論語 / 述而篇
子之燕居,申申如也,夭夭如也。
書き下し
子の燕居するや、申申如たり、夭夭如たり。
現代語訳
先生がくつろいでおられるときは、伸びやかで、和やかであった。
解説
弟子が記録したのは、教えの言葉ではなく、何もしていないときの孔子の姿である。厳格な礼の人という印象とは違い、私室ではのびのびとして表情が和らいでいた。ここに人物評価の一つの視点がある。人の本当の状態は、緊張の場面ではなく、緩んだ場面に出る。公の場で整えるのは訓練でできるが、くつろいでいるときの雰囲気は作れない。指導する立場にいる人ほど、自分の平常時の空気を意識したほうがよい。上司が不機嫌に座っているだけで、部屋の空気は変わる。何も言っていないから影響はないと思うのは、上に立つ者だけが持てる錯覚である。逆に、緩んだ時間に和やかでいられる人の周りには、人が近づける余地が生まれる。教えは言葉で伝わるが、空気は在り方で伝わる。
この章句が説くこと
派閥日常公平性佇まい燕居全体の利益
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