論語 / 為政篇
哀公問曰、何為則民服。孔子対曰、挙直錯諸枉、則民服。挙枉錯諸直、則民不服。
書き下し
哀公問いて曰く、「何を為さば則ち民服せん。」孔子対えて曰く、「直きを挙げて諸(これ)を枉れるに錯(お)かば、則ち民服せん。枉れるを挙げて諸を直きに錯かば、則ち民服せず。」
現代語訳
魯の哀公が『どうすれば民が従うでしょうか』と尋ねた。孔子は『真っ直ぐで正しい人を挙げて用い、曲がった人をその下に置けば、民は従います。逆に曲がった人を挙げて用い、正しい人の上に置けば、民は従いません』とお答えになった。
解説
魯の哀公が「どうすれば民が従うだろうか」と尋ねると、孔子は「正しい人を取り立てて、曲がった人の上に置けば、民は従います。曲がった人を取り立てて、正しい人の上に置けば、民は従いません」と答えました。誰を引き立て、誰を上の立場に据えるか。その選び方一つに、上に立つ者の考え方がはっきりと表れるという教えです。これは国の政治に限らず、会社や町内会、部活動などどんな集まりにも通じます。口先だけの人や要領の良い人ばかりを引き立てて、誠実に働く人を後回しにすれば、周りの人はしらけて心から従わなくなります。逆に、正直で真面目な人をきちんと認めて上に立てれば、それだけで場の空気が変わり、人は自然とついてくるようになります。
この章句が説くこと
人事公正信頼
関連する章句
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『春秋左氏伝』宣公十六年 民の多幸は国の不幸十六年春、晉の士會師を帥ゐて赤狄の甲氏及び留吁・鐸辰を滅ぼす。三月、狄の俘を獻ず。晉侯王に請ひ、戊申、黻冕を以て士會に命じて中軍に將とし、且つ大傅と為す。是に於て晉國の盜、逃れて秦に奔る。羊舌職曰く、「吾之を聞く、禹善人を稱げて、不善人遠ざかると。此の謂なり。夫れ詩に曰く、『戰戰兢兢として、深淵に臨むが如く、薄冰を履むが如し』と。善人上に在るなり。善人上に在れば、則ち國に幸民無し。諺に曰く、『民の幸多きは、國の不幸なり』と。是れ善人無きの謂なり」と。夏、成周の宣榭火あり、人之に火するなり。凡そ火は、人火を火と曰ひ、天火を災と曰ふ。秋、郯の伯姬來り歸る、出されたるなり。毛・召の難の故の為に、王室復た亂る。王孫蘇晉に奔る、晉人之を復す。冬、晉侯士會をして王室を平がしむ。定王之を享し、原襄公禮を相く。殽烝す。武子私かに其の故を問ふ。王之を聞き、武子を召して曰く、「季氏、而聞かざるか。王の享には體薦有り、宴には折俎有り。公は享に當り、卿は宴に當る、王室の禮なり」と。武子歸りて典禮を講求し、以て晉國の法を脩む。
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尚書・說命中惟れ治乱は庶官に在り。官は私昵に及ぼさず、惟れ其の能のみ。爵は悪徳に及ぼす罔く、惟れ其の賢のみ。
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『韓非子』外儲說左下第三十三封人因りて竊かに仲に謂ひて曰く、「適ま幸ひにして、斉に及びて死せずして斉に用ひられば、将に何を以て我に報いんとする。」曰く、「子の言の如くんば、我且に賢を之れ用ひ、能を之れ使ひ、労を之れ論ぜんとす。我何を以て子に報いん。」封人之を怨む。
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『韓非子』外儲說左下第三十三中牟に令無し。晋の平公趙武に問ひて曰く、「中牟は、吾が国の股肱、邯鄲の肩髀なり。寡人其の良令を得んと欲す、誰をか使ひて可ならん。」武曰く、「邢伯子可なり。」公曰く、「子の讎に非ずや。」
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貞観政要・択官書奏す。甚だ之を嘉納す。
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貞観政要・択官貞観六年、太宗魏徴に謂いて曰く、「古人云う、王者は須らく官の為に人を択ぶべし。造次に即ち用うべからず、と。朕は今、一事を行えば、則ち天下の観る所と為る。一言を出せば、則ち天下の聴く所と為る。正人を用い得ば、善を為す者は皆な勧む。誤りて悪人を用いば、不善なる者は競い進む。賞は其の労に当たれば、無功なる者は自ら退く。罰は其の罪に当たれば、悪を為す者は戒懼す。故に知る、賞罰は軽々しく行うべからず、人を用うるは弥々(いよいよ)須らく慎みて択ぶべきを」と。徴対えて曰く、「人を知るの事は、古より難しと為す。故に績を考え黜陟し、其の善悪を察す。今、人を求めんと欲せば、必ず須らく審らかに其の行いを訪ぬべし。若し其の善を知らば、然る後に之を用う。設令(たと)い此の人、事を済(な)す能わずとも、只だ是れ才力の及ばざるのみ。大害と為らず。誤りて悪人を用いば、仮令(たと)い強幹なりとも、害を為すこと極めて多し。但だ乱世は惟だ其の才を求め、其の行いを顧みず。太平の時は、必ず須らく才行倶に兼ねて、始めて任用すべし」と。
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