論語 / 陽貨篇
子路曰:「君子尙勇乎?」子曰:「君子義以爲上。君子有勇而無義爲亂,小人有勇而無義爲盜。」
新字:子路曰:「君子尙勇乎?」子曰:「君子義以為上。君子有勇而無義為乱,小人有勇而無義為盗。」
書き下し
子路曰く、「君子は勇を尚ぶか。」子曰く、「君子は義以て上と為す。君子勇有りて義無ければ乱を為し、小人勇有りて義無ければ盗を為す。」
現代語訳
子路が言った。「君子は勇気を尊びますか。」先生はおっしゃった。「君子は義を最上とする。君子に勇気があって義が無ければ、反乱を起こす。小人に勇気があって義が無ければ、盗みを働く。」
解説
勇を尊ぶかと問われて、義が上だと答えた。順位を明示している。そのうえで、義を欠いた勇が何を生むかを、身分別に示した。上の者なら反乱、下の者なら盗み。同じ性質が、立場によって違う被害の形をとる。しかも被害の規模は、地位が高いほど大きい。この対応は組織にそのまま当てはまる。決断力のある人が判断の基準を持たない場合、権限の大きさに比例して被害が広がる。現場の担当者なら小さな逸脱で済むが、経営層なら組織全体が傾く。だから、上の立場の人ほど、勇気より先に基準が問われる。勇気は採用や昇進で評価されやすい。基準は測りにくいので後回しになる。順序を逆にしていないかは、点検に値する。
この章句が説くこと
決断力勇倫理観義順位理念
関連する章句
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論語・憲問篇子路、成人を問う。子曰く、「臧武仲の知、公綽の不欲、卞荘子の勇、冉求の芸の若き、之を文るに礼楽を以てせば、亦た以て成人と為す可し。」曰く、「今の成人なる者は、何ぞ必ずしも然らん。利を見ては義を思い、危うきを見ては命を授け、久要平生の言を忘れざれば、亦た以て成人と為す可し。」
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論語・陽貨篇子曰く、唯だ上知と下愚とは移らざるなり。
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呂氏春秋・決勝①夫れ兵には本幹有り。必ず義、必ず智、必ず勇なり。義なれば則ち敵孤獨に、敵孤獨なれば則ち上下虚しく、民解落す。孤獨なれば則ち父兄怨み、賢者誹り、亂內に作こる。智なれば則ち時化を知る。時化を知れば、則ち虚實盛衰の變を知り、先後遠近縱舍の數を知る。勇なれば則ち能く決斷し、能く決斷すれば則ち能く雷電飄風暴雨の若く、能く崩山破潰し、別辨霣墜するが若し。鷙鳥の撃つや、搏攫すれば則ち殪し、木に中れば則ち碎くるが若し。此れ義智勇を以て得るなり。
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孔子家語・好生孔子子路に謂いて曰わく、「君子は心を以て耳目を導き、義を立てて以て勇と為す。小人は耳目を以て心を導き、愻ならざるを以て勇と為す。故に曰わく、之を退けられて怨みず、之に先んずれば斯れ従う可きのみと。」
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呂氏春秋・當務④齊の勇を好む者、其の一人は東郭に居り、其の一人は西郭に居る。卒然として塗に相遇いて曰く、「姑く相飲まんか。」觴數行にして曰く、「姑く肉を求めんか。」一人曰く、「子も肉なり、我も肉なり。尚ほ胡ぞ革めて肉を求むることを為さんや。是に於て染を具えんのみ。」因りて刀を抽きて相啖い、死に至りて止む。勇此くの若きは、勇無きに若かず。
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