭。必也射乎。揖讓而升、下而飲。其爭也君子。
君子は争うことを好まない。もし争うとすれば、それは弓の競技であろう。互いに礼を尽くして挨拶し
子夏問曰:『巧笑倩兮、美目盼兮、素以為絢兮、何謂也?』子曰:『繪事後素。』
子夏が尋ねた。「『笑顔が美しく、目が生き生きとし、白に彩りを加えるようだ』とはどういう意味で
子曰:『夏禮、吾能言之。杞不足徵也。殷禮、吾能言之。宋不足徵也。文獻不足故也。足、則吾能徵之矣。』
孔子は言った。「夏の礼については私は語ることができるが、杞の国にはそれを証する資料がない。殷
子曰:『禘、非天子不行。』
孔子は言った。「禘の祭りは天子でなければ行ってはならない。」
子曰:『夷狄之有君、不如諸夏之亡也。』
孔子は言った。「夷狄の国でも君主がいる方が、礼を失った諸夏の国よりましだ。」
子曰:『管仲之器小哉!』或曰:『管仲儉乎?』曰:『管氏有三歸。』曰:『然則知禮乎?』曰:『邦君樹塞門、管氏亦樹塞門。邦君
孔子は言った。「管仲の器量は小さいな。」ある人が「管仲は倹約だったのですか」と尋ねた。孔子は
子曰:『鄉人儺、朝服而立於阼。』
孔子は言った。「郷里の人々が鬼を追い払う儺の行事をするときは、朝服を着て東の階に立つ。」
公冶長篇
子謂公冶長:『可妻也。雖在縲絏之中、非其罪也。』以其子為之妻。
リーダーの人事判断は、世間の評判や表面的な経歴に惑わされてはなりません。重要なのは、その人の
南容三復白圭。孔子以其兄之子妻之。
リーダーが信頼すべきは、巧みな言葉を操る者ではなく、日々自らを省み、言動を慎む習慣を持つ者で
子謂子賤:『君子哉若人!魯無君子者、斯焉取斯?』
優れた人材は、優れた環境から生まれます。リーダーの役割は、個々の才能を見出すだけでなく、組織
子貢曰:『賜也何如。』子曰:『女器也。』『何器也。』『瑚璉也。』
リーダーは、部下一人ひとりの特性や才能(器)を正確に見極め、その器に最もふさわしい役割と活躍
或曰:『雍也仁而不佞。』子曰:『焉用佞?禦人以口給、屢憎於人。不知其仁、焉用佞?』
リーダーシップは、口先のうまさ(佞)で発揮されるものではありません。一時的に人を言いくるめる
子使漆雕開仕。對曰:『吾斯之未能信。』子說。
部下の「まだ自信がありません」という言葉は、未熟さの表れではなく、自らの職責に対する誠実さと
子曰:『道不行、乘桴浮於海。』子路聞之喜。子曰:『由也、其賢乎。』
リーダーが示すビジョンや大きな方針に対し、部下が熱狂的に賛同してくれるのは喜ばしいことです。
子曰:『由也果。於從政乎何有。』
リーダーは、部下の特性を理解し、その強みを活かすべきです。「決断力と実行力(果)」に優れた人
子曰:『回也、其心三月不違仁。其餘則日月至焉而已矣。』
組織における真の信頼は、短期的な成果ではなく、長期間にわたる一貫した誠実な行動(仁)によって
季路問事君。子曰:『勿欺也、而犯之。』
リーダーに対する真の貢献とは、イエスマンになることではありません。相手を欺かず、誠意をもって
子曰:『驥不稱其力、稱其德也。』
組織で評価すべきは、単なる業績や能力(力)だけではありません。その人物が持つ誠実さや利他の精
或曰:『叔孫武叔毀仲尼。』子貢曰:『其無以為也。仲尼不可毀也。他人之惡、何足以毀?』
リーダーが確固たる実績と徳を備えていれば、外部からの些細な批判や誹謗中傷に揺らぐ必要はありま
子曰:『不曰如之何如之何者、吾末如之何也已矣。』
「どうすればもっと良くなるか」と常に自問自答し、改善への意欲を持ち続けない人材は、成長が止ま
子曰:『群居終日、言不及義、好行小慧、難矣哉。』
目的意識のない会議や、本質的でない議論、目先の小手先の対応に終始する組織文化は、成長を阻害し
子曰:『君子篤於親、則民興於仁。故舊不遺、則民不偷。』
リーダーが、創業以来の理念や共に苦労した仲間(故旧)を大切にする姿勢を示すことで、組織全体に
子曰:『不逆詐、不億不信。抑亦先覺者、是賢乎。』
リーダーは、部下を疑ってかかるべきではありませんが、同時に無防備であってもなりません。人を信
子曰:『學如不及、猶恐失之。』
市場の変化、技術の進歩は常に組織の先を行きます。リーダーは、「まだ学び足りない」という危機感
子曰:『巍巍乎、舜禹之有天下也而不與焉。』
リーダーの最高の姿は、組織という公器を「所有」するのではなく、「預かっている」という意識を持
子曰:『大哉堯之為君也!巍巍乎!唯天為大、唯堯則之。民無能名焉。』
最高のリーダーシップとは、天(自然の摂理や普遍的な原則)に則って運営され、社員がリーダーの存
子曰:『恭而無禮則勞;慎而無禮則葸;勇而無禮則亂;直而無禮則絞。君子篤於親、也與?』
どんな優れた資質も、組織のルールや行動規範(礼)という枠組みがなければ、短所に転じます。丁寧
子曰:『古之學者為己、今之學者為人。』
リーダーの学びは、他人にひけらかすため(人の為)であってはなりません。自らの人格を磨き、判断
子曰:『君子義以為質、禮以行之、孫以出之、信以成之。君子哉!』
優れたリーダーの行動原則。①判断の根幹には正義(義)を置く。②実行する際はルールや敬意(礼)
子曰:『君子病無能焉、不病人之不己知也。』
リーダーが憂慮すべきは、周囲からの評価ではなく、自分自身に組織を導くだけの実力(能)が備わっ
子曰:『君子成人之美、不成人之惡。小人反是。』
リーダーの役割は、部下の長所や成功(美)を最大限に引き出し、支援することです。逆に、部下の短
子曰:『不仁者不可以久處約、不可以長處樂。仁者安仁、知者利仁。』
理念や誠実さ(仁)を持たない組織は、苦しい時期も、成功している時期も、長くは続きません。確固
子曰:『士而懷居、不足以為士矣。』
リーダーたる者、自らの地位や待遇、快適な環境に安住しようと考えているうちは、真のリーダーとは
子曰:『貧而無怨難、富而無驕易。』
厳しい状況でも不平不満を言わずに職務を全うする社員の存在は、成功して驕らないでいることよりも
子曰:『可與言而不與之言、失人;不可與言而與之言、失言。知者不失人、亦不失言。』
リーダーのコミュニケーション能力とは、言うべき相手に、言うべきタイミングで的確に伝えることで
堯曰篇
堯曰:咨!爾舜,天之暦數在爾躬,允執其中。四海困窮,天祿永終。舜亦以命禹。曰:予小子履,敢用玄牡,敢昭告于皇皇后帝。有罪
堯が舜に、舜が禹に、天命と統治の心得を伝える場面。王は天の代行者であり、私利私欲を持たぬこと
舜曰:予違,女弼;予弼,女違。
私が誤ればお前が正せ。私が正しければお前が従え。
舜曰:人心惟危,道心惟微。惟精惟一,允執厥中。
人の心は危うく揺れやすい。だからこそ精一杯努力し、誠実に中庸を保て。
禹曰:惟天有成命,惟人克之。
天が定めた運命があっても、人は努力でそれを超えることができる。
孔子曰:大哉堯之為君也!巍巍乎!唯天為大,唯堯則之。蕩蕩乎!民無能名焉。巍巍乎!其有成功也,煥乎其有文章。
孔子は堯を理想君主として讃えた。堯の偉さは、権力ではなく「天の理」と一致していた点にある。
孔子曰:無為而治者,其舜也與!夫何為哉?恭己正南面而已矣。
舜は“無為の治”を体現した。つまり、己を正せば、天下は自然と整う。
子張篇
子張問行。子曰:言忠信,行篤敬。雖蠻貊之邦,行矣。言不忠信,行不篤敬,雖州里,行乎哉?
言葉に誠があり、行いに敬意があれば、どんな場所でも通用する。
長沮、桀溺耦而耕。孔子過之,使子路問津焉。長沮曰:彼執策者為誰?子路曰:孔丘也。曰:是魯孔丘與?曰:是也。曰:是知津矣。
隠者の長沮は、孔子を皮肉って「道を知るなら、なぜ渡らぬ」と言った。
子路聞之,以告。子曰:鳥獸不可與同群,吾非斯人之徒與而誰與?天下有道,丘不與易也。
孔子は「乱れた世でも人と共にある」と語る。世を避けず、人間社会に留まる覚悟を示した。
子路從而後,遇丈人,以杖荷蓧。子路問曰:子見夫子乎?丈人曰:四體不勤,五穀不分,孰為夫子?植其杖而芸。子路拱而立。
隠者は孔子を“働かぬ理屈家”と批判した。
子曰:小人之過也必文。
小人は失敗を飾ってごまかす。
子曰:君子義以為上。君子有勇而無義為亂,小人有勇而無義為盜。
勇気に義が伴わなければ、乱か盗になる。
子曰:民可使由之,不可使知之。
人は方針に従わせることはできるが、すべてを理解させることは難しい。
子曰:剛毅木訥,近仁。
飾らぬ実直さと粘り強さは仁に通じる。
子曰:君子不器。
君子は道具のように一機能にとどまらない。
子曰:君子坦蕩蕩,小人長戚戚。
心の広い者は穏やかで、小心な者は常に不安だ。
季氏篇
季氏將伐顓臾。冉有、季路見於孔子。孔子曰:求!無乃爾是過與?夫顓臾,昔者先王以為東蒙主,且在邦域之中矣,是社稷之臣也,何
季氏が同盟国の顓臾を討とうとした際、孔子は「それは国家の臣を討つに等しい」と諫めた。
冉有曰:夫子欲之,吾二臣者皆不欲也。孔子曰:求!周任有言曰:陳力就列,不能者止。危而不持,顛而不扶,則將焉用彼相矣?
冉有が「自分は望んでいない」と弁明したとき、孔子は「危うきを支えぬ者に、どうして仕える価値が
孔子曰:君子義以為上。君子有勇而無義為亂,小人有勇而無義為盜。
義を欠いた勇気は、リーダーを暴君にも盗人にも変える。
孔子曰:不在其位,不謀其政。
自らの職分を越えて政治に口を出すべきではない。
孔子曰:政者正也。子帥以正,孰敢不正。
政治とは“正しさ”で導くこと。上に立つ者が正しければ、下も正しくなる。
孔子曰:君子不以言舉人,不以人廢言。
人柄で言葉を否定せず、言葉で人柄を判断しない。
孔子曰:君子周而不比,小人比而不周。
君子は調和して偏らず、小人は仲間内で群れて排他になる。
孔子曰:放於利而行,多怨。
利益を最優先する経営は、長期的に人心を失う。
孔子曰:過猶不及。
やり過ぎも、やらな過ぎも同じく誤り。中庸こそ道。
孔子曰:能行五者於天下,為仁矣。請問之。曰:恭、寬、信、敏、惠。恭則不侮、寬則得衆、信則人任焉、敏則有功、惠則足以使人。
仁を実践する五徳は、謙・寛・信・勤・恵。リーダーの基本資質である。
孔子曰:君子求諸己,小人求諸人。
問題の原因を自分に求めるのが君子。
孔子曰:見利思義。
利益を見た時こそ、義を忘れるな。
孔子曰:民可使由之,不可使知之。
人は方針には従えるが、全てを理解させることは難しい。
孔子曰:君子坦蕩蕩,小人長戚戚。
広く穏やかな心の者は安心しており、小心者は常に不安だ。
孔子曰:君子不憂不懼。
正しい道を歩む者は恐れない。
孔子曰:剛毅木訥,近仁。
飾らぬ剛毅と実直さが仁に近づく道。
学而第一
子曰、「學而時習之、不亦說乎。有朋自遠方來、不亦樂乎。人不知而不慍、不亦君子乎。」
先生(孔子)がおっしゃった。「物事を学んで、後になって復習する、なんと楽しいことではないか。
有子曰、「其為人也、孝弟而好犯上者鮮矣。不好犯上而好作亂者、未之有也。君子務本、本立而道生。孝弟也者、其為仁之本與。」
有子先生がおっしゃった。「その生来の人格が、親孝行で目上の人に従順なのに、社会的な地位や年齢
子曰、「巧言令色、鮮矣仁。」
先生(孔子)がおっしゃった。「巧妙な弁舌に感情豊かな表情、そういった人は、見せ掛けだけで本当
曾子曰、「吾日三省吾身。為人謀而不忠乎。與朋友交而不信乎。傳不習乎。」
曾参先生がおっしゃった。「私は毎日三回、自分の身を反省する。他人のためを思って真剣に考えてあ
子曰、「道千乘之國、敬事而信、節用而愛人、使民以時。」
先生(孔子)がおっしゃった。「戦車千台を戦争に用いる諸侯の国を治めるには、政治を行うのに慎重
子曰、「弟子入則孝、出則弟、謹而信、汎愛衆而親仁、行有餘力、則以學文。」
先生(孔子)がおっしゃった。「若者たちは、家に帰っては親に孝行し、外に出ては目上の人に従順で
子夏曰、「賢賢易色、事父母能竭其力、事君能致其身、與朋友交言而有信。雖曰未學、吾必謂之學矣。」
子夏がおっしゃった。「賢者を賢者として敬い、色欲の心を改め、父母に仕えてはよくその力を尽くし
子曰、「君子不重則不威、學則不固。主忠信、無友不如己者、過則勿憚改。」
先生(孔子)がおっしゃった。「君子は重々しくなければ威厳がなく、学問をしても凝り固まらない。
曾子曰、「慎終追遠、民德歸厚矣。」
曾子がおっしゃった。「(父母の)死に際しては慎み深く葬儀を行い、遠い祖先を追慕すれば、民の徳
子禽問於子貢曰、「夫子至於是邦也、必聞其政。求之與、抑與之與。」子貢曰、「夫子溫良恭儉讓以得之。夫子之求之也、其諸異乎人
子禽が子貢に尋ねた。「先生(孔子)がその国に行くと、必ずその国の政治について聞かれる。これは
子曰、「父在觀其志、父沒觀其行。三年無改於父之道、可謂孝矣。」
先生(孔子)がおっしゃった。「父親が生きている間はその人の志を観察し、父親が亡くなった後はそ
有子曰、「禮之用、和爲貴。先王之道、斯爲美。小大由之、有所不行。知和而和、不以禮節之、亦不可行也。」
有子がおっしゃった。「礼の働きは、和を最も貴いものとする。古代の聖王の道も、これを最も美しい
有子曰、「信近於義、言可復也。恭近於禮、遠恥辱也。因不失其親、亦可宗也。」
有子がおっしゃった。「約束が義に近ければ、その言葉は実行できる。恭しい態度が礼に近ければ、恥
子曰、「君子食無求飽、居無求安、敏於事而慎於言、就有道而正焉。可謂好學也已。」
先生(孔子)がおっしゃった。「君子は、食事に満腹を求めず、住居に安楽を求めず、仕事は機敏に行
子貢曰、「貧而無諂、富而無驕、何如。」子曰、「可也。未若貧而樂、富而好禮者也。」子貢曰、「詩云、『如切如磋、如琢如磨。』
子貢が言った。「貧しくてもへつらうことなく、裕福でも驕り高ぶることのない人物は、どうでしょう
子曰、「不患人之不己知、患不知人也。」
先生(孔子)がおっしゃった。「他人が自分を理解してくれないことを心配するな。自分が他人を理解
微子篇
微子去之,箕子為之奴,比干諫而死。孔子曰:殷有三仁焉。
暴君に仕えず退いた者、奴隷となって民を救った者、命を賭して諫めた者。三人とも仁者である。
子曰:不在其位,不謀其政。
身分や立場を越えて政治を論じるべきではない。
子曰:君子不黨。
君子は派閥を作らない。
子曰:君子懷德,小人懷土;君子懷刑,小人懷惠。
君子は道義を重んじ、小人は利得を求める。
子曰:放於利而行,多怨。
利を追う者は、やがて人を失う。
子曰:民無信不立。
信頼がなければ、国家も組織も立ち行かない。
子曰:君子求諸己,小人求諸人。
責任は外ではなく自分の中にある。
子曰:剛毅木訥,近仁。
飾らぬ実直さが仁に通じる。
子曰:君子恥其言而過其行。
言葉だけで行動が伴わぬことを、君子は恥とする。
子曰:君子周而不比,小人比而不周。
君子は偏らず広く交わり、小人は仲間内だけで群れる。
憲問篇
憲問恥。子曰:邦有道,穀;邦無道,穀,恥也。
国が正しい時に富むのは良いが、乱れた世で富むのは恥である。
子曰:不曰如之何如之何者,吾末如之何也已矣。
自分で工夫しない者は助けられない。
子曰:不患人之不己知,患不知人也。
評価されないことより、人を見抜けないことを憂えよ。
子曰:不怨天,不尤人。
天や人を責めず、自らを正せ。
子曰:君子固窮,小人窮斯濫矣。
君子は困窮しても節を守り、小人は窮すると乱れる。
子曰:不義而富且貴,於我如浮雲。
義に反する富や地位は、空に漂う雲のように頼りない。
子曰:邦有道,危言危行;邦無道,危行言孫。
正しい時代には正直に語り、乱世では慎んで行う。
子曰:士見危致命,見得思義,祭思敬,喪思哀。
武士道の四要:危地で命を惜しまず、利得の場で義を第一に、儀礼では敬を、葬では哀を。
子曰:君子和而不同,小人同而不和。
調和はするが迎合はしない。
子曰:志士仁人,無求生以害仁,有殺身以成仁。
命がけでも守る価値が仁にはある。
子曰:危而不持,顛而不扶,則將焉用彼相矣。
危機に手を差し伸べない参謀は不要だ。
子曰:君子不以言舉人,不以人廢言。
人柄で言葉を無視しない。言葉で人柄を決めつけない。
子曰:君子求諸己,小人求諸人。
原因を自分に求めるのが君子。
子曰:巧言令色,鮮矣仁。
口先と作り笑いに仁は少ない。
子曰:知者不惑,仁者不憂,勇者不懼。
三徳が心の三大リスクを抑える。
子曰:言必信,行必果,硜硜然小人哉。
言行が硬直しすぎるのも小人。柔らかい知恵がいる。
子曰:剛毅木訥,近仁。
飾らぬ強さと実直さは、仁に近い。
子曰:法語之言,能無從乎?改之為貴。
まっとうな助言に従うのは当然。大事なのは“改めて実行”すること。
子曰:群居終日,言不及義,好行小慧,難矣哉。
集まっても本質に触れず、小賢しさを弄ぶだけでは伸びない。
子曰:小人之過也必文。
小人は失敗を飾ってごまかす。
子曰:君子坦蕩蕩,小人長戚戚。
胸襟の広さが心の平穏を生む。
子曰:不在其位,不謀其政。
役割を越えた口出しは混乱を招く。
子曰:君子不器。
一機能に閉じず、全体を観る存在であれ。
子曰:志於道,據於德,依於仁,游於藝。
志・徳・仁・藝が人生の四本柱。
子曰:三軍可奪帥也,匹夫不可奪志也。
大軍の将を奪えても、一人の志は奪えない。
子曰:民可使由之,不可使知之。
みなに全てを理解させることは難しい。まず信頼と方向性を示すこと。
子曰:以直報怨,以德報德。
怨には正義で、恩には徳で返す。
子曰:見賢思齊焉,見不賢而內自省也。
手本と反面教師で自分を磨く。
子曰:過而不改,是謂過矣。
失敗より“放置”が問題。
子曰:放於利而行,多怨。
利益最優先で動けば、恨みを買う。
子曰:以約失之者,鮮矣。
簡素で節度あるやり方は、失敗が少ない。
子曰:舊惡莫憶。
過去の恨みに囚われるな。
子曰:躬自厚而薄責於人,則遠怨矣。
自分に厳しく他人に寛ければ、恨みは離れる。
子曰:與朋友交,言而有信。
友との約束を守る。信頼の土台。
子曰:君子義以為質,禮以行之,孫以出之,信以成之。
中身は義、運びは礼、出し方は謙、仕上げは信。
子曰:士而懷居,不足以為士矣。
安逸を恋しがる士は士ではない。
子曰:君子無所爭,必也射乎。揖讓而升,下而飲,其爭也君子。
競い合っても礼を失わない。勝っても負けても品を保つ。
子曰:質勝文則野,文勝質則史。文質彬彬,然後君子。
中身過多は粗野、見せすぎは薄い。調和が肝心。
子曰:見利思義。
利益が見えた時こそ、義を先に思え。
子曰:君子欲訥於言而敏於行。
雄弁より実行。口数より動き。
泰伯篇
子曰:泰伯,其可謂至德也已矣。三以天下讓,民無得而稱焉。
泰伯は三度も天下を譲り、人々はその徳を称え尽くせなかった。
子曰:恭而無禮則勞,慎而無禮則葸,勇而無禮則亂,直而無禮則絞。君子篤於親,則民興於仁。故舊不遺,則民不偷。
礼を失えば長所が短所に転じる。上が親を大切にし、古い友を忘れなければ、民も仁に向かう。
子曰:君子不以言舉人,不以人廢言。
言葉だけで人を評価せず、人柄で発言を無視もしない。
子貢問君子。子曰:先行其言,而後從之。
君子は言葉の前に行動がある。
子曰:君子懷德,小人懷土。君子懷刑,小人懷惠。
君子は原理を、小人は利益を思う。
子曰:放於利而行,多怨。
利ばかり求めると怨みを買う。信頼は失われる。
子曰:能以禮讓為國乎,何有。不能以禮讓為國,如禮何。
礼譲の心が政治・経営の根本。形式的な礼では意味がない。
子曰:不學禮,無以立。
礼を知らぬ者は立つことができない。秩序の基礎は礼。
子曰:慎終追遠,民德歸厚矣。
祖先を敬い、死を慎む文化が民の徳を厚くする。
子禽問於子貢曰:夫子至於是邦也,必聞其政,求之與,抑與之與。子貢曰:夫子温良恭儉讓以得之。夫子之求之也,其諸異乎人之求之
孔子は温・良・恭・倹・譲の徳で自然に信頼を得た。
子曰:父母之年,不可不知也。一則以喜,一則以懼。
親の年齢を知ることは生命の有限を意識すること。
子曰:古者言之不出,恥躬之不逮也。
古の人は行動が言葉に追いつかぬことを恥じた。
子曰:以約失之者,鮮矣。
簡素に生きる者の失敗は少ない。
子曰:君子求諸己,小人求諸人。
君子は自己責任、小人は他責。
子曰:剛毅木訥,近仁。
飾らず堅実であることが仁に通じる。
子曰:君子不憂不懼。
道理にかなっていれば不安も恐れもない。
子曰:內省不疚,夫何憂何懼。
内省によって心にやましさがなければ恐れるものはない。
子曰:君子坦蕩蕩,小人長戚戚。
心の広さが安心をもたらし、小心は不安を招く。
子曰:仁者壽。
仁の心を持つ者は長寿である。穏やかな心が健康を支える。
子曰:知者樂水,仁者樂山。知者動,仁者靜。知者樂,仁者壽。
知は動を好み、仁は静を好む。動静の調和が人間の完成を導く。
為政篇
子曰、為政以徳、譬如北辰居其所而衆星共之。
政を行うのに徳をもってすれば、ちょうど北極星がその場所にどっしりと構え、他の星々が自然とそれ
子曰、詩三百、一言以蔽之、曰思無邪。
『詩経』三百篇を一言でまとめるなら、「心に邪な思いがない」ということである。
子曰、道之以政、斉之以刑、民免而無恥。道之以徳、斉之以礼、有恥且格。
政治を法律や刑罰で導けば、人々は罰を逃れようとするだけで恥を知らなくなる。徳と礼によって導け
子曰、吾十有五而志於学、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而従心所欲不踰矩。
私は十五歳で学問を志し、三十歳で自立し、四十歳で迷わず、五十歳で天命を悟り、六十歳でどんな言
孟懿子問孝。子曰、無違。樊遲御、子告之曰、孟孫問孝於我、我対曰無違。樊遲曰、何謂也。子曰、生事之以礼、死葬之以礼、祭之以
孟懿子が孝について尋ねた。孔子は「逆らわないことだ」と答えた。さらに説明して、「親が生きてい
孟武伯問孝。子曰、父母唯其疾之憂。
孟武伯が孝を尋ねると、孔子は「親はただ子の病気を心配するものだ」と答えた。
子游問孝。子曰、今之孝者、是謂能養。至於犬馬、皆能有養。不敬、何以別乎。
子游が孝を尋ねると、孔子は「今の人は親を養うことを孝と考えている。しかし犬や馬でも養うことは
子夏問孝。子曰、色難。有事弟子服其労、有酒食先生饌、曾是以為孝乎。
子夏が孝を尋ねると、孔子は「難しいのは表情だ。用事があれば親のために働き、飲食を勧めることは
子曰、吾与回言終日、不違如愚。退而省其私、亦足以発、回也不愚。
顔回と一日中話しても、彼は反論もせず愚かなように見える。しかし、後で彼の行動を見ればよく理解
子曰、視其所以、観其所由、察其所安。人焉廋哉、人焉廋哉。
人の行いを見て、その動機を観察し、心が安らぐところを見れば、その人の本性は隠せない。
子曰、温故而知新、可以為師矣。
昔のことを学び、新しいことを知る者は、人の師となるにふさわしい。
子曰、君子不器。
君子は一つの道具のように限られた役割しか果たせない者ではない。
子貢問君子。子曰、先行其言、而後従之。
子貢が君子とはどんな人かを尋ねると、孔子は「まず言葉を実行し、その後でその言葉を語る人だ」と
子曰、君子周而不比、小人比而不周。
君子は人と広く親しむが、派閥をつくらない。小人は派閥をつくるが、真に人と親しむことはない。
子曰、学而不思則罔、思而不学則殆。
学んでも考えなければ理解できず、考えても学ばなければ危うい。
子曰、攻乎異端、斯害也已。
異なる考えを攻撃することは害を生むだけである。
子曰、由、誨女知之乎、知之為知之、不知為不知、是知也。
仲由よ、教えてやろう。本当に知っていることを「知っている」と言い、知らないことを「知らない」
子張学干禄。子曰、多聞闕疑、慎言其余、則寡尤。多見闕殆、慎行其余、則寡悔。言寡尤、行寡悔、禄在其中矣。
子張が俸禄を得る方法を尋ねた。孔子は「多くを聞いて疑わしいことは避け、確かなことだけを慎重に
哀公問曰、何為則民服。孔子対曰、挙直錯諸枉、則民服。挙枉錯諸直、則民不服。
魯の哀公が「どうすれば民が従うか」と尋ねた。孔子は「正しい人を登用し、曲がった者をその下に置
季康子問使民敬忠以勸。如之何。子曰、臨之以荘、則敬。孝慈、則忠。挙善而教不能、則勸。
季康子が「民を敬意と忠義で励ますにはどうすればよいか」と尋ねた。孔子は「自ら威厳をもって臨め
衛霊公篇
衛靈公問陳。孔子對曰:俎豆之事,則嘗聞之矣;軍旅之事,未之學也。明日遂行。
孔子は、祭礼のような礼の道は学んだが、戦のことは学ばぬと正直に述べ、翌日去った。
在陳絕糧,從者病,莫能興。子路慍見曰:君子亦有窮乎?子曰:君子固窮,小人窮斯濫矣。
飢えと苦境の中、孔子は「君子は困窮しても乱れない」と諭した。
子曰:不在其位,不謀其政。
地位にない者が政策に口出しすべきではない。
子曰:君子不器。
君子は一つの機能にとどまらず、全体を見て判断する存在である。
子曰:學而不思則罔,思而不學則殆。
学ぶだけでは盲目、考えるだけでは独善。学と考は両輪。
子曰:人而不仁,如禮何。如樂何。
仁を欠けば、礼や音楽などの形式は虚しい。
子曰:君子和而不同,小人同而不和。
君子は調和を保つが迎合しない。小人は同調して対立を生む。
子曰:不憤不啓,不悱不發。舉一隅不以三隅反,則不復也。
学びは“自ら求める者”にだけ開かれる。
子曰:君子求諸己,小人求諸人。
原因を自分に求めるのが君子。
子曰:見賢思齊焉,見不賢而內自省也。
良き者を見て学び、悪しき者を見て省みる。
子曰:三人行,必有我師焉。擇其善者而從之,其不善者而改之。
人から善悪問わず学べる者が成長する。
子曰:過而不改,是謂過矣。
失敗よりも改めないことが真の失敗。
子曰:君子坦蕩蕩,小人長戚戚。
広く穏やかな心が人を動かす。
子曰:君子義以為質,禮以行之,孫以出之,信以成之。
中身は義、行いは礼、表し方は謙、仕上げは信。
子曰:放於利而行,多怨。
利ばかり追う者は怨みを買う。
子曰:過猶不及。
やり過ぎも、やらな過ぎも同じく誤り。
子曰:知者樂水,仁者樂山。知者動,仁者靜;知者樂,仁者壽。
知は変化を楽しみ、仁は安定を楽しむ。両者の調和が人生を豊かにする。
子曰:巧言令色,鮮矣仁。
口先と作り笑いには仁がない。
子曰:敏而好學,不恥下問。是以謂之文也。
学び続ける者こそ真の教養人。
子曰:由,誨女知之乎。知之為知之,不知為不知,是知也。
知っていることと知らないことを区別できるのが真の知。
述而篇
子曰:述而不作,信而好古。竊比於我老彭。
孔子は創作よりも伝承を重んじ、自らを古の賢者に比した。
子曰:默而識之,學而不厭,誨人不倦,何有於我哉。
黙って観察し、学び続け、教え続ける。孔子が理想とした姿勢。
子曰:德之不修,學之不講,聞義不能徙,不善不能改,是吾憂也。
人格の修養、学びの共有、義への感応、誤りの修正──これが孔子の4つの憂い。
子曰:若聖與仁,則吾豈敢。抑為之不厭,誨人不倦,則可謂云爾已矣。
聖人にはなれぬが、努力し続けることはできる。
子曰:我非生而知之者,好古敏以求之者也。
孔子は天才ではなく、勤勉な探求者であった。
子曰:天生德於予,桓魋其如予何。
天が自分に与えた使命は人には奪えぬという信念。
子曰:二三子以我為隱乎?吾無隱乎爾。吾無行而不與二三子者,是丘也。
孔子は弟子に対して隠し事をせず、全てを共有していた。
子曰:飯疏食飲水,曲肱而枕之,樂亦在其中矣。不義而富且貴,於我如浮雲。
簡素な暮らしにも楽しみがある。不義の富貴は儚い。
子曰:加我數年,五十以學易,可以無大過矣。
孔子は易経を学べば過ちが減ると述べ、学びに終わりがないことを示した。
子所雅言,詩書執禮皆雅言也。
孔子は詩書礼の教育では品のある言葉(雅言)を用いた。
葉公問孔子於子路,子路不對。子曰:女奚不曰,其為人也,發憤忘食,樂以忘憂,不知老之將至云爾。
孔子は“知の喜び”に生きる人。熱中が老いを忘れさせる。
子曰:志於道,據於德,依於仁,游於藝。
志・徳・仁・藝の四本柱。道徳と芸術の調和が人格を育てる。
子曰:自行束修以上,吾未嘗無誨焉。
礼を尽くす者には教えを惜しまない。学びの前提は礼。
子曰:不憤不啓,不悱不發。舉一隅不以三隅反,則不復也。
自ら求めない者には教えない。主体的に考える学びの姿勢。
子食於有喪者之側,未嘗飽也。
他人の悲しみを慮る共感の礼。
郷党篇
孔子於郷黙黙如也。
故郷では控えめで謙虚な態度を保った。
朝、服を整え、色厳しく言寡(すくな)し。
朝は身だしなみを整え、厳粛な表情で言葉少なかった。
君に事うるには、敬を以てす。
主君に仕えるときは、常に敬意をもって接した。
朋友との交わり、信を主とす。
友との関係は信頼を根にして築いた。
食に於ては飽かず、居に於ては安んぜず。
食事や住まいに贅沢せず、常に節度を保った。
祭に臨みては容色厳、事に臨みては尽く敬。
祭祀では厳粛に、仕事では敬意を尽くした。
疾病には衣を正し、冠を佩び、礼を忘れず。
病のときでも姿を整え、礼を忘れなかった。
居は恭しく、行いは慎む。
普段の暮らしの中でも、常に謙虚で慎重だった。
孔子、郷人の喪に哭するに、哀あり。
他人の死にも心から涙した。
見人於堂、疾言、倦色を見せず。
誰と会っても、急な言葉や疲れた顔を見せなかった。
乗るに恭しく、立つに正しく、歩むに端(ただ)し。
立ち居振る舞いすべてに礼があった。
衣服は時に適す。
衣服は華美ではなく、季節や場にふさわしく選んだ。
見善如不及、見不善如探湯。
善を見てすぐに学び、不善を見て避けた。
君子にして、文を以て友を会し、友を以て仁を輔く。
教養によって友を得、友情によって仁を深める。
里仁篇
子曰、里仁為美。擇不處仁、焉得知。
住む場所や付き合う人は“仁”があるところが良い。仁から離れて賢い選択はできない。
子曰、不仁者不可以久處約、不可以長處樂。仁者安仁、知者利仁。
仁がない人は逆境にも順境にも長く耐えられない。仁のある人はそこに安住し、知恵者は仁の価値を理
子曰、惟仁者能好人、能惡人。
本当に人を愛せるのも、厳しく憎めるのも、仁がある人だけだ。
子曰、苟志於仁矣、無惡也。
仁に本気で向かえば、悪は生まれない。
子曰、富與貴、是人之所欲也;不以其道得之、不處也。貧與賤、是人之所惡也;不以其道得之、不去也。君子去仁、惡乎成名?君子無
欲しさ・嫌さに振り回されず、“正しいやり方”で生きる。非常時にも仁を外さない。
子曰、我未見好仁者、惡不仁者。好仁者、無以尚之。惡不仁者、其為仁矣、不使不仁者加乎其身。有能一日用其力於仁矣乎。我未見力
“できない”のではなく“やらない”。本気で仁を選ぶことを迫る言葉。
子曰、人之過也、各於其黨。觀過、斯知仁矣。
失敗には“色”が出る。誰に染まっているかが問われる。
子曰、朝聞道、夕死可矣。
真理に触れられるなら、今日を終えても悔いはない。
子曰、士志於道、而恥惡衣惡食者、未足與議也。
見栄より道。外形より中身。
子曰、君子之於天下也、無適也、無莫也、義之與比。
好き嫌いではなく“義”に与する。
子曰、君子懷德、小人懷土。君子懷刑、小人懷惠。
上に立つ者は“徳と規範”を気にかけ、下心は“土地と恩恵”に向かう。
子曰、放於利而行、多怨。
利益最優先で動けば、恨みを買う。
子曰、不患無位、患所以立。不患莫己知、求為可知也。
地位がないことより、立つ力がないことを憂えよ。評価されないことより、評価される実力を作れ。
子曰、參乎、吾道一以貫之。曾子曰、唯。子出。門人問曰、何謂也。曾子曰、夫子之道、忠恕而已矣。
孔子の道は“忠(まごころ)と恕(思いやり)”の一本筋。
子曰、君子喩於義、小人喩於利。
判断の物差しが“義”か“損得”かで、生き方が分かれる。
子曰、見賢思齊焉、見不賢而内自省也。
良き手本は真似、不出来は反面教師にし、自分を省みる。
子曰、事父母幾諫。見志不從、又敬不違、勞而不怨。
親への進言は控えめに。通らなくとも敬意を失わず、恨まない。
子曰、父母在、不遠遊。遊必有方。
親が健在なら、長く連絡が取れない遠出は避け、所在を明らかにせよ。
子曰、三年無改於父之道、可謂孝矣。
親が亡くなっても、すぐに方針を変えない慎みが“孝”だ。
子曰、父母之年、不可不知也。一則以喜、一則以懼。
親の年齢・健康を意識し、無事を喜び、老いをおそれて配慮せよ。
子曰、君子欲訥於言而敏於行。
雄弁より実行。口数より動き。
子曰、德不孤、必有隣。
真の徳は孤立しない。同じ志が自然に集まる。
子曰、不曰如之何如之何者、吾末如之何也已矣。
自分で工夫しない者は、誰も助けられない。
子曰、躬自厚而薄責於人、則遠怨矣。
まず自分に厳しく、他人には寛く。恨みは離れていく。
子曰、與朋友交、言而有信。
友との約束を守る。それが信頼の土台。
子游曰、事君數、斯辱矣。朋友數、斯疏矣。
口を出し過ぎると、上にも友にも疎まれる。節度が礼。
陽貨篇
陽貨欲見孔子,孔子不見,歸孔子豚。孔子時其亡也,而往拜之,遇諸塗。陽貨曰:來!予有事焉。曰:懷其寶而迷其邦,可謂仁乎?曰
陽貨が孔子を権力で利用しようとしたが、孔子は礼を保ちつつ応じなかった。最後に「吾将仕矣」と答
子曰:性相近也,習相遠也。
人の生まれつきは似ているが、習慣で大きく差がつく。
子曰:唯女子與小人為難養也,近之則不孫,遠之則怨。
孔子の本意は“身分や性別ではなく、依存と情の関係の難しさ”。
子曰:不憤不啓,不悱不發。舉一隅不以三隅反,則不復也。
自ら求める者にしか、学びは開かれない。
子曰:吾未見好德如好色者也。
人は美しいものには惹かれるが、徳を磨くことには怠ける。
子曰:人之過也,各於其黨。觀過斯知仁矣。
人は似た者どうしで過ちを犯す。過ちの性質を見れば、その人の仁が分かる。
子曰:君子之於天下也,無適也,無莫也,義之與比。
君子は特定の派閥につかず、義に従う。
子曰:吾未見剛者。或對曰:申棖。子曰:棖也慾。焉得剛?
真の剛とは、欲に左右されぬ精神のこと。
子曰:人而無信,不知其可也。大車無輗,小車無軏,其何以行之哉?
信頼のない人は、車に軸がないようなもの。動いてもすぐ壊れる。
子曰:巧言令色,鮮矣仁。
口先と作り笑いには仁がない。
子曰:君子義以為上。君子有勇而無義為亂,小人有勇而無義為盜。
義のない勇気は乱を生み、徳なき強さは害をもたらす。
子曰:小子!何莫學夫詩?詩可以興,可以觀,可以群,可以怨。邇之事父,遠之事君,多識於鳥獸草木之名。
『詩経』を学ぶことで、人は情を育み、観察を磨き、共感を知る。
子曰:其言之不怍,則為之也難。
言葉に恥じぬ者ほど、行動に責任を負わねばならない。
子曰:不患人之不己知,患不知人也。
人に理解されぬことを嘆くより、人を理解する努力をせよ。
子曰:君子坦蕩蕩,小人長戚戚。
胸襟の広い者は穏やかで、小心な者は絶えず不安だ。
子曰:君子求諸己,小人求諸人。
責任は自分にある。言い訳は小人の常。
雍也篇
子曰:雍也,可使南面。仲弓問子桑伯子。子曰:可也,簡。仲弓曰:居敬而行簡,以臨其民,不亦可乎。居簡而行簡,無乃大簡乎。子
冉雍(仲弓)は君主の器。だが“簡”は礼を失わない範囲で用いるべきだという確認。
哀公問弟子孰為好學。孔子對曰:有顏回者好學。不遷怒,不貳過。不幸短命死矣。今也則亡,未聞好學者也。
学ぶ人の姿として顔回を挙げ、怒りを人に転嫁せず、同じ失敗を重ねないことを強調する。
子華使於齊,冉子為其母請粟。子曰:與之釜。請益。曰:與之庾。冉子與之粟五秉。子曰:赤之適齊也,乘肥馬,衣輕裘。吾聞之也,
困窮の急を救うが、富者への上乗せはしない。支援の原則を示す。
子曰:賢哉回也!一簞食,一瓢飲,在陋巷,人不堪其憂,回也不改其樂。賢哉回也。
清貧の中でも学ぶ喜びを失わない顔回を賢者の手本とする。
子曰:知之者不如好之者,好之者不如樂之者。
知識より好奇、好奇より没頭。深い学びは“好き”の先にある。
子曰:知者樂水,仁者樂山。知者動,仁者靜。知者樂,仁者壽。
タイプの異なる気質を水と山で喩え、動と静のバランスを説く。
子曰:中庸之為德,其至矣乎!民鮮久矣。
極端に走らず“程よさ”を守る中庸は最高の徳だが、実践者は少ない。
子曰:文質彬彬,然後君子。
外形(文)と中身(質)の調和があってはじめて上品さが生まれる。
子謂子夏曰:女為君子儒,無為小人儒。
学は“飾り”ではなく“身を正す力”であるべきだ、という区別。
子曰:仁者安仁,知者利仁。
仁の人は仁に落ち着き、知の人は仁の価値を理解して選ぶ。
子曰:質勝文則野,文勝質則史。文質彬彬,然後君子。
中身過多は粗野、見せすぎは薄っぺら。調和が肝。
子曰:群居終日,言不及義,好行小慧,難矣哉。
集まっても本質に触れず小賢しさを弄ぶだけでは伸びない。
子曰:士志於道,而恥惡衣惡食者,未足與議也。
見栄より道。外見に振り回されるなら未熟。
子曰:君子有勇而無義為亂,小人有勇而無義為盜。
義のない“勇”は暴走する。
宰我問仁者井有仁焉,從之乎。子曰:君子可逝也,不可陷也;可欺也,不可罔也。
情に駆られても愚行はしない。慈と智の両立。
子曰:不患人之不己知,患不知人也。
評価されないことより、人を見抜けないことを憂えよ。
子曰:君子坦蕩蕩,小人長戚戚。
胸襟の広さが心の平穏を生む。
子曰:敏而好學,不恥下問。
素直に尋ね、すぐ学ぶ。
子曰:知及之,仁不能守之,雖得之必失之。
到達する力(知)だけでなく、持続させる力(仁)が要る。
子曰:不遷怒,不貳過。
感情転嫁と再発は禁物。
子曰:人之生也直,罔之生也幸而免。
まっすぐに生きるのが本筋。抜け道で生き延びても本質的ではない。
子曰:巧言亂德,小不忍則亂大謀。
口先と短気は大計を壊す。
子曰:仁者不憂,知者不惑,勇者不懼。
三つの徳が心の三大リスクを抑える。
子曰:不在其位,不謀其政。
役割を越えた口出しは混乱を招く。
子曰:與朋友交,言而有信。
約束を守るのが信頼の基本。
子曰:見賢思齊焉,見不賢而內自省也。
手本と反面教師の両輪で前に進む。
子曰:君子無所爭,必也射乎。揖讓而升,下而飲,其爭也君子。
競争にも礼を。勝っても負けても品位を崩さない。
子曰:居之無倦,行之以忠。
ポジションに飽きず、職務に誠実。
子曰:由也,千乘之國,可使治其賦也,不知其仁也。
実務能力と仁徳は別物。適材配置の示唆。
子曰:伯牛有疾,子問之,牖執其手曰:亡之,命矣夫!斯人也而有斯疾也!斯人也而有斯疾也!
賢者にも不条理な災厄は降る。そこで現れるのが“命”観。
古典を、あなたの毎日に活かす。
名句の現代語訳とやさしい解説を、あなたの学びに。師導で古典をはじめましょう。
師導をはじめる