論語 / 憲問篇
憲問恥。子曰:邦有道,穀;邦無道,穀,恥也。
書き下し
憲、恥を問う。子曰わく、邦に道あれば穀し、邦に道無くして穀するは、恥なり。
現代語訳
国が正しい時に富むのは良いが、乱れた世で富むのは恥である。
解説
国がきちんと治まっている時に禄をもらって暮らすのは良いが、国が乱れているのに禄をもらって平然としているのは恥である、という一節です。世の中や自分の属する場が正しく機能している時に、真面目に働いて相応の報いを得るのは、何も恥ずかしいことではありません。しかし、周りが道理を外れ、不正がまかり通っているような時に、それを見て見ぬふりをして自分だけ利益を得ている状態は、大きな恥だとこの一節は言います。周りの不正に気づきながら黙って給料を受け取り続けることも、地域や家庭で何かがおかしいと分かっていながら知らんぷりを決め込むことも、同じ構図です。周りの正しさと自分の得ている利益とを、切り離して考えてはいけないという戒めです。
この章句が説くこと
恥富正道
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説苑・立節王子比干身を殺して以て其の忠を作し、伯夷叔斉身を殺して以て其の廉を成す。此の三子なる者は、皆天下の通士なり。豈に其の身を愛せざらんや。以為えらく夫れ義の立たず、名の著れざるは是れ士の恥なりと。故に身を殺して以て其の行いを遂ぐ。此に因りて之を観れば、卑賤貧窮は、士の恥に非ざるなり。夫れ士の恥ずる所の者は、天下忠を挙げて士与らず、信を挙げて士与らず、廉を挙げて士与らざるなり。三者身に在りて、名後世に伝わり、日月と並びて息まず、無道の世と雖も汚す能わず。然れば則ち死を好みて生を悪むに非ざるなり、富貴を悪みて貧賤を楽しむに非ざるなり、其の道に由り其の理に遵い、尊貴己に及ばば、士辞せざるなり。孔子曰わく、「富にして求む可くんば、執鞭の士と雖も、吾亦之を為さん。富にして求む可からざれば、吾が好む所に従わん」と。大聖の操なり。詩に云う、「我が心石に匪ず、転ず可からず。我が心席に匪ず、巻く可からず」と。己を失わざるを言うなり。己を失わざる能わば、然る後与に難を済う可し。此れ士君子の衆に越ゆる所以なり。
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論語・泰伯篇子曰く、篤く信じて学を好み、死を守りて道を善くす。危邦には入らず、乱邦には居らず。天下道有れば則ち見れ、道無ければ則ち隠る。邦に道有りて、貧しく且つ賤しきは、恥なり。邦に道無くして、富み且つ貴きは、恥なり。
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論語・述而篇子曰く、富にして求む可くんば、執鞭の士と雖も、吾も亦た之を為さん。如し求む可からずんば、吾が好む所に従わん。
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論語・季氏篇斉の景公、馬千駟有り。死するの日、民徳として称する無し。伯夷・叔斉、首陽の下に餓う。民今に到るまで之を称す。其れ斯を之謂うか。
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論語・公冶長篇子曰く、巧言・令色・足恭は、左丘明之を恥ず、丘も亦た之を恥ず。怨みを匿して其の人を友とするは、左丘明之を恥ず、丘も亦た之を恥ず。